虹コンの中核メンバー、役割の変化は
──この5人に関しては、なんとなく「新メンバー」という印象を持っていたんですけど、現在の虹コン12人の中ではもはや中核を担うメンバーになっているという……。
尾林結花 そうなんですよ。
川端優 ホントにいつの間にかという感じで。
──新メンバーではなくなった、という自覚はありますか?
石浜芽衣 どうなんだろう? この5人の中でも入ったタイミングは差があるので。
一宮ゆい 私はまだまだ新メンバー、駆け出しみたいな気持ちです。
石浜 どのくらい経った?
一宮 まだ1年半ちょっと(参照:虹コンに新メンバー・一宮ゆい加入!石原愛梨沙が復活し16人で夏に結成10周年公演)。
尾林 私とめめ(石浜)はもう4年目で(参照:虹のコンキスタドール予科生として的場華鈴、石浜芽衣、尾林結花、原田珠々華が活動開始)。
栗原舞優 4年? そうだっけ?
石浜 私、マイク番号16から始まって、今は5番なんですよ。さすがにもう新メンバーという感覚じゃいられない(笑)。
尾林 新メンバーという感覚はなくなったし、以前は先輩に任せていたことを自分たちでやる機会が増えてきました。頼ってちゃいけないし、頼られなくちゃいけない。グループに必要とされる存在になるように、という意識は1人ひとりあるのかなって。
──川端さんは2022年末の加入ですが(参照:虹コン予科生に中学3年生・川端優が加入!「全国美味いもの征服ツアー」おかわり編開催も決定)、それまでは普通に虹コンのファンだったんですよね。憧れとして見ていた虹コンを、今は自分が作る立場になっている。グループに対する見方は活動をしていく中で変わってきましたか?
川端 入って1年目くらいまでは、確かにまだ外からの視点のほうが強かった感じがします。自分が“中の人”という意識がまだそこまでなかった。今は「虹コン」と言われてちゃんと自分のことだと思えてる。新メンバーという感覚があった頃まで、Twitter(X)のプロフィールに「新メンバー」って付けてたんですよ。2年くらい経つまで付けてたのかな。
尾林 ずいぶん付けてたね(笑)。
──栗原さん、一宮さんは別のグループで活動しながら、ある意味ライバルとして虹コンを見ていたわけですよね。今は虹コンの栗原舞優、一宮ゆいとして、血が入れ替わっている?
栗原 そうですね。正直、自分のことを虹コンと認識するまですごく時間がかかりました。この間、やっと虹コンに入って1000日経ったんですけど(参照:虹コン予科生に栗原舞優&澤村光彩が加入!ANAとのタイアップ「おかわり親睦会秋田編」も決定)、私は下の子が入ってくるまではずっと新メンバー感覚で。朱里先輩、萌先輩、理子先輩がいた野音までは、先輩方がいろんなことを決めてくださっていたので、自発的に何か言うということがあまりなかった。最近になって、セトリ会議に参加したりとか、後輩ちゃんに立ち位置を教えたりする側になって、やっと「虹コンメンバーだ」という自覚が芽生えてきました。
石浜 最初の頃、よく「虹コンさん」って言い間違えてたもんね(笑)。
栗原 そう! 1年くらい言ってたよね。ずっと先輩グループという意識が頭から抜けなかったので。赤い色に慣れてきたのも大きいかも。
一宮 私は前のグループで青だったんですよ。ずっと青が近い存在、青と共存してきたようなところがあったから、そこから予科生のピンクになって、紫になって……最初はすごくソワソワしてました。先輩が守られてきた色というプレッシャーもあったので、責任感というか。
栗原 めっちゃわかる。
一宮 でもこの間、中標津のイベント(「虹コンとゆく!撮り旅なかしべつツアー Supported by ANA あきんど」)で衣装交換があったんですね。違う色の衣装を着て、そのあと紫の衣装に戻ったとき、なんだかフィットする感覚があって。知らないうちに紫色になじんでいたんだなって、そのとき初めて自覚しました。
──具体的にグループ内で役割として変化したことは?
石浜 今までは先輩に任せてたけど、今は絶対に自分が入らなきゃ!と思うのは、ライブのMC決めですね。
尾林 めっちゃわかる!
