新しい靴を履いて新しい土地に踏み入れる
──歌詞についても聞かせてください。この歌詞はGENさんの今の心境をつづったものですか?
GEN はい、基本的には自分が思ってることですね。メンバーもきっとこう感じているだろうなっていうことも歌っています。
──先ほど、「武道館をやって、2年目の『YON FES』も成功させて自信が付いた」とおっしゃっていましたが、始まりの歌詞はすごくネガティブですよね。「応えたい期待 応えられず 命かけた夢に 蓋をする」とか「自分が欲しいよ 自信がほしい」とか。最近04 Limited Sazabysの曲は希望を歌うものが多かったので、意外でした。ご自身の心境をつづっているということは、気持ち的にネガティブな時期があったんですか?
GEN ネガティブと言うよりは、リセットという感じですね。ここ数年で得たものを一旦外して“新しい靴を履いて新しい土地に踏み入れる”という。
──武道館をやって、2年目の「YON FES」も成功させて、「新しい章へ」という感じなんですね。
GEN そうなんです。だから今作が初めてのシングルみたいな気持ちになったのかもしれないです。
──なるほど。
GEN さっきKOUHEIが言ってた“メジャー感”についてもそうで、確かに今まで気にしてたと思うんですよ。僕らはずっとライブハウスでライブばっかりやってて、「メジャーレーベルのバンドとは違うぞ」っていうところがすごくあったんですけど、今回本当にどうでもよくなって。実際メジャーレーベルだし(笑)。
HIROKAZ なんだかんだ、メジャーデビューしてからけっこう長いし(笑)。
メンバーの背中を押す歌詞
──「弱気が勇気と後ずさりしてる」と主語が人間ではなくなる表現があったり、「五月雨どうして 太陽笑えよ」と人間ではないものに語りかけたりと、ファンタジックな歌詞だという印象を受けました。過去にバッタの気持ちを書いた「Grasshopper」がありましたが、それに近いと言うか。
GEN 本当ですか? ああ、でも確かにそうかもしれない。今回言葉はできる限りわかりやすくしたのと、“君”とか“あなた”を使わないようにしたんですよ。“君”を使わないのは初めてかも。それがファンタジックな印象につながるのかもしれないです。
──“君”“あなた”を使わないようにしたのはどうしてですか?
GEN なんとなくそういう縛りを自分で設けてみたんです。自分の中でこの曲のテーマは「生まれ変われ!」で、「自分自身が何を考えているか気付け、新しい自分に生まれ変れ」ということを歌ってるんですね。自分自身が何を考えているかに気付くには、自分自身と向き合う作業が必要なので、「君は」とか「あなたは」って書いて恋愛に置き換えて考えさせるよりも、ダイレクトに自分のこととして捉えて聴いてもらったほうがいいなと思って。
KOUHEI 今回、歌録りのときに立ち会っていなかったので、レコーディング後にデータで送られてきたものを聴いて初めて歌詞を知ったんですけど、Bメロくらいから「この歌詞、俺の心情に似てる」って思えてきて。最後の「太陽負けんなよ」でかなりグッと来ました。なんか最近モヤモヤしてる自分がいたんですよ。ちょっと自分の限界が見えてきていて、「あいつ進化したな」って思われるにはどうしたらいいんだろうとか考えていたんです。いろんなドラマーの動画を観ては「黒人のドラマーってやっぱりすごいな」とか思ってたんですけど、「でも黒人は生まれが」「骨格が違うから」「食ってるものが違うから筋肉が」とかなんだかんだ言い訳を作って「俺はこうはなれないけど、まあ俺にできることすればいいや」みたいに思ってたんですよね。でもBメロの「別にそんな本気では内心 強がって 偽った自分」って歌詞を聴いたときに「ああ、俺言い訳してたんだ」って気付いて。「俺自身が生まれ変わらなきゃいけないんだ」という気持ちにさせられました。
──そうだったんですね。
KOUHEI 同時に、この歌詞がGENから出るってことはGENもたぶんそう思ってるんだろうと思って。
HIROKAZ 僕の心にも響きました。「生まれ変わらないと前に進めないよな」って思えて。歌詞を読んだときにはもう今回の自分のレコーディングは終わっていたので次の曲のときにはさらに進化しないとなと。背中を押されました。
RYU-TA 俺は2番の歌詞……「生まれや育ちを理由にして」から「こんなはずじゃない こんなもんじゃない」までが、もう全部俺すぎて。俺は岐阜県の中津川市で育っていて、そこはけっこう田舎なんですよ。で、ずっと昔から「中津川代表」とか「岐阜県代表」って気持ちでやってたきたんですけど、最近地元の人から「お前、もうそこで戦ってるわけじゃねえんだぞ」って言われるようになってきたんです。「東京に出て“日本”で戦ってるんだろ?」って。歌詞を読んでいたらそういうことを思い出して、「そうやな、俺は日本代表にならなきゃいけないんだよな」という気持ちになりました。自分たちの曲に助けられたと言うか。
