自然と周りを明るくしてくれる（宮本）

──ご自身と役で重なるところなどありましたか？

宮本　本当は緊張しているのに、そう見られないことが多いので、そこはリサと重なるなと思いました。いい面も悪い面もあると思うんですけど……。どう？ そう（緊張して）見えなくない？

一ノ瀬　確かにわかりづらいかも知れない。でも堂々としていてかっこいいなって思うけど。僕は蟻原と同じで、わかりやすくあたふた動揺しちゃうので（笑）。

上川　緊張してるかどうかはわかりづらいけど、うれしいのはわかるよね？ 「フフフ～ン♪」って周りに聞こえるくらい鼻歌を歌ってるから（笑）。

一ノ瀬　わかる、わかる（笑）。

宮本　上川さんこそ、いつもうれしそうじゃないですか。

上川　3人でいると、本当に楽しいんだよ。

宮本　うれしそうというか、何事にもすごくポジティブですよね？ 私がネガティブな表現をしてしまったときもいいほうに解釈して返してくれたり。

上川　根っからポジティブなんだよね。だから卓球みたいに、飛んできたネガティブな球をいいほうに変換して相手に返すの（笑）。

一ノ瀬　こんな感じで余裕があるというか、経験豊かというか。何を言っても包み込んでくれるんですよ。「だったら、こうすればいいんじゃない？」って。それでいて、僕らがふざけていると一緒になって乗っかってきたり。日に日に上川さんの面白さが増しています（笑）。

上川　すぐ調子に乗っちゃうんだよね。そのわりには、いっぺんに自分を出せない気弱な部分もあるから小出しにしたりして（笑）。

──まるで劇中の、同期同士のやり取りのようですが、座長として一ノ瀬さんが心がけたこと、3人で話し合われたことは？

一ノ瀬　3人とも共通認識であったとは思うんですけど、劇中の関係性と同様に仲良くしようとは思っていました。

上川　顔を合わせたときから自然と仲良くなってたよね？

一ノ瀬　そうですね。本編の撮影に入る前にお会いして、すぐに仲良くなって。今日も空き時間があればよく話していましたし、お二人とも優しいです。“座長”とおっしゃっていただきましたが、僕は「俺に付いて来い！」みたいな感じでは全然なくて。おんぶに抱っこでやらせてもらってます（笑）。

宮本　逆に、と言うのも変だけど、一ノ瀬くんがそういう感じだから私たち2人もすごく気が楽で。いい雰囲気で引っ張ってくれていると思いますね。

上川　僕は「今、話しかけて大丈夫かな……？」とか、普段は考えちゃうほうなんですけど、一ノ瀬くんから話題を振ってくれて。男子2人で体の鍛え方の話で盛り上がったり（笑）。常にオープンで、しかもナチュラルに話してくれるので助かります。

宮本　一ノ瀬くんって朝からめっちゃ元気だよね？（笑） 私は低血圧だからテンション低めなんですけど、会うと「おはよー！ なんか暗くない？」って。そんないつも元気な姿を見ていると「私もしっかりしなきゃ！」って思いますし、自然と周りを明るくしてくれる人ですね。

一ノ瀬　ありがとうございまーす。元気が取り柄なので、うれしいです！

やっぱり「御意」は特別だよね（上川）

──撮影中「ドクターX」の世界観を一番感じたのはいつですか？

一ノ瀬　僕は、「御意！」と言う瞬間ですね。

宮本　それ、わかるー！

上川　やっぱり「御意」は特別だよね。

一ノ瀬　あと手術室のシーンで米倉さん演じる大門先生がオペされているのを目の前で見たときは緊張感がありましたし、実感がありました。ああ、「ドクターX」の中にいるんだなあ……って。早く「私、失敗しないので」も聞いてみたいです。

──蟻原は、大門先生のオペに憧れて「世界一の外科医になる」と目標を立てますが、皆さんの憧れの人は？

宮本　私は母です。メンタルというか、考え方が前向きなんです。「壁にぶつかるのもこれから自分が幸せになるための準備期間だからがんばれ」という言葉に励まされたのを覚えています。

上川　僕は……けっこう憧れがちで（笑）。小学生の頃から身近な友達や先輩に憧れ続けてきたんですけど、俳優になってからは自分が所属している事務所（大人計画）の先輩方ですね。迷ったときの道しるべにさせていただいています。

一ノ瀬　僕は山田裕貴さんですね。デビュー作になった戦隊（ヒーロー）出身というご縁もありますし、初めてお会いしたときから優しく対等にお話をしてくださって。お芝居はもちろん、一番に人間性が尊敬できる憧れの先輩です。

──では「ドクターX」、スピンオフ「ドクターY」とはまた違った「ドクターエッグス」ならではの見どころはどこでしょう？

宮本　医師ではあるんだけど、まだ手術はできない文字通り医師の卵の研修医たちが悩みながらも前に進んでいくところだと思います。夢があって楽しいこともあるけど、つらいこともたくさんある。学生の方や就職して間もない皆さんには、より共感してもらえるんじゃないかと思います。

上川　そうだね。「ドクターX」本編の派閥争いや大人の事情など関係ないところで、未熟だけど夢だけは大きな研修医が、もがきながら成長していく。仲はいいけど、単なる仲良しこよしではない3人の関係性も見どころです。

一ノ瀬　3人の姿を見て、これから何か始める人、何かに悩んでいる人の背中を押したり、克服しようと思っていただける作品になってくれたらうれしく思います。

──大門未知子をはじめ、「ドクターエッグス」にも登場する加地秀樹（勝村政信）、城之内博美（内田有紀）、海老名敬（遠藤憲一）ら「ドクターX」のおなじみのメンバーも若かりし時代はあったわけで。

上川　自分たちは何者なのか……迷いながら猪突猛進、前に進んでいたはずなので、先生たちのそういう時代に思いを馳せるのもいいと思います。

宮本　正解が何かわからないからこそ、面白い。若い研修医の成長を温かく見守っていただければ。

一ノ瀬　大人の皆さんは「若いっていいよねー」と、懐かしんでいただけるんじゃないでしょうか。

上川　そんな成長物語の中に、サスペンスあり恋バナあり、てんこ盛りの内容になっているので楽しんでいただきたいです。僕自身、演じながらも背中を押してあげたい気持ちになったので、皆さんにも未熟な3人を応援していただけたらうれしいです！

──最後に、タイトルにもある卵に掛けまして、お好きな卵料理はなんですか？

宮本　私はオムライスです。卵はふわふわトロトロのタイプ。

一ノ瀬　僕はパンケーキって言いたいところだけど……料理となると明太だし巻き卵です。

宮本　わー、おいしそう！

上川　味はしょっぱいの甘いのどっち？ 僕は九州出身だから甘いんだけど。

一ノ瀬　僕も卵焼きは甘いほうが好きですね。上川さんはなんですか？

上川　なんだかんだでゆで卵になるのかなー。塩味でシンプルに食べたい。最近は水の状態から卵を入れて、ゆで時間8分がベストだね……って、何分かなんて、どうでもいいと思うけど！（笑）

一ノ瀬・宮本　（笑）！