Paramount+が本日12月1日、ついに日本上陸。
いくつもの星が山頂を囲むロゴでおなじみのパラマウントピクチャーズの作品群をはじめ、CBS、SHOWTIME®、MTV、ニコロデオン、コメディセントラル、ミラマックスといったブランドの映画やドラマ、アニメ、ドキュメンタリーなどの配信をスタートさせた。
そのラインナップは、パラマウントの歴史に燦然と輝く名作や日本初上陸となる待望のドラマシリーズ、シルヴェスター・スタローンが一家総出で出演したリアリティショーなど色とりどり。映画ナタリーでは今月配信の注目作を2本立てで紹介する。
文 / 前田かおり、奥富敏晴
Paramount+の多彩なラインナップ
「ティファニーで朝食を」（1961年）
ハリウッドの黄金時代に活躍し、映画界＆ファッション界の永遠のアイコンであるオードリー・ヘプバーン。本作は「ローマの休日」をはじめ、パラマウントで数々の名作、ヒット作を生み出して来た彼女の代表作の1つ。ニューヨークのアパートで猫と暮らす娼婦のホリーは朝、宝石店ティファニーの前でデニッシュを食べるのが好き。そんなヒロインと駆け出しの作家との小粋なロマンスが描かれる。映画化に際して、原作者トルーマン・カポーティが思い描いたホリーはオードリーではなかったが、彼女の宝石のように輝く美しさがひと際映えるジバンシィのブラックドレスの着こなしといい、アカデミー賞歌曲賞を受賞した主題歌「ムーン・リバー」の歌声といい、もはやオードリー以外のホリー役は考えられないほど世界中の人々を虜にしている。（前田）
「トップガン」（1986年）
18歳で映画界に入り、今もトップスターとして第一線をひた走るトム・クルーズ。そんな彼の成功の出発点となったのが本作だ。米海軍パイロットのエリート養成所“トップガン”に所属する戦闘機パイロットたちの栄光と挫折を描いた青春群像劇。1986年に公開されると、全米はもちろん日本でもナンバーワンヒットを記録し、主人公マーヴェリックを演じたトムは一躍スターダムに上り詰め、彼が劇中で着たフライトジャケットにレイバンのサングラス、愛用するバイクも大流行。物語を盛り上げたサントラも大ヒット。同時に本作以降、トムはパラマウントの看板スターになった。2022年、36年ぶりに公開した続編「トップガン マーヴェリック」は特大級のヒットで、コロナ禍で冷え切った世界の映画界を救ったトム。文字通り、ハリウッドの生きる伝説と化した彼の出世作を改めて楽しみたい。（前田）
「スタローン・ファミリー」（2023年）
「人生の6割は家を離れていた。家族と向き合う機会にしよう。番組だから“娘も逃げられない”」。人生の最終章を迎えたことを自覚した76歳のシルヴェスター・スタローンが最後にやり残したのは、愛する家族と同じ時間を過ごすことだった。ドラマの撮影で半年も家を空けた父親が、ホームシックを晴らすかのように出演を決めた一家総出のリアリティショー。登場するのは、実業家で妻のジェニファー、“スタローンの娘”であることに人一倍思い悩む長女ソフィア、脚本家志望で怖いもの知らずの次女システィーン、父と同じ俳優の道を志す三女スカーレットだ。スタローンの過保護がすぎるストイックな子育てを見られるのは、あとにも先にもこの番組だけ。中でも三女の俳優デビューを捉えた回は必見。大仕事を終えた娘にかける言葉から、スタローンがスタローンであり続ける所以がわかる。（奥富）
「タルサ・キング」（2022年～）
