ザ・プレミアム・モルツ 柄本佑|晩酌は“今日の俺は終わり”の合図 プレモル片手に過ごす秋の夜長

ドラマ「知らなくていいコト」や映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」など、テレビに映画に活躍を続ける俳優・柄本佑。2020年以降は新しい生活様式が広がる中、家で過ごす時間について改めて考えることもあったという。ビール党を自称する彼に、ザ・プレミアム・モルツ片手に“オフ”のスイッチになるという酒の楽しみ方や、自身にとっての特別な時間について話を聞いた。

取材・文 / 金須晶子撮影 / 五十嵐真

“想像力”の大切さに気付いた2020年

──本日は「秋の夜長を楽しむ」をテーマに、柄本さんのご自宅での過ごし方についてお伺いできればと思います。まずは普段の生活について教えてください。2020年以降、日常はどのように変化しましたか?

家にいる時間が多くなり出した頃は、“丁寧に暮らしていい時間”だと思って過ごしていました。例えば洗濯物をきれいに畳むとか、洗い物を置きっぱなしにせずすぐ拭いて片付けるとか。あとは時間を掛けて料理したり……それまでは料理なんて全然しなかったんですけど、沢村貞子先生の「献立日記」とか土井善晴先生の本がうちにあったので、それを見て作ってはスマホで撮影して。そんなことを徹底してやっていました。

柄本佑

──これまで時間が取れなかったというだけで、もともと生活をじっくり営むことがお好きだったんでしょうか。

好きと言うよりは、特殊な状況下だったのもあって「したくなった」というのが大きいかもしれません。それと、自分は想像力をある程度使わないと死んでしまうと思ったんです。朝起きて、パジャマのまま1日過ごして、夜になったら飲んで……という生活を3日ぐらい過ごして、これはダメだなと(笑)。だからまず朝着替えることから始めました。誰に見せるわけでもないけど、自分なりにオシャレをする。そんなささいな想像力を働かせるだけで1日が全然違うんです。ゆっくりでいいから頭を回転させているほうが自分にとっていい。大げさに言えば、そういう生きがいみたいなことにも気付けました。

──家の時間をじっくり過ごす中で、お酒との付き合い方にも変化はありましたか?

もともと家で飲むのも好きだったんですけど、ステイホーム期間中は明日のことを考えなくていいからゆったり飲めました(笑)。と言っても18時くらいから晩酌を始めて、22時くらいには寝ていたので、生活リズムとしては規則正しかった。こういう状況になる前は、外で飲んで帰ってきたあと家でも1杯飲まないと眠れませんでした。ホッとしたいというか、やっぱり緊張しているんでしょうね。仕事が終わったあとは特に。「お酒=今日の俺は終わり」という気持ちがあります。

柄本佑

──お酒が“オフ”のスイッチになる?

そうです。昔、初めて参加した映画(「美しい夏キリシマ」)の現場で、原田芳雄さんをはじめキャストやスタッフの皆さんが毎日撮影後に行きつけの店に行っていたんですよ。僕は当時まだ子供だったので、みんなが乾杯しているのを眺めたりして。それが記憶として濃厚に残っているから、仕事が終わったあとは酒を飲むというのが刷り込まれたんだと思います。

ビール党の柄本が好きなビール

──柄本さんはビールが一番お好きなんですよね?

ビール党なんです。ビールは永遠に飲んでいられる。プリン体を気にしてハイボールとかにしてみることもあるんですけど、やっぱり生ビールですね! 今日はこれを言いたかった(笑)。

──プレモルをよく飲まれると聞きましたが?

実は、うちにプレモルのサーバーがあるんですよ。缶をセットするとサーバーから注げるんです。シールを集めて応募して、自力で手に入れました。なのでプレモルには日頃からお世話になっています(笑)。僕の感覚ですけど、プレモルを買うことって特別感があるじゃないですか。デザインにも金色が使われていますし。だからプレモルを買うときの自分は、俺やってやるぜ!と謎にイキッています(笑)。俺プレモル飲んじゃうぜ!みたいな特別感がいいんですよね。

──そんな柄本さんに、本日はザ・プレミアム・モルツとザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エールを飲み比べていただきます。

まずはプレモルから。(飲んでみて)うん、やっぱりおいしい! プレモルは水に相当こだわっていると聞いたことがありますけど、水のうまみも感じられる気がします。

柄本佑

──ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エールはいかがですか?

(飲んでみて)こちらは「香る」というだけあってすっきりしていますね。どちらもこれだけふくよかな味がするのに、いくら飲んでも飲めると言いますか。飲み疲れしないんですよね。

いい映画にぶち当たると飲まずにいられない

──映画好きで知られる柄本さんですが、お家で映画を観ながら飲んだりすることは?

最初から最後まで通して観ることはほぼないですね。DVDは自宅にたくさん……おそらく1000枚はあります。感銘を受けた映画は手元に置いておきたいというコレクター気質なので。だから飲みながら「この映画のあのシーンまた観ようかな」とか、断片的に観て周りにDVDが散乱していることはよくあります(笑)。そういう楽しみ方ですね。

柄本佑

──なるほど。

映画ってやっぱり他人と観ることが重要だと思うんです。真っ暗闇の中で知らない人たちと一緒に、目の前で起こっているものを共有するということが大切。つまんないと思っている人もいれば、面白いと思っている人もいて、中には寝ちゃっている人も。その状況込みで“映画”だと思います。これは僕の考え方なんですけど、上映時間が決められていて「この時間に行かないと観られない」という縛りのようなものも映画の持つプライドというか、素敵なことだなと思っています。

──仕事とはまた別のベクトルで、柄本さんにとっては映画館に行くという行為も“オン”に当てはまりますか?

