AKB48が11月28日に通算54枚目のニューシングル「NO WAY MAN」をリリースする。今作は日韓合同グループIZ*ONE(アイズワン)の専任メンバーになり、約2年半にわたってAKB48グループでの活動を休止することとなった宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美への“壮行シングル”という位置付けの作品。AKB48史上最高難度更新とも言われる激しいダンスが繰り広げられる表題曲のミュージックビデオを含め、発売前から話題を集めている。
音楽ナタリーでは本シングル選抜メンバーでありつつ、IZ*ONEとして10月末に韓国でデビューした宮脇、矢吹、本田の3人への独占インタビューを実施。AKB48グループの代表として海外に挑む3人に、今後の展望や意気込み、日本のアイドルシーンに思うことなどを語ってもらった。
取材・文 / 小野田衛 撮影 / 藤田二朗(photopicnic)
“IZ*ONE専任前ラストシングル”に3人が思うこと
──韓国のオーディション番組「PRODUCE 48」、とても面白かったです! 毎週食い入るように観ていました。
矢吹奈子 本当ですか!? うれしいです! 私も驚きましたが、韓国でかなり多くの方たちが観ていた番組みたいなんです。ものすごく影響力があったみたいで。
宮脇咲良 実際、空港などで声をかけられる割合も日本より韓国のほうが多いくらいです。
本田仁美 プデュ(「PRODUCE 48」)の放送期間中は、「ファイティン(がんばって)」ってよく声をかけられました(笑)。
──渡韓前ラストシングルという部分にも軸足を置きつつ、話を伺えればと思います。
本田 わかりました。よろしくお願いします!
──改めて皆さんの壮行シングルという位置付けとなっている54thシングル「NO WAY MAN」に対する思いはいかがですか?
本田 今作は「IZ*ONE専任前ラストシングル」になっているんですけど、そもそも私にとってはこの曲自体が初選抜なんです。「夢見ていたAKB48の選抜メンバーになることができてうれしい!」という気持ちがありつつ、「それなのにラストシングル!?」みたいな戸惑いもあって。でも、だからこそ「NO WAY MAN」を最初で最後の選抜曲にしたくないという思いは強いです。2年半後、日本に帰ってきたとき、いつでも選抜メンバーになれるような存在になっていたいです。
宮脇 AKB48のシングルでセンターをやらせていただくのは「君はメロディー」(2016年3月発売の43rdシングル)以来になりますが、これまでの経験を通して学んだパフォーマンスを、このシングルではアピールしたいと考えています。
──宮脇さん自身は「PRODUCE 48」が始まる前と今では、大きく自分が変わったと考えていますか?
宮脇 そうですね。とにかく韓国では練習する時間が多かったので、実力面で確実に変わっただろうし、それ以上に気持ちの部分で変化がありました。「NO WAY MAN」のMV撮影も、これまでになかったくらいの熱量を込めてパフォーマンスできたと思っています。
矢吹 私はAKB48のシングル選抜は3枚目になります。今回は今までで一番いい立ち位置をいただいたので、それがまず単純にうれしいです(笑)。MV撮影のときは、ものすごく緊張しました。HKT48の「早送りカレンダー」でセンターをやらせていただきましたが、それとは全然違う緊張感で。やっぱりAKB48で選抜メンバーになるのは特別な意味があると思うし、AKB48グループ全員の思いも背負いながら歌わないとって考えています。
宮脇 また今回のシングルは、歌詞の内容がすごく心に沁みるんです。基本的には私たち3人に向けたメッセージのような内容になっていますが、それと同時に私たちから日本のファンの皆さんに向けた気持ちも表現されているんです。2年半は期間としては決して短くないですから、寂しい思いもさせてしまうかもしれない。だけど私たちも精一杯がんばってくるので待っていてほしいし……もしよかったら会いに来てほしいなって思います(笑)。
本田 意外に近いですよ。
矢吹 そうそう! 福岡に住んでいた立場からすると、東京より近い感じがしますから(笑)。
──とは言え、ファンの悲しみは大きいのでは?
