音楽ナタリー PowerPush - 04 Limited Sazabys

日本語を武器に、名古屋から未来を歌う

04 Limited Sazabysが1stシングル「YON」を9月3日にリリースする。

日本語と英語を織り交ぜたユーモアあふれる歌詞とキャッチーなサウンド、ジャンルレスな活動で各地のファンを魅了している04 Limited Sazabys。バンドにとって4作目、シングルとしては1枚目となるこの「YON」にどのような思いが込められているのか。メンバー全員に話を聞いた。

取材・文 / 小林千絵 撮影 / 高田梓

今年に入って環境ががらっと変わった

──今年2月に前作「monolith」をリリースしたあたりからバンドの知名度がぐんと上がってきていますよね。取り巻く環境も変わりました?

04 Limited Sazabys

GEN(B, Vo) がらっと変わりましたね。地方に行っても僕たちのことを知ってくれてる人たちがたくさんいて、「待ってました」「来てくれてありがとう」っていうテンションで。広がってるんだなっていう感じがしました。

──いろいろなバンドのツアーやイベントへの出演も増えてきていますよね。GENさんのブログにも書かれてましたけど、PIZZA OF DEATH RECORDS主催イベント「SATANIC CARNIVAL'14」の出演(参照:フォーリミ&COUNTRY YARD、幕張に若手の“風”吹き込む)は大きな出来事だったんじゃないですか?

GEN 僕はバンドを始める前から、もともとHi-STANDARDが好きで、ハイスタのコピバンやったのがすべての始まりだったんで、PIZZA OF DEATH RECORDSのイベントに出れるっていうこともうれしかったし、大好きでキッズとしてライブを観ていた人たちと同じステージに立って……ヤバかったですね。あの日は夢が1つ叶った瞬間でした。

──その後お客さんの反応って何か変わりました?

GEN(B, Vo)

GEN 「SATANICで初めて観ました」っていう声は多いですね。最近ギターロックのお客さんが増えてきたのは実感してたんですけど、ああいうパンク系のイベントのお客さんからもいいリアクションがあるのはうれしいです。

──フォーリミはもともと直球のメロコアでしたよね。ギターロックのお客さんが増えてきたのは日本語で歌うようになってから?

GEN そうですね、やっぱり日本語になってからいろんなバンドと競演できるようになりました。ラウドばっかりとか歌ものばっかりのところに入ったりして、本当に今はジャンル問わず活動ができています。

びっくりさせたいと思って日本語詞を書き始めた

──日本語の歌詞について伺いたいんですけど、日本語で歌い始めたきっかけはなんだったんですか?

GEN 「sonor」(2013年5月リリースの2ndミニアルバム)を出すときに前作から3年くらい空いてしまったので、びっくりさせたいなと思って1曲目を全部日本語で書いてみたんですよ。初めは日本語を書くこと自体慣れてなかったので、「ひょっとしたら、これちょっとダサいのかな」とか不安はあったんですけど、出してからみんな日本語の歌詞がいいって言ってくれるんで自信もついて。最近は僕自身、日本語で書いてるほうが面白いので日本語が増えてきました。

──ほかのメンバーはGENさんが日本語の歌詞を書いてきたときはどう思いました?

KOUHEI(Dr, Cho) 正直衝撃でしたけど、もともと僕は日本語詞の曲をやりたかったし、GENの世界観がストレートに出てる歌詞ばっかりなので、「よくやった!」って思いました。

RYU-TA(G, Cho)

RYU-TA(G, Cho) GENの声は日本語のほうが合うなと思って。よかったなと思います。

HIROKAZ(G) 意外とすんなり日本語に入れたなっていう感じ。面白い歌詞になってたりして、より個性が強くなった感じがしますね。

──英語を歌ってたバンドが日本語にするときって、ストレートでわかりやすい歌詞を歌うことがけっこう多いと思うんですけど、フォーリミは違いますよね。

GEN 本気で思ってるなら全然いいと思うんですけど、僕は「信じれば絶対夢は叶う」とかそんなこと一切思ってないので、思ってないことは言いたくないんです。何かメッセージを伝えようっていうよりは、頭の中にあるものをそのまま文字にして、それを自由に解釈してもらうっていうスタイルなのかな。

──韻を踏んだり譜割が独特だったりして、日本語でうまく遊んでる感じがします。

GEN 昔は日本語をあてるとメロディのよさが減ってしまう気がしてたんですよ。日本語ってかくかくしてるので。でも韻を踏むことによってそのかくかく感をリズムとして上手に使えるようになって、英語と変わらないくらいの気持ちよさだったりノリが出たりするので、それがすごく面白いです。

日本語にしてから個性が出た

──変な話、日本語にすると「売れ線に走った」とか言われませんか?

04 Limited Sazabys

GEN 意外と言われないんですよ。日本語にしたとき、賛否両論あるのかなと思ったんですけど、みんないいって言ってくれて。昔から聴いてくれてるファンもいまだに来てくれますし。

──日本語を取り入れた理由が驚かせたいっていう理由からだったって言ってましたけど、売れたいとかもっとたくさんの人に届けたいみたいな気持ちはなかったんですか?

GEN もちろん、日本語にしたほうが広がりはあるだろうし、日本語の曲も書けたらいいなっていうのはどっかしらにあったんですけど、書けなかったんですよね、技術的に。メロディのよさが損なわれることが多かったので。だけど譜割を意識したら上手に日本語を乗せられるようになって、歌えるようになったという感じです。英語のバンドだとすごいいい歌詞を書いてても、歌詞カードを見たり、ワンクッションいるじゃないですか。AとBというバンドがいても、違いがあんまりわからなかったりするし。そういうのもあって、僕らは日本語にしてから個性が出て、自分たちにしかできないものができてる感じはします。

1stシングル「YON」/ 2014年9月3日発売 / No Big Deal Records
初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / NBDL-0020~21
通常盤 [CD] 1296円 / NBDL-0022
CD収録曲
  1. swim
  2. labyrinth
  3. ghost
  4. No way
初回限定盤DVD 収録内容
  • 2014.4.26「monolith tour 2014 final @NAGOYA E.L.L」LIVE MOVIE
  • 04LS合宿オフショットムービー
04 Limited Sazabys「YON Release party」
2014年9月21日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
<出演者>
04 Limited Sazabys / AIR SWELL / EVERLONG
2014年9月26日(金)大阪府 心斎橋CLUB DROP
<出演者>
04 Limited Sazabys / WANIMA
2014年10月5日(日)東京都 TSUTAYA O-WEST(※ワンマンライブ)
<出演者>
04 Limited Sazabys
04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)
04 Limited Sazabys

2008年に愛知県名古屋市にて結成された、GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)によるロックバンド。2013年5月に発表した2ndミニアルバム「sonor」より日本語詞を多く取り入れ、活動の幅を広げる。メロディックパンクやギターロック、ラウドロックなどさまざまなジャンルのバンドと競演を重ね、2014年2月に3rdミニアルバム「monolith」発売を経て、同年9月に1stシングル「YON」をリリース。GENのハイトーンボイス、キャッチーなサウンド、日本語と英語を織り交ぜたユニークな歌詞で人気を集めている。