そんなスタローンをホームシックに陥らせた？のが、自身初となるドラマシリーズの主演作「タルサ・キング」だ。殺人の罪で25年も服役したニューヨークのイタリアンマフィアが、羽振りのよくない仲間に体よく追い払われ、オクラホマ州のタルサで成り上がっていく。スマホも知らない時代遅れの孤独な男が、昔かたぎのギャングらしい“悪徳”をタルサにもたらすピカレスクロマン。敵のいない平和な街で「お前の稼いだ金を俺が守る」と、無理やりシマを築いてしまうから面白い。その若々しさに、てっきり50代ぐらいの設定かと思いきや、なんと撮影時のスタローンと同じ75歳（！）というから驚きだ。かつてマフィア映画の金字塔「ゴッドファーザー」のエキストラを断られ、どん底を味わったというスタローンが、50年越しにギャングを演じた悲願の作品。（奥富）
「メイヤー・オブ・キングスタウン」（2021年～）
米ミシガン州のキングスタウンという架空の町を舞台に、7つもある刑務所を唯一のビジネスにしている町の均衡と正義を守るために、“市長”と呼ばれる主人公マイクが汚職や人種差別などに立ち向かう。ケヴィン・コスナー主演の大ヒットドラマ「イエローストーン」を手がけた気鋭のクリエイター、テイラー・シェリダンと、映画「ウィンド・リバー」で組んだジェレミー・レナーが再タッグを組んだクライムサスペンス。陰鬱な町で父から兄へと続いた家業から逃げ出したかったのに、止むに止まれず受け継ぐことなったマイク。弱き者に頼られて、刑務所、警察、ギャングたちと渡り合う男の心情をレナーが見事に体現する。脇を固める俳優たちもくせ者ぞろいで、痺れること請け合い。全米では大人気シリーズになっており、今年1月に大事故に遭ったレナーの復帰を待って第3シーズンも決定している。（前田）
「スター・トレック：ストレンジ・ニュー・ワールド」（2022年～）
1966年の第1作からドラマや映画などで壮大な大河的展開を見せてきた「スター・トレック」。本作は2017年に始まった「スター・トレック ディスカバリー」のスピンオフという位置付けだが、初代ドラマシリーズと同じく1話完結形式で新しい文明や惑星に出会う探索の旅が描かれる。物語は船長クリストファー・パイクが自分の悲劇的な未来を知りながら、再びエンタープライズ号に乗り込むところから始まる。まだ見ぬ世界との“ファーストコンタクト”で巻き起こる不測の事態に、一方的な支配や戦闘といった形ではなく、あくまで交渉や話し合いでの解決を試みる「スター・トレック」の信念が貫かれた原点回帰の1作。アフリカ系かつ女性のキャラクターとして初代シリーズや映画版に登場し、シリーズの進歩性を象徴したキャラクターの1人、ウフーラの士官候補生時代も描かれる。（奥富）
「ミーン・ガールズ」（2004年）
アフリカ育ちで、16歳で初めてアメリカのハイスクールに入ったケイディは登校初日から浮きまくり。だが、なぜか学園の女王様的存在のレジーナに気に入られて彼女たちの仲間に。やがて親しくなり、クラスに好きな男子の存在も。しかし、それがレジーナの元カレだったことから、ひどい仕打ちに遭ったケイディは彼女に反撃を始める……。今から約20年前の作品だが、人種やセクシャリティなどで事細かくわけられているスクールカーストに振り回されるヒロインの奮闘が描かれる。女子の移ろいやすい友情をシニカルに描きつつも学園コメディらしく最後はハッピーエンド。リンジー・ローハンが主演を務めたほか、性悪なレジーナ役をレイチェル・マクアダムス、取り巻き役をアマンダ・サイフレッドが演じているなど、現在はビッグネームになった彼女たちが眩しいほどキャピキャピしてた頃の姿も見どころ。（前田）
「バンブルビー」（2018年）
女子が友情を結ぶのは、何も人間に限らない。本作は大ヒットSFアクション「トランスフォーマー」シリーズの人気キャラクター、バンブルビーを主役にした前日譚。1980年代のアメリカを舞台に、ある目的で地球にやって来たものの、記憶と声を失ったバンブルビーが孤独な18歳の少女と出会い、固い絆を育んでいく。つまり、地球外生命体と友情を結ぶ物語というところで、どことなく「E.T.」のようなほほえましく心温まるテイストが感じられ、劇場公開時は「“トランスフォーマー”シリーズなのに、泣かされた」という声も多く聞かれた。チャーリーを演じるのは、ヘイリー・スタインフェルド。デビューを飾った「トゥルー・グリット」をはじめ、勝気だが、実は寂しがり屋な女の子というキャラクターが似合う彼女がバンブルビーとハグするシーンには胸アツになること間違いなし。（前田）