宮脇 もちろんそういった声もよく聞きます。
矢吹 でも奈子のファンの方はけっこう軽く考えているみたいです。「じゃあ韓国に住んじゃおうかなー」とか言って(笑)。
宮脇 ノリが軽い(笑)。
矢吹 「絶対、韓国にも行くからさ!」みたいに、わりと明るい感じで応援してくれてるんです。なので、私としても安心して韓国でもがんばれるなあと。
──「兼任で続ける」などと言う生半可な覚悟では通用しない?
宮脇 プデュの期間中は両立させていましたが、その時点でもう本当にギリギリでした。IZ*ONEの活動は2年半限定と最初から決まっているんです。だったらその間は全力でそこに集中して、向こうでいろいろ学んだことをAKB48グループに持ち帰ったほうがいいんじゃないかって。
──3人にとっては間違いなく人生の分岐点になると思うのですが。
本田 本当にそうかもしれない……。
矢吹 自分が韓国のアイドルになるなんて考えてもいなかったから、すごくこの状況が不思議だし、ふわふわした気持ちのままですけど、練習を重ねているうちに少しずつ実感が湧いてきました。
宮脇 人生の分岐点……。私はアイドルを7年やってきて、ありがたいことにたくさんの経験をさせていただきました。だけど「これからどうしよう?」と、ちょっと未来のイメージができなくなっていたのも事実です。これからの目標とか夢を模索している、まさにそんなタイミングで「PRODUCE 48」の話をいただいて。そういう場所やチャンスがあること自体、自分は恵まれていると感じるんです。活動7年目にして、また一から新しい環境でがんばることができるわけですから。今の気持ちを正直に言うと、すごく楽しみ! 自分自身に対してワクワクした気持ちを持っています。
本田 もしプデュに出ていなかったら、私はAKB48の選抜メンバーとしてこんなふうにインタビューを受けていなかったはずです。むしろ名前も顔も知られないまま、普通にAKB48を卒業することになっていたかもしれません。そういう意味では、間違いなくあの番組は私の人生を変えました。このプロジェクトに参加して本当によかったと思うし、これからのことを考えると楽しみな気持ちしかないです。
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AKB48チーム8から“発掘された”本田仁美
- AKB48「NO WAY MAN」
- 2018年11月28日発売 / You,Be Cool!
-
Type A初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90585~6 -
Type A通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-585~6
- CD収録曲
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- NO WAY MAN
- 池の水を抜きたい / 池の水選抜
- わかりやすくてごめん / PRODUCE48選抜
- NO WAY MAN(off vocal ver.)
- 池の水を抜きたい(off vocal ver.)
- わかりやすくてごめん(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
1~3曲目のミュージックビデオを収録
-
Type B初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90587~8 -
Type B通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-587~8
- CD収録曲
-
- NO WAY MAN
- 池の水を抜きたい / 池の水選抜
- それでも彼女は / 大人選抜2018
- NO WAY MAN(off vocal ver.)
- 池の水を抜きたい(off vocal ver.)
- それでも彼女は(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
1~3曲目のミュージックビデオを収録
-
Type C初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90589~90 -
Type C通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-589~90
- CD収録曲
-
- NO WAY MAN
- 池の水を抜きたい / 池の水選抜
- おはようから始まる世界 / U-19選抜2018
- NO WAY MAN(off vocal ver.)
- 池の水を抜きたい(off vocal ver.)
- おはようから始まる世界(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
1~3曲目のミュージックビデオを収録
-
Type D初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90591~2 -
Type D通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-591~2
- CD収録曲
-
- NO WAY MAN
- 池の水を抜きたい / 池の水選抜
- 最強ツインテール / U-16選抜2018
- NO WAY MAN(off vocal ver.)
- 池の水を抜きたい(off vocal ver.)
- 最強ツインテール(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
1~3曲目のミュージックビデオを収録
-
Type E初回限定盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-90593~4 -
Type E通常盤 [CD+DVD]
1646円 / KIZM-593~4
- CD収録曲
-
- NO WAY MAN
- 池の水を抜きたい / 池の水選抜
- 夢へのプロセス / AiKaBu選抜
- NO WAY MAN(off vocal ver.)