そうかもしれません。今日は休肝日にするぞと決めていても、いい映画にぶち当たると飲まずにはいられんなと。いい映画は酒を飲みたくさせますよね。昨日も休肝日のつもりだったのに、とある監督の特集上映に行ったらよすぎて飲んじゃいました(笑)。

──柄本さんにとっての映画とお酒の楽しみ方は、観ながら飲むのではなく、映画の余韻を楽しむための時間なんですね。

僕、観たあとに語らいたいタイプではなくて。後日「あれ観た?」という話をするのはいいんですけど、観終わった直後は、あのシーンよかったなあと1人で思い返しながら飲むのが好きです。

──ちなみにお酒以外に、柄本さんにとっての“オフの時間”や、家でのぜいたくな過ごし方はありますか?

これは本当に恥ずかしいんですけど……テレビゲームをしながら、タブレットでYouTubeを付けっぱなしにして、たまにスマホでTikTokを観る、みたいな(笑)。年に1回か2回ぐらいしかしませんけど、一番のぜいたくはこれです。ぜいたくというか、これができなくなりたくないんです。僕、今年で35歳になるんですよ。そんな大人がこんなことをやっちゃいけないと思うんです。でも、俺まだこれできるじゃん!と思いたい。

──意外な答えでびっくりしました(笑)。でもそういう時間の過ごし方って、大人にとっては自分へのご褒美みたいなものですよね。

そう。こういう時間を過ごすことで、忙しい自分と現実逃避したい自分を調整できているのかなって。やらなきゃいけないことをおざなりにしなければいいと思うんです。仕事をきちんとこなしていくにも、こういう時間が必要と言いますか。……よく言えばですけど(笑)。

プレモルを飲むと特別な夜になっちゃう

──お仕事だけでなく子育てもある中、1人の時間はどのように作っていますか?

僕、わりと1人の時間がなくても大丈夫なタイプなんです。それに“一緒にいても1人のようにしていられる”関係性ってあるじゃないですか。うちの妻がそういう感じなので、1人の時間を作らなきゃ!と無理に考えることはないですね。

柄本佑

──素敵な関係性ですね。では一緒にお酒を飲んだり、夫婦そろって過ごすぜいたくな時間とはどんなものですか?

うちの妻はそんなに飲まないので、お酒という感じではないですね。例えば子供が祖父母の家にお泊りしたいと言ったら、じゃあ今日は2人でごはんでも食べに行こうかみたいな。ささいですけど、2人だけで食事をするのが今はぜいたくな時間かもしれないです。

──柄本さんが黒木華さんとダブル主演された新作映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」も夫婦にまつわるお話です。脚本の面白さに惹かれて出演を決められたそうですね?

はい。人を選ばないというか、これ見よがしにシネフィルに寄せるわけでもなく、笑いあり涙あり、サスペンスあり、ミステリーあり、いろいろなものが詰まっているのがいいなと。監督はある種の王道エンタテインメントを作ろうとしているんだろうなと、そんな意思を感じました。

柄本佑

──確かにそのあたりのバランスが絶妙だと思いました。柄本さんが演じた俊夫は、不倫をしてしまうダメな夫だけど憎めない部分もある男性でしたね。

監督には「俊夫が100%悪い。でも俊夫が悪人だと思われたくない」というようなことを言われました。人間味あふれるキャラクターにしたいと。俊夫はいつも選択を間違えるし、嘘もつけない。明らかに不倫には向いてない人間なんです。俊夫を象徴するエピソードがありまして。俊夫が佐和子(妻)と向き合おうと決心して立ち上がるんですけど、食事中なので箸でオクラをつかんでいて。箸を投げ捨ててでも佐和子のもとに駆け付けなきゃいけないのに、監督は「食べましょう」と言うんです。要するに、こんな状況でも律儀にオクラを食べちゃうようなヤツだから不倫もしちゃう(笑)。そういうディテールが重なって、ああいうキャラクターになっていきました。

──俊夫のキャラクターに説得力が増しました。そういう細かいところにも注目してほしいですね。最後になりますが、読者の方々にぜいたくな秋の夜長を過ごしてもらうべく、改めてザ・プレミアム・モルツをお薦めしていただけますか?

そうですね……プレモルを飲むと特別な夜になっちゃうんですよね。だからもうプリン体とか気にせず、躊躇しないで買っちゃえ!と言いたい。「いい夜になっちゃうぜ?」とお薦めしたいです。季節に合わせた商品もいろいろ出るので、季節感も味わいながら楽しんでほしいです! 僕はコンビニに並ぶビールの色で季節感を意識していますから。ホップ系が並び出す頃には「もう秋だなー」なんて。ちなみに奥田(瑛二)さんもプレモル派で、冷蔵庫に常駐していますよ。

柄本佑(エモトタスク)
1986年12月16日生まれ、東京都出身。2003年公開の映画「美しい夏キリシマ」で主演デビュー。2018年公開の映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」「きみの鳥はうたえる」「ポルトの恋人たち~時の記憶」で第92回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、第73回毎日映画コンクール男優主演賞などを受賞する。2020年には映画「アルキメデスの大戦」で第43回日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ドラマ「心の傷を癒すということ」で第46回放送文化基金賞演技賞に輝いた。近作に「青くて痛くて脆い」「心の傷を癒すということ《劇場版》」「痛くない死に方」、ドラマ「知らなくていいコト」「天国と地獄~サイコな2人~」などがある。現在、黒木華とのダブル主演作「先生、私の隣に座っていただけませんか?」が公開中。「川っぺりムコリッタ」「真夜中乙女戦争」の公開も2022年に控える。

ヘアメイク / 星野加奈子スタイリング / 林道雄