※12月26日（火）配信予定
「デクスター」（2006年～2013年）
殺人鬼といってもいろんなタイプがいる。本作の主人公デクスターは、表向きはマイアミ警察で有能な鑑識官として働いているが、裏の顔はサイコなシリアルキラー。そもそも少年時代から殺人衝動を抑えられなかったデクスターは警察官だった養父の勧めで（!?）、独自の正義の名のもとに人知れず凶悪犯だけを狙って殺害していたのだった……。米国では2006年に放送がスタートした異色のクライムサスペンス。衝撃的なシーンや過激な性描写も満載で人気シリーズに。鑑識官と殺人鬼の顔を使い分けるデクスターが仕事では難事件を追い、プライベートでは恋人とイチャイチャ……。自分を取り巻く環境が次第に騒がしくなる中、秘密がバレる危機を感じつつ、個性的なシリアルキラーたちとどう対峙していくのかが見どころ。主演のマイケル・C・ホールは本作の演技でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞している。（前田）
「ノーカントリー」（2007年）
一方、ピューリッツァー賞作家コーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」を原作に、「ファーゴ」などで知られるコーエン兄弟が映画化した本作に登場するのは、情け容赦ない冷酷な殺人鬼だ。舞台は1980年代の米テキサス、麻薬がらみの大金を奪ったベトナム帰還兵モスを、ギャングに雇われた殺し屋シガーが執拗に狙い、そんな2人を保安官が追う姿を描く。映画史に残る悪役とまで言われるシガーを演じているのはハビエル・バルデム。「史上最悪な髪型で、撮影中は見るのも嫌だった」と自ら語るほど奇妙なおかっぱ頭にして、手には高圧ボンベ付きの家畜用スタンガンを持ち、表情一つ変えずに人を撃ち殺していく。まさに死神の化身のごとく、淡々とした佇まいで怪演したバルデムは第80回アカデミー賞で助演男優賞を受賞。そのほか、本作は作品賞、監督賞、脚色賞も受賞した傑作だ。（前田）
Paramount+はWOWOWオンデマンドで見放題！
WOWOWオンデマンドは、WOWOW加入者（月額視聴料：税込2530円）なら、いつでもどこでも無料で利用できる番組配信サービス。Paramount+はWOWOWオンデマンドを通じて正式ローンチされ、追加料金は掛からず見放題で配信作品を楽しむことができる。
- Paramount+ on WOWOWオンデマンド
- 2023年12月1日（金）サービス開始
- 視聴ページはこちら
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日本初上陸作品
- 「スター・トレック：ストレンジ・ニュー・ワールド」シーズン1
- 「スタローン・ファミリー」
- 「タルサ・キング」
- 「メイヤー・オブ・キングスタウン」
映画
- 「A.I.」
- 「G.I.ジョー」
- 「G.I.ジョー バック2リベンジ」
- 「アメリカン・ビューティー」
- 「アン・ハサウェイ 魔法の国のプリンセス」
- 「オリエント急行殺人事件」
- 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
- 「今日、キミに会えたら」
- 「恋するレシピ～理想のオトコの作り方～」
- 「恋のためらい フランキー＆ジョニー」
- 「ゴースト／ニューヨークの幻」
- 「ザ・ファーム／法律事務所」
- 「シャル・ウィ・ダンス？」
- 「少林サッカー」