- 池の水を抜きたい(off vocal ver.)
- 夢へのプロセス(off vocal ver.)
- DVD収録内容
-
1~3曲目のミュージックビデオを収録
- 「NO WAY MAN」
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宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美、小栗有以、岡田奈々、指原莉乃、横山由依、柏木由紀、向井地美音、高橋朱里、白間美瑠、宮崎美穂、荻野由佳、須田亜香里、岡部麟、瀧野由美子、中井りか、倉野尾成美、田中美久、下尾みう、竹内美宥、菅原茉椰、山内瑞葵
- 「池の水を抜きたい」(池の水選抜)
-
太田奈緒、大家志津香、加藤玲奈、込山榛香、佐々木優佳里、谷口めぐ、西川怜、峯岸みなみ、山邊歩夢
- 「わかりやすくてごめん」(PRODUCE48選抜)
-
村瀬紗英、後藤萌咲、千葉恵里、小嶋真子、中西智代梨、武藤十夢、佐藤美波、岩立沙穂、山田野絵、浅井七海、村川緋杏、荒巻美咲、本村碧唯
- 「それでも彼女は」(大人選抜2018)
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稲垣香織、運上弘菜、大西桃香、大場美奈、小田えりな、北川綾巴、佐藤栞、渋谷凪咲、惣田紗莉渚、田中皓子、西潟茉莉奈、古畑奈和、村山彩希、森保まどか、山口真帆、吉田朱里
- 「おはようから始まる世界」(U-19選抜2018)
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太田彩夏、太田夢莉、大盛真歩、加藤美南、行天優莉奈、坂口渚沙、上西怜、高倉萌香、谷川聖、豊永阿紀、中村舞、福岡聖菜、本間日陽、前田彩佳、松岡はな、松本日向、薮下楓、横山結衣
- 「最強ツインテール」(U-16選抜2018)
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石田千穂、市岡愛弓、岩田陽菜、梅山恋和、小熊倫実、小畑優奈、門脇実優菜、久保怜音、末永桜花、鈴木くるみ、田口愛佳、武田智加、矢作萌夏、山田杏華、山本彩加、渡部愛加里
- 「夢へのプロセス」(AiKaBu選抜)
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福岡聖菜、荻野由佳、永野芹佳、小田えりな、山内瑞葵、浅井七海、田口愛佳、佐藤美波、中川美音、小栗有以、山口真帆、菅原りこ、高倉萌香、小嶋花梨、村雲颯香、篠崎彩奈
- AKB48(エーケービーフォーティエイト)
- 秋元康プロデュースのもと、2005年に始動したアイドルグループ。劇場に足を運べばメンバーに会える「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にある専用劇場(AKB48劇場)で公演を行っている。楽曲の作詞はすべて秋元康が担当。2006年2月にシングル「桜の花びらたち」をインディーズからリリースし、オリコンウィークリーチャートでトップ10入りを果たす。同年10月にはシングル「会いたかった」でメジャーデビュー。2007年春には初の全国ツアーも開催されたほか、同年末の「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たすなど、着実に知名度を上げていった。2011年 8月に22ndシングル「フライングゲット」をリリース。以後、10月に東日本大震災復興応援ソング「風は吹いている」などでミリオンセールスを連発し、2011年オリコン年間シングルチャートで1位から5位をAKB48が独占する結果となり、“国民的アイドル”と呼ばれる地位を確立した。2018年1月に9thアルバム「僕たちは、あの日の夜明けを知っている」をリリース。6月に10回目の「選抜総選挙」となる「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」を開催し、松井珠理奈が1位を獲得した。宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美の3名が日韓合同アイドルIZ*ONE専任メンバーとなり、10月末に韓国でデビュー。11月にこの3人への“壮行シングル”という位置付けの54thシングル「NO WAY MAN」をリリースする。
2018年11月28日更新