虹のコンキスタドール「Over the RAINBOW~虹の上にも7年!~」インタビュー|駆け抜けてきた道のりを胸に刻み、武道館のその先へ (4/4)

“赤盤”萌えの起源

──コンプリートボックスの話題に移りますが、皆さんにはCDの収録曲ではなく、Blu-rayに収められている22曲分のMVについて話していただこうと思います。撮影時のエピソードなど含め、強く印象に残っているMVがあれば教えてください。

大和 私は「じゃんぷ!」のMVがすごく好きで。グアムでロケをしたんですけど、ココナッツジュースを持って歩きながらリップシーンを撮ったり、すごく自由に撮影した思い出があります。映像の色合いも印象的で……。

岡田 淡めだけど、くすんでいるわけではなくて、陽の光で霞んでる感じなんです。

左から隈本茉莉奈、石原愛梨沙、鶴見萌、岡田彩夢、大和明桜、大塚望由、清水理子。

左から隈本茉莉奈、石原愛梨沙、鶴見萌、岡田彩夢、大和明桜、大塚望由、清水理子。

大和 虹コンはパキッとした質感のMVが多い中、青春感を感じられる、夢の中のような映像になっているからめちゃくちゃ好きなんです。あと、歌詞に合わせてキス顔をしているシーンがあるんですけど、撮影のとき、私がキス顔をするたびにめちゃくちゃ雨が降ってきて。妖怪雨降らしババアと呼ばれるくらいでした(笑)。

岡田 言われてた(笑)。「キミは無邪気な夏の女王~This Summer Girl Is an Innocent Mistress~」「じゃんぷ!」「夏の夜は短すぎるけど…」というトリプルA面シングルの表題曲のMV、全部同じときにグアムで撮ったんです。ほか2曲がパキッと決まっている感じだったから、「じゃんぷ!」では自由に遊んで撮って。

清水 私は「夏の夜は短すぎるけど…」のMVで、ベッドであかりん(中村)先輩にりんごを食べさせるシーンがめっちゃ記憶に残ってます(笑)。“赤盤”の2人(中村と清水)が好きというファンの方が多いんですけど、あのシーンがその起源だったのかもしれないです。

鶴見 騒がれる前だったもんね。

岡田 騒がれる(笑)。確かに、あのときはまだ「赤盤、萌えー」とか言っている人いなかった。

清水 その前に「✝ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド✝」のジャケットに2人で写るという流れがあって、「夏の夜は短すぎるけど…」で開花しちゃったのかもしれないです。赤盤の何かが始まったような気がする(笑)。

岡田 今思えば神MVだ(笑)。

鶴見 あのときの撮影、ホントに面白くて。大人組が部屋に集められて、ちょっとムーディなシーンを撮影したんです。ねもっちゃん(根本凪)がシャワーを浴びたり。私は「これで遊んでください」って電球を渡されて(笑)、みんなに笑われながらもなんとか撮影しました。

清水 電球1つでいい雰囲気を作れるなんて思ってなかったのに、めっちゃちゃんとできてて笑っちゃったんです。

隈本 萌先輩とねも先輩が一緒にベッドに入ってにっこりしているオフショットもすごかった(笑)。

鶴見 水着の状態だったから、ほぼ裸に見えるんですよ。1回Twitterに上げたんですけど、センシティブ画像として認識されちゃって(笑)。

大和 グアムの撮影はホントに思い出深いね。

左から隈本茉莉奈、石原愛梨沙、鶴見萌、岡田彩夢、大和明桜、大塚望由、清水理子。

左から隈本茉莉奈、石原愛梨沙、鶴見萌、岡田彩夢、大和明桜、大塚望由、清水理子。

未来のことを前向きに考えるように

──MVの思い出話で名前が出た流れで、武道館公演を最後に的場さんとともに虹コンを卒業する根本さんのことも少し聞かせてください。根本さんは昨年秋から休養されていますが、虹コンの顔とも言える存在であり、結成時からグループへの貢献度がとても高いメンバーだと思います。そして、卒業後もクリエイターとしてグループに関わり続けていくという未来に向けた前向きなお話もあります。

隈本 ねも先輩は次にやりたいことを見つけて、それに向かって進んでいくということで、大好きだからこそ応援したいという気持ちが大きいです。虹コンはメンバーの編成が頻繁に変わるグループだった中、この数年は変わらない期間が続いていて。だからこそ2人が卒業することが不安でもあるんですけど、これから先、何ひとつ変わらないということはありえないので、ねも先輩が「これからも虹コンに関わっていきたい」と言ってくれたように、いい変化として次を見せられるグループにならなきゃいけないという決意が芽生えました。

清水 ねも先輩はちゃんと次にやりたいことがあり、自分の未来のイメージがあって卒業を決めたということで、すごく尊敬しています。いつかはみんな卒業するわけですけど、今までその先のことを考えようとしたことがなかったんです。でも、2人のおかげで未来のことを考えてもいいんだ、いろんな道があるんだと感じられて、寂しい気持ち、尊敬の気持ちがありつつ、卒業の話を聞いたことで学びがありました。

鶴見 メンバー12人で2年間ずっと変わらず活動して、Zeppで武道館を目標にすることを宣言した時期は、虹コンの先のことを考えるのは悪、とまでは言わないけど、「この12人で一丸となってがんばっていかなきゃ」という思いが一番にあったんです。2人の話を聞いてからは、先のことも考えつつ活動していくことを前向きに捉えているメンバーもいて。もちろん「虹コン以外考えてこなかったな……」とちょっと戸惑っているメンバーもいますが、とにかくみんなで前に進んでいます。

──昨年のクリスマスライブで武道館公演が決定したことが発表されたとき、鶴見さんが一番言葉選びに困っている様子でしたが、あれはどういう心境だったんでしょう?