石浜 流れを決める話し合いが毎ライブごとにあるんですよ。そこにこの5人が圧倒的に参加するようになった。誰に言われたわけでもないんですよ。この話し合いに参加しなさいって。それぞれが「これは私たちがやらなきゃ」と思っていて、参加するようになったんだと思います。
──今の虹コンについてちゃんと言葉で伝える役割を、今までは先輩たちがやるものだと思っていた。その意識の変化は大きいかもしれないですね。
尾林 はい。虹コンを代表する言葉を、私たちも言っていいんだと思えるようになった。その自覚がちゃんと芽生えたんだと思います。
玉屋曲に思わずガッツポーズ「これから虹コンの強みになる曲だ」
──そんな未来の虹コンを担う5人に、新曲「平成令和ネバーエンドサンバースト」について具体的に聞いてみたいと思います。虹コンにとって初の玉屋2060%さん提供曲で、音楽的には新しい領域に踏み込んだ楽曲ですよね。
川端 最初に聴かせていただいたときは、思わずガッツポーズをしました。虹コンの曲はどれも好きなんですけど、初めて聴いた瞬間から「これはいい!」とここまで思えた曲はなかったかもしれない。すっとなじんだ感覚がこの曲には特にあって。
尾林 「この曲は絶対にこれから虹コンの強みになる曲だ」という感覚がすごくあって、うれしかったし、これからが楽しみになりました。
石浜 みんな言ってたもんね。「ヤバくない!?」って。
──玉屋さんと言えばやはりでんぱ組.incの代表曲を数々生み出してきた人という印象で。でんぱ組.incの楽曲を彷彿とさせるカオスでハイカロリーな楽曲だなと感じましたが、そもそも虹コンの楽曲もハイカロリーなものが多いので……。
尾林 そうなんですよ。このハイカロリー具合はけっこう虹コンっぽい。
栗原 私たちが入った頃の虹コンの新曲は、どちらかというと時代に合わせたかわいい曲が多い印象だったので、ここにきて虹コンにぶっ刺さる曲が来たなと思いました。
──特にぶっ刺さったポイントはなんでしょう?
石浜 私的には……最初の「とんでもない事やろうぜ 平成 令和 ネバーエンドサンバーストだっ」のところで、めっちゃ白目を剥くんですよ(笑)。
栗原 剥くねー(笑)。
石浜 最近の曲でこんなに白目を剥いたり変顔したりする曲はなくて。私たちが入ってからの曲では初めてなんですよ。
──なるほど。「↓エイリアンガール・イン・ニューヨーク↑」でも白目を剥いたりするパフォーマンスは先輩たちの流れを引き継いだものだったけど、ここにきてついにオリジナルの白目曲が来たと。
石浜 そうなんです。「虹コンっぽいことができてる!」という喜びがありましたね。
川端 途中のゆいち(一宮)のセリフが強烈で。「甘いしゅわしゅわ」っていう……。
石浜 「甘しゅわ」ね。
川端 通称「甘しゅわ」。そんな曲あんまりないから。
一宮 曲の中でいろんな展開があって、いろんなギャップがあるから、いろんな視点で楽しめる。
栗原 ヨガとかね。
石浜 ずっとガチャガチャしてるのに、途中で呼吸を整えるためにヨガを始めるんですよ。突然ホワーッて。振付ではこの2人(石浜&尾林)で、すごく神々しい感じの……。
尾林 アイドルのライブで「神々しかった」っていう感想はなかなかないと思うんですけど(笑)。きっと初めて観た人は印象に残ると思います。私はこの曲の歌詞の、「とんでもない事やろうぜ」とか「君と僕とで」とか、周りの人も巻き込んでいくような雰囲気に、今の虹コンの決意表明というか、「ここで勝負をかけるぞ!」という思いが詰まっているような気がして。自分たちもそういう気持ちだし、きっと聴いてくれる人たちにもそれが伝わるんじゃないかと思います。
──尾林さん、前回のインタビューではこんなに力強く話してなかったよなあと感慨深くなりました。
尾林 (笑)。前回は確かまだ予科生で、全然話せなかった記憶があります。この場所で、1人でちっちゃく隅っこに座ってた。
石浜 すごい。インタビューでわかる成長だ。
栗原 結花は虹コンを代表する挨拶とかを任される場面が多くなってます。
尾林 成長できてるのかなあ。
今の虹コンでもう一度あのステージへ……
──ここからの新曲がどうなっていくかも気になりますが、皆さんとしては今後の虹コンをどうしていきたいと考えていますか? そこを中心になって作っていくのは皆さんだと思いますので。
石浜 そうですよねー。虹コンは白目とか変顔とかも含めて「虹コンらしい」と言われているものがあって。それは私たちもちゃんと自覚しているんですけど、やっぱり最近のアイドルの流れとしてはもっとかわいいというか……私たちもかわいいんですけど(笑)、踊りはこんなに激しく動かないし、そこは時代ごとの流行りがあると思うんですよ。でも、虹コンは外を意識してもあんまり意味がないと最近自覚しまして。とにかく虹コンらしく、虹コンのいいところをどんどん深堀っていきたい。私たちはそこに磨きをかけて、振り向いてくれる人たちをもっと増やしていけるように、どんどん発信していきたいなと思います。とにかくもう、虹コンとして生きる!
