a flood of circle|個性を全開にした挑戦だらけの企画盤

「次に行こうぜ」に込めた意味

──ラストを飾る「Stray Dogsのテーマ」は佐々木さんが作詞、曲が渡邊さん、HISAYOさん、テツさんの共作です。これは初めての試みだと思うのですが、制作はどうでしたか?

渡邊 なかなか方向性が決まらなくて、スタジオでの沈黙が長かったよね。空調の音とかめっちゃ聞こえてた。

アオキテツ(G)

アオキ で、曲のきっかけを作ったのは俺だったかな。

渡邊 そう。それを3人で練って、どうやったら今まで聴いたことのないタイプのフラッドの曲になるのか突き詰めていきました。あとグランジをテーマにしながら、バンドの爆発力を表現しようというのが根底にありましたね。

アオキ グランジと言えば、うるさいサビと念仏みたいな平メロが特徴なんで、曲を作るときにはそこを意識して。

──佐々木さんは作詞にあたってどんなことを意識しましたか?

佐々木 今のフラッドがやっている音楽は、ノスタルジーではなくて、未来がよりよくなることを表現しようというのがあるので、新しいところに向かっていく気持ちを込めました。

──最後のフレーズにある「次に行こうぜ」というのが、バンドの今のモードなのかなと思いました。

佐々木 そうですね。「Stray Dogsのテーマ」は全員の名前がクレジットに入っているだけじゃない、すでに次に向かっている俺らの意思表示を込めて全員で作り上げた曲になったと思います。

いい状態を壊したくない

──ミニアルバムのボーナストラックには、2009年リリースの1stアルバム「BUFFALO SOUL」と2ndアルバム「PARADOX PARADE」の再現ライブの音源が収録されています。そもそも再現ライブをやることになった背景はなんだったんですか?

佐々木亮介(Vo, G)

佐々木 毎年9月上旬の新宿LOFTのスケジュールをツアーマネージャーが押さえてるんです。今年はデビュー10周年だし、10年前の作品を再現するのはどうかと思ったんです。ファンも喜ぶかなと。1stアルバムと2ndアルバムの曲も全部ではないにしても、テツが入ってからやってるから、再現ライブもできると思ったんです。

渡邊 テツを含めて、ちゃんと笑ってライブができたことがよかったよね。バンドが変わってることが再現ライブをやると確かめられたし。

──この10年間でライブに対するスタンスの変化はありましたか?

佐々木 一番の変化は練習するようになったことですね(笑)。前はギリギリにリハーサルをやって、ツアー中に演奏がうまくなっていく感じだったんだけど、テツがメンバーとして加入したからちゃんとリハーサルができる状態になって。当たり前だけど、そうするとライブがよくなるし、ライブがいいと自信が付いてくるからどんどん楽しくなる。

──いい状態なんですね。

佐々木 個人的には、姐さんが入ってくれた頃から革ジャンを着始めて、a flood of circleの佐々木亮介として打ち出すものを目指してきたけど、今は自分なりのスタイルができた気がして。常に“a flood of circleの佐々木亮介”であろうとしてるより、その日ごとの自分でいいという感じになりましてね。それはソロやTHE KEBABSから持ち帰っている感覚かもしれない。

──渡邊さんはどうですか?

渡邊一丘(Dr)

渡邊 デビュー時は、ライブをやってるときは「死なない!」と思ってたんです。

──死なない、ですか?

渡邊 死なないというか、「負けてたまるか」みたいな気持ちでライブをやってたんです。でも今はライブをやりながら「生きたい!」と思ってますね。

──過去のフラッドのパブリックイメージは、何かに反抗していて、苛立っていてというのがあったと思うんです。でも、今はライブからも音からもポジティブなムードを感じます。

渡邊 うん、今は前向きですね。

HISAYO 「CENTER OF THE EARTH」のレコ発ツアーを経て、フラッドがいい状態なので、その感覚を壊したくないんです。

アオキ とにかくライブが楽しいんですよね。俺はライブがないと体調悪くなるんで、ライブのおかげで生きてます。

──11月14日に始まるツアーはどんな内容になりそうですか?

佐々木 「HEART」の曲だけでなくて、未発表の新曲をやって、ライブで育てていく予定です。これまではリリース直後の曲をやるので精一杯だったけど、今だったらライブで新曲をやれる気がして。だから新しいa flood of circleを感じるためにもたくさんの人にライブに来てほしいです。

ライブ情報

a flood of circle「a flood of circle "Lucky Lucky Tour 2019-2020"」
  • 2019年11月14日(木)千葉県 千葉LOOK
  • 2019年11月29日(金)北海道 BESSIE HALL
  • 2019年12月1日(日)宮城県 仙台MACANA
  • 2019年12月6日(金)広島県 CAVE-BE
  • 2019年12月7日(土)福岡県 LIVE HOUSE CB
  • 2020年1月11日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2020年1月13日(月・祝)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2020年1月17日(金)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
  • 2020年1月19日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
AFOC x SHELTER presents「ROCK'N'ROLL NEW SCHOOL <'19-'20 Count Down Party!!! FINAL!>
  • 2019年12月31日(火) 東京都 下北沢SHELTER OPEN 18:30 / START 19:00 <出演者> a flood of circle / NITRODAY / SAMURAIMANZ GROOVE / The ManRay / THE PINBALLS / 突然少年 / 片平実(Getting Better)
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