──鼓舞されたんですね。GENさんが付けた歌詞にほかのメンバーが背中を押されたり、鼓舞されるというのはいいですね。
GEN 歌詞を書きながら「ここはメンバーも同じ気持ちだろう」とか「ここは共感するだろう、響くだろう」みたいなことは思いますね。お客さんに響く歌詞はもちろんなんですけど、まずメンバーに響かないといけないだろうっていうのはいつも思っています。
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自分たちの力では届けられない人にも届けるために
- 04 Limited Sazabys「Squall」
- 2017年8月30日発売 / 日本コロムビア
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初回限定盤 [CD+DVD]
1728円 / COZA-1371~2 -
通常盤 [CD]
1080円 / COCA-17323
- CD収録曲
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- Squall
- happiness
- capture
- 初回限定盤DVD収録内容
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YON FES 2017 LIVE MOVIE & OFFSHOT
- 04 Limited Sazabys "Squall tour"
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- 2017年11月16日(木)神奈川県 CLUB CITTA'
- 2017年11月23日(木・祝)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2017年11月24日(金)福岡県 DRUM LOGOS
- 2017年11月26日(日)香川県 高松festhalle
- 2017年11月30日(木)長野県 キッセイ文化ホール 中ホール
- 2017年12月7日(木)新潟県 NIIGATA LOTS
- 2017年12月9日(土)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
- 2018年1月6日(土)北海道 Zepp Sapporo
- 2018年1月13日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2018年1月14日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2018年1月18日(木)東京都 Zepp Tokyo
- 2018年1月19日(金)東京都 Zepp Tokyo
- 2018年1月25日(木)愛知県 Zepp Nagoya
- 2018年1月26日(金)愛知県 Zepp Nagoya
- 04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)
- 2008年に愛知県名古屋市にて結成された、GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)によるロックバンド。2013年5月に発表した2ndミニアルバム「sonor」より日本語詞を多く取り入れ、楽曲の幅を広げる。メロディックパンクやギターロック、ラウドロックなど、さまざまなジャンルのバンドと競演を重ね、2014年2月に3rdミニアルバム「monolith」、同年9月に1stシングル「YON」をリリース。2015年4月に1stフルアルバム「CAVU」を日本コロムビアから発売し、メジャーデビューを果たした。同年10月にメジャー1stシングル「TOY」を、2016年3月に1st DVD「MOMENT」を発売。4月には初の主催フェス「YON FES 2016」を大成功に収めた。ニューシングル「AIM」を6月に発表し、9月に2ndフルアルバム「eureka」をリリース。2017年2月に初の東京・日本武道館公演を成功に収め、6月にその模様を収録したBD/DVD「LIVE AT NIPPON BUDOKAN」を発売した。8月にシングル「Squall」を発表。11月からはワンマンツアー「04 Limited Sazabys "Squall tour"」を開催する。