- 「真実の行方」
- 「ステップフォード・ワイフ」（2004年）
- 「スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo（う～）！」
- 「セレンディピティ」
- 「ダウト -あるカトリック学校で-」
- 「ダウンサイズ」
- 「抱きたいカンケイ」
- 「ティファニーで朝食を」
- 「トップガン」
- 「トランスフォーマー」
- 「トランスフォーマー／ロストエイジ」
- 「トランスフォーマー／ダークサイド・ムーン」
- 「トランスフォーマー／リベンジ」
- 「トランスフォーマー／最後の騎士王」
- 「ネバーランド」
- 「ノーカントリー」
- 「パウ・パトロール カーレース大作戦 GO！GO！」
- 「パウ・パトロール 大空のミッション・パウ ロイヤルストーンをとりもどせ！」
- 「バースデイ・ガール」
- 「パトリオット・ゲーム」
- 「バニラ・スカイ」
- 「バンブルビー」
- 「ひとりっ娘2」
- 「フリーダ」
- 「プレタポルテ」
- 「マーゴット・ウェディング」
- 「マイノリティ・リポート」
- 「ミーン・ガールズ」
- 「ミッション：インポッシブル」
- 「M:I-2」
- 「ミュータント・タートルズ」
- 「ミュータント・ニンジャ・タートルズ：影＜シャドウズ＞」
- 「ユージュアル・サスペクツ」
- 「リプリー」
- 「ローマの休日」
- 「ロミオとジュリエット」
- 「ワールド・ウォーZ」
ほか
ドラマシリーズ
- 「CSI：ニューヨーク」シーズン1～3
- 「FBI：特別捜査班」シーズン1～3
- 「FBI：インターナショナル」
- 「FBI：Most Wanted～指名手配特捜班～」シーズン1、2
- 「NCIS：ネイビー犯罪捜査班」シーズン1～3
- 「NCIS：LA ～極秘潜入捜査班」シーズン1～3
- 「アフェア」シーズン1～3
- 「エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY」1～3
- 「オークワード～不器用ジェナのはみだし青春日記～」シーズン1～5
- 「グッド・ファイト」シーズン1、2
- 「グッド・ワイフ」シーズン1～3
- 「シール・チーム」シーズン1、2
- 「ツインピークス」シーズン1、2
- 「デクスター」シーズン1～3
- 「フェイキング・イット～噂のカップル!?～」シーズン1、2
- 「ブル」シーズン1、2
- 「ミディアム」シーズン1～3
- 「レイ・ドノヴァン」シーズン1、2
アニメ
- 「アバター 伝説の少年アン」シーズン1～3
- 「ウサビッチ」シーズン1～5
- 「ウサビッチ ZERO」シーズン6
- 「カンフー・パンダ ザ・シリーズ」シーズン1～3
- 「サウスパーク」シーズン15～23
- 「ザ・ペンギンズ from マダガスカル」シーズン1～3
- 「スポンジ・ボブ」シーズン9～12
- 「ディア・スクワッド」シーズン1
- 「トップ・ウィング」シーズン1
- 「パウ・パトロール」シーズン1～3
- 「ビーバス・アンド・バットヘッド リバイバル版」シーズン1
- 「ブルーズ・クルーズ＆YOU」シーズン1
- 「ベイビーシャークのワクワクショー」シーズン1
- 「ミュータント・タートルズ」シーズン1～5
- 「ラウド・ハウス」シーズン1、2
リアリティ・ショー
- 「アー・ユー・ザ・ワン？～奇跡の出会いは100万ドル！」シーズン1、2
- 「ヒルズ～カリフォルニア・ガールのライフ・スタイル～」シーズン1、2
- 「リンジー・ローハン・ビーチクラブ～お騒がせ女優が営む海の家～」シーズン1
ドキュメンタリー（1月より順次配信）
- 「カラーで振り返るアメリカ」
- 「スポーツ探偵」
- 「聖地」
- 「天空から見たシリーズ」
ほか