鶴見 あのとき、2人の卒業については発表前でしたが、私たちメンバーは知っていて。みんなの言葉を聞いているうちに気持ちが「ウッ……!」となっちゃったんです。ファンの皆さんが武道館を喜んでいる場なのに申し訳なかったです。2人は今までホントに心を燃やして虹コンに貢献してくれて、とても大きな存在だったので、多少そこにあやかっている部分もあったと思うんですよ。だからすべてを回してくれている華鈴ちゃんがいなくなることを考えて行動しなきゃいけないし、今のうちにたくさんのことを吸収しなくちゃいけない。その状態で武道館に向けて進んでいくことになり、だいぶグループの雰囲気が変わった気がします。「武道館がんばらなきゃ!」という気持ちをさらに後押ししてくれたというか、虹コンのことを主体的に捉えて行動できるようになったいいきっかけだったなって。ファンの皆さんに「虹コン、この先も全然大丈夫じゃん!」と思ってもらえるためにがんばっていきます。

岡田 私はねも先輩とは“緑盤”の相方という関係ですが、「キミは無邪気な夏の女王」や「サマーとはキミと私なりっ!!」のMV撮影で特に絡んだ記憶があって。一緒に海でサンゴを拾って、「このサンゴは細身で、コンビニで働いてて」とか、1つひとつを擬人化しながら話したのが仲よくなった最初のきっかけなんです。2人とも絵を描くオタクだし、好きなものは二次創作だし、物事の感覚や捉え方が近いし、身長も足の大きさもほとんど一緒だし。ファンの方にも似ているとよく言われて、一緒にいてとても心地がいいんですけど、似すぎているあまり、お互いに近付きすぎることができないというか、個人的には一番近くて遠い存在だったなと感じています。アイドルとしてすごい人だけど、そのつらさを表に出すのが苦手な人で……。めっちゃ大好きで、ねも先輩と一緒にライブに出る夢も見るんですよ。

鶴見 あ、私もこの間見た。

隈本 見た見た。

岡田 ねも先輩がデザインしてくれた緑色の衣装を着るのが楽しみですね。

左から隈本茉莉奈、石原愛梨沙、鶴見萌、岡田彩夢、大和明桜、大塚望由、清水理子。

左から隈本茉莉奈、石原愛梨沙、鶴見萌、岡田彩夢、大和明桜、大塚望由、清水理子。

──ちょっと湿っぽくなってしまったので、最後は師弟関係を結んでいる大塚さんと石原さんの2人から武道館への意気込みとして明るい言葉をいただいて、インタビューを終わりにできればと思います。

大塚 去年入った私やありさーちは能天気というか、何も考えてなさそうな雰囲気で(笑)。どこかカラッとしているから、そういう面で虹コンにいい影響を与えられたらと思っています。までの虹コンが好きな方にしたら 今までの虹コンが好きな方からしたら「急にグループに入ってきてなんだ!」という感じかもしれないですが、私の存在を認めてもらうと同時に、新たな雰囲気の虹コンを好きになってもらいたくて。武道館がそのきっかけになったらいいなと考えています。

隈本 望由先輩は武道館ワンマンの頃に、再加入1年を迎えるんですよね。去年入ってきたメンバー4人が新しい風を吹かせてくれたおかげでこの1年で虹コンがいい意味で変わったので、武道館のその先が楽しみです。

石原 華鈴先輩が言っていたように、武道館を通過点にしていきたいです。不安もあるけど、それ以上に先輩たちと一緒に武道館に立てることが今ホントにうれしいんです。毎日練習して、大変だなと思うこともありますが、楽しみな気持ちのほうが強いです。その楽しみな気持ちを武道館にも持っていって、1人でも多くの方に「この子が入ってきてくれてよかったな」と思ってもらえるようにがんばります!

虹のコンキスタドール
虹のコンキスタドール
虹のコンキスタドール

ライブ情報

虹のコンキスタドール ワンマンLIVE「Over the RAINBOW~なんたってアイドルなんですっ!!~ in 日本武道館」

  • 2022年4月16日(土)東京都 日本武道館
  • 2022年4月17日(日)東京都 日本武道館

プロフィール

虹のコンキスタドール(ニジノコンキスタドール)

自分たちが思う「かわいい!」や「好き!」を追い求めるインドア系正統派アイドルグループ。通称、“虹コン”。2017年4月に映画「聖ゾンビ女学院」の主題歌を収めたDVDシングル「✝ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド✝」でキングレコードよりメジャーデビューした。2018年よりディアステージに所属している。同年12月に「結成5周年プロジェクト」の一環としてベストアルバム「THE BEST OF RAINBOW」を発表。2019年7月に神奈川・神奈川県民ホールで初のバンド編成ワンマンライブ「RAINBOW JAM 2019」、12月に初の東京・Zepp Tokyo公演「RAINBOW JAM2019 -WINTER-」を行った。2021年4月に大塚望由と桐乃みゆを新メンバーとしてお披露目。夏に結成7周年記念作品「RAINBOW SUMMER SHOWER」を発表したほか、石原愛梨沙と神田ジュナもメンバーに加えて総勢14人体制になった。2022年1月にライブBlu-rayとシングルCDをセットにした作品「Winter Love, Like Summer!~RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-~」、4月にメジャーデビュー以降に発表した楽曲およびミュージックビデオを網羅したコンプリートボックス「Over the RAINBOW~虹の上にも7年!~」をリリース。4月16、17日に東京・日本武道館でワンマンライブ「Over the RAINBOW~なんたってアイドルなんですっ!!~ in 日本武道館」を行う。