──虹コンたるものをどんどん熟成発酵させて。
石浜 熟成! 新メンバーの3人もむちゃくちゃ虹コンっぽいし、なんの不安もないというか。
──その「虹コンっぽさ」は言語化できますか? 変顔などのワードではなく、具体的に。
石浜 なんだろう? 私的には……ちょっと根が暗い? 明るいんですけど。難しいな。
川端 私は「素直」だと思います。
栗原 うんうん。心優しい子がすごく多いかなと思います。根が暗いというのも近いかもしれないけど、思ったことをそのままワーッとぶつけるような子は少なくて。一旦こう、顔色をうかがう子が多い。それが虹コンのよさであり、みんなでいいものを作っていくうえでは大事なことなんじゃないかなって。
川端 最近、とあるイベントで外から虹コンを評価していただく機会があって。
──先輩チームも話されていましたが、「IDOL BATTLE ALIVE」ですね。
川端 はい。そのときに「虹コンっぽさ」を言語化してもらえたというか、自分たちが信じていたものをちゃんと評価してもらえたことがすごくうれしかった。
石浜 大絶賛だったんですよ(笑)。むちゃくちゃ褒めていただけて。
栗原 自分たちが信じたことを突き詰めていけば、きちんと評価されるんじゃないかと自信が付きました。
──そのうえで、今の虹コンにとっての具体的な目標は考えていますか?
栗原 この5人は全員同じ気持ちだと思います。武道館です。
──そうですよね。今回、期別にメンバーを3組に分けてみたとき、そういえばこの5人はあのときの日本武道館のステージに立っていないんだなと気付きました。
尾林 私とめめは虹コンに入る前で、関係者席で武道館を観てるんです。ずっと「私たちもあのステージに立ちたい」という思いを持って活動してきたところもあって。それは自分だけの叶えたい夢じゃなくて、今は虹コンとしての目標にしたいし、そう思ってくれるメンバーも増えてきたので……(一宮を見ながら)。
栗原 この前、会議で言ってくれたもんね。「武道館に行きたいです!」って。私、すごくうれしかったんですよ。言っていい雰囲気があまりなくて。
石浜 きっと先輩方ももう一度あのステージに立ちたいという気持ちがあると思うんですけど、その難しさを一番わかっているはずだから。なかなか口に出すことはできないんだろうな……という中で、ゆいちが。
栗原 ここのみんなで「武道館に立つまでは辞めない」って話したよね(笑)。
石浜 一致団結して目標を口にしやすくするのも私たちの役目だと思いますし、中堅としてがんばっていきたいと思います。
尾林 今の虹コンで武道館に立てるんだって証明したいです。
一宮 そのための努力はしないとね。
川端 武道館できるような気が……最近してきた。自信が付いてきました。
プロフィール
虹のコンキスタドール(ニジノコンキスタドール)
自分たちが思う「かわいい!」や「好き!」を追い求めるインドア系正統派アイドルグループ。通称、“虹コン”。2017年4月に映画「聖ゾンビ女学院」の主題歌を収めたDVDシングル「✝ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド✝」でキングレコードよりメジャーデビューした。2018年よりディアステージに所属している。同年12月に「結成5周年プロジェクト」の一環としてベストアルバム「THE BEST OF RAINBOW」を発表。2022年4月には東京・日本武道館で2DAYSワンマンライブ「Over the RAINBOW~なんたってアイドルなんですっ!!~ in 日本武道館」を開催した。2025年12月現在、所属するメンバーは大和明桜、隈本茉莉奈、蛭田愛梨、的場華鈴、石浜芽衣、尾林結花、栗原舞優、川端優、一宮ゆい、青山詩、伊藤舞依、八木遥叶の12名。10月にでんぱ組.incのカバー「プレシャスサマー!」、11月には新曲「平成令和ネバーエンドサンバースト」をリリースした。





