青春高校3年C組|“ずっと会えなかった”若者たちが歌う希望

死んでた人がよみがえったみたいな

──予定外のことが続く中、6月15日の放送で突然2ndシングルの情報が発表されました。表題曲「好きです」は、好きな人に会えなくなるという夏休み前の不安な気持ちが切なく歌われていて、このコロナ禍とリンクしたような内容になっていますね。

頓知気さきな

頓知気 「今までと全然違うな」って印象を受けました。かわいい曲だったりウキウキ系の初恋ソングが多かった中で、これはけっこう“切ない”に振り切った曲だなって。振り付けでも、サビで「切ない顔して」って言われたんですよ。今までそんなことなかったし、私たちの新しい一面を見せられる曲だと思います。

日比野 今までスタジオで普通に会えていたクラスメイトとかMCの方とか、みんなに会えないことが本当にずっと寂しくて。LINEとかだけじゃ物足りない、早く会いたいなってずっと思っていた中でこの曲をいただいたんです。だからMV撮影のときにサプライズで会わせてもらったときは、本当にうれしさが爆発でした。

──そのMVですが、「時間を分けて1人ずつ実施」と聞かされていたロケ撮影中に、突如ほかのメンバーが現れるというドッキリ的な演出で制作され、番組ではその裏側まで紹介されました(参照:青春高校3年C組ニューシングル「好きです」ドッキリMV撮影で涙)。

ボールドウィン 私は撮影の日に女鹿(椰子)ちゃんが別で撮っているところをたまたま見つけちゃって、「ヤバい、女鹿ちゃんいる!」って。あとから考えたら偶然でもなんでもなかったんですけど(笑)、そのときはひさびさに直接顔を見たうれしさと同時に「近付いていいのかな?」っていう不安もあって。それで恐る恐る近付いていったら女鹿ちゃんのほうから抱きついてきてくれて、すごくうれしかったです。

日比野芽奈

黒木 実は私、事前に「あなたが会いたがっている大切な人が待っています」とだけ聞かされていて、「大曲(李佳)がいるに違いない」って確信してたんですよ。だからまさか自分が泣くなんて想像もしてなくて……。この自粛期間中、知らないうちに心が沈んでいたんでしょうね。大曲の姿を見た瞬間に「これから少しずつみんなとも会えるようになるんだ」って実感して、どんどん涙が出てきちゃって。大曲はキョトンとしてましたけど(笑)。

兼行 私は撮影中、ずっと頭の中で「好きです」を再生していたんです。すごく日常の出来事が書かれている歌詞じゃないですか。その“日常”から離れてしまっている今、「今後ずっとみんなに会えないんじゃないか」みたいな感覚になってきちゃって。そこにのんはん(前川歌音)が出てきたから、なんか……死んでた人がよみがえったみたいな。

日比野黒木 勝手に殺さないでー!

兼行 殺しちゃった(笑)。本当にそれくらい信じられなくて、私も泣いちゃいました。

兼行凜

──カップリングの「制服自転車」についても聞かせてください。兼行さんと大曲さんのダブルセンター曲で、兼行さんは初のセンターですね。この曲、全然シングル表題曲もあり得るくらいの……。

一同 めちゃくちゃいい曲!

頓知気 「好きです」がコロナで会えない悲しさや苦しさを表した曲だとすると、「制服自転車」はこれからの希望をポジティブに切り取っていて。それぞれ単体でもいい曲なんですけど、2曲が合わさることでさらにストーリーができる。両面あることに意味があると思います。

兼行 私、リモートになって実際けっこう沈んでたんですよ。毎日泣いてたし、毎日のようにさきなちゃんに電話してた。でも、この曲を聴いたときに「今の自分に言ってくれてるのかな」って感じて、がんばらなきゃって思えたんです。なので、私と同じように沈んでいる世界中の人たちの背中を押せる曲なんじゃないかな。

左から兼行凜、ボールドウィン零、頓知気さきな、日比野芽奈、黒木美佑。

ティッシュください

──今日の5人の中だと、黒木さんとボールドウィンさんはまだセンター経験がないですよね。ご本人としてはやりたい気持ちはあります?

黒木美佑

黒木 ……私、それ聞かれると泣いちゃうんですよ(と言いながらみるみる目を赤くしていく)。

ボールドウィン え、なんで!? ホントに泣いてるし!

頓知気 (スタッフに)ティッシュください!

黒木 (涙を拭きながら)センターになることにはそんなにこだわってないつもりというか、「私こだわってません」というフリをしていたというか。そういうの、カッコいいじゃないですか(笑)。

──「むしろ脇こそが大事なんだ」みたいな。

黒木 そうですそうです。実際、自分のポジションには誇りを持ってるし。でも、隣とか1個前で踊ってた子たちがセンターになると、私よりも歩みを進めている……ように見える。さきなちゃんには「凜ちゃんも大曲も役割としては変わってなくて、ただ立ち位置が物理的に真ん中なだけだよ」って言ってもらって、それも頭ではわかってるんですけど、私は自分で思っていた以上に前へ行きたかったんだって気付いてしまって。昔いたグループも含め、今までほとんどセンターというポジションをさせてもらったことがないんです。パフォーマンスができている自負はあったので、「あとは何をしたら前に行けるんだろう?」と行き詰まってしまっているというか……。

ボールドウィン このあと、話しづらい!(笑)

黒木 私が先に話すべきじゃなかったね(笑)。とはいえ、今回は大曲と兼行ちゃんを支えつつ、自分のポジションで100%を出したいと思っています。

──ボールドウィンさんはあまりガツガツしているようには見えないですけど、実際はどうなんですか?

ボールドウィン零

ボールドウィン やりたいですよ。センターをやりたい気持ちはありますけど、美佑が言ったように今のポジションだって自分に与えられた大事なものなので。それと、今までの曲って全部センターの人に合う曲になっているなと思っているので、私も曲を書いていただけるような人間になろうっていう気持ちが強いですね。センターを目指すというよりは、それにふさわしい人間になることを目指したいです。

頓知気 アイドル部の曲って、みんながちゃんと輝けるようにフォーメーションが組まれているのを感じるんですよ。アイドルオタク目線で見たときに「この子はどこにいても輝けるな」とか「この子はここがぴったりだな」とか、あるじゃないですか。そういうのがきっちり考えられてるなって。13人全員がおのおの自分の色を出せて、どこに立ってても「ここがセンター」って思えるような、全員が輝き合って全部がまぶしいグループになっていきたいと思っています。

──いいこと言いますね。

黒木 また泣きそうになってるよ、私。

頓知気 (スタッフに)ティッシュください!