「LEGO®ムービー」シリーズ最新作であり、2012年に日本での放送が始まったアドベンチャーアニメ「レゴ®ニンジャゴー」の劇場版「レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー」。映画ナタリーは「レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー」で、7役もの吹替に挑戦した出川哲朗のアフレコレポートを通して、作品の持つポップで楽しい魅力をクローズアップする。
取材・文 / 山川奈帆子 撮影 / 小原泰広
REPORT出川哲朗の“リアルガチ”な
アフレコ現場に行ってきた
8月15日に行われた「レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー」日本語吹替版の公開オーディションには、出川哲朗が忍者のコスチュームで参戦。「やるからには主役を狙いたい」と“ハリウッド声優”としての意気込みを述べるも主役を逃した。結果、「水辺の兵士3」「サメ将軍1」「サメ将軍2」の3役に決定した出川のアフレコ現場に密着した。
“アッコさん”を思い浮かべておびえる
Tシャツと短パン姿で元気いっぱいにレコーディングブースに現れた出川は、日本語吹替版の演出監督と力強く握手を交わすも、「セリフを言うとき、監督に肩をトントンしてほしい」と少し不安な表情を見せる。悪の帝王・ブラックガーマドンの手下・サメ将軍1役からアフレコがスタート。出川は体をくねくねとよじらせ、尻を突き出して首を傾けながら声を当てていく。威圧的なガーマドンに困惑するサメ将軍1に全身を使ってなりきるさまは、なんともユニークだ。監督からのセリフ修正の指示に対して、出川は「ハプニングは日常。対応できないのは役者じゃない」とカッコよく発言し、現場に笑いを起こす。監督が「ガーマドンはとても偉い人で、すごく怖いので、おっかなびっくり話してる感じで」と出川に具体的なイメージを伝えると、出川は「イメージとしてはアッコさん(和田アキ子)としゃべってる感じかな」と言い、よりおびえた感じでセリフを発して場を盛り上げる。
悶えすぎて監督から冷静なツッコミ
出川とコミュニケーションを取りながら細かくテイクを重ねていく中で、監督は「合わせるとかあまり気にしないで気持ちでやってもらえればと思います」とパッションで演じてほしいことを告げる。続けて、サメ将軍1がガーマドンによって火山から打ち上げられてしまうシーンのアフレコが開始。「あ、熱っ!」というアドリブは即座に却下されるも、「遠くに飛んで行くから、叫ぶ感じで言ってもらっていいですか」という指示にはしっかりと応え、臨場感たっぷりの絶叫を決めてOKをもらう。続いて、水辺の兵士3について「ヤンキーっぽい女性なので、不機嫌そうな感じで」と注文された出川。「女性の気持ちになってやってみて」という言葉に感情移入しすぎたのか「ああー! ああ!」と悶絶する出川に「そんな悶えないでください!」と冷静に監督がツッコみ、現場は再び笑いの渦に包まれた。
3役が7役に!? “32色の声を持つ男”の本領発揮
監督と出川が軽妙にやり取りしながらスムーズにアフレコは進行。無事に3役分のセリフをすべて取り終えたところで、監督から「出川さんの声がもっと欲しい! 4役増やしましょう」と突然思わぬ提案が。その場で「オタク技師2」「AD」「サーファー」「安堵する男」の4役が追加されると、出川は「32色の声を持ってますけどもー!」と言いながらも驚いた様子。わずかな休憩を挟み、再びブースに立った出川は「今、あなたは人間が成り上がっていく瞬間を見てるんですよ」と撮影用のカメラを挑発し、「3役から、さらに4役を勝ち取った! 唐沢(寿明)さんもエキストラから始めたんですよ!」とうれしそうな顔を見せた。“ガーマドン”を何度も“ガードマン”と呼び間違えるも、さまざまな役を臨機応変にこなしていく出川。「どんどんうまくなってますねー! あはは」と自信たっぷりに笑い、両手を掲げてガッツポーズを見せる。最後の収録となったサーファー役では、ナンパの場面で放った「子猫ちゃーん!」というノリノリのアドリブが、大好評を受け見事採用に。出川のチャーミングな魅力が炸裂したアフレコ収録は大いに盛り上がり、楽しい作品にふさわしい和やかな雰囲気のまま終了した。
CHALLENGE出川哲朗YouTuberになる!?
“声優チャレンジ”動画が公開中
映画の公式サイトに特設ページ「レゴ®ニンジャゴーTV」がオープン。「レゴ®ニンジャゴーTV」では、映画の映像のほか、出川が公開アフレコオーディションを経て吹替に挑戦する過程を追った動画が随時アップされている。出川の“リアルガチ”なチャレンジの数々は、思わず笑ってしまうと同時に応援したくなること間違いなし! ぜひチェックしてみよう。
- 「レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー」
- 2017年9月30日(土)全国ロードショー
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- ストーリー
- 世界征服の野望を抱く悪の帝王ブラックガーマドンが、街を征服するため連日ニンジャゴーシティを攻撃。一方、高校生のロイドはブラックガーマドンの実の息子であるため、肩身の狭い毎日を送っていた。だが、ロイドはニンジャゴーシティを守るため、姿を隠し若きニンジャとして仲間たちとともに戦う顔も持つ。ある日、ロイドたちは師匠のウー先生に率いられ、「真のニンジャ」だけが手に入れられるという“最終最終兵器”を求めて修行の旅に出る。
- スタッフ
- 監督:チャーリー・ビーン、ポール・フィッシャー、ボブ・ローガン
- キャスト ※()内は吹替版
- ウー先生:ジャッキー・チェン(一条和矢)
ガーマドン:ジャスティン・セロー(山寺宏一)
ロイド:デイヴ・フランコ(松井恵理子)
ココ:オリヴィア・マン(沢城みゆき)
©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
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- 出川哲朗(デガワテツロウ)
- 1964年2月13日生まれ、神奈川県出身。趣味は映画鑑賞。1985年、横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)演劇科卒業。1987年、ウッチャンナンチャンらと劇団SHA・LA・LAを結成し、座長を務める。現在、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)、「アッコにおまかせ!」(TBS系)、「ポンコツおじさん旅に出る」(テレビ東京系)などに出演中。2017年4月、ゴールデン帯初の冠番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(テレビ東京系)が放送開始となった。
途中で4役増えるとかありえない! 「時間が余ったから出川にやらせるか」ということだと思うんだけど……7色の声に挑戦できてうれしかったな。今回は観に来る人たちに出川哲朗の声だってわからないように、あえて出川哲朗を封印したね。これを機にどんどん大きな役をやっていきたいし、ブルース・リーとか「007」シリーズのジェームズ・ボンドのような憧れの男の吹替をやってみたい!
アフレコを終えて