3回連続で自分の目が出てシビれた

──MVSを獲得されてどういう心境だったのか、最初にお聞かせいただけますか？

MVSが発表されたときは、「シンジラレナーイ！」という気持ちでしたね。

──ヒルマン監督ですね。

あの瞬間、心の中では日ハムの帽子をかぶっていましたよ。

──そんな春日さんが最初に「すべらない話」に出演するとお聞きになったときは、どう思われましたか？

まず、マネージャーに何度も確認しました。「本当にそうなのか？ 若林くんだけのオファーじゃないのか？」と。そうしたら「コンビでお願いされているんですよ」と言われて、「えー？ 私も？」と。それで結果的にはMVSを獲りまして。さすがの春日もびっくらこきましたね。

──事前にどんな話をするのか、準備はされていましたか？

それはやっぱり、いくら春日でもね、なんにも持たずに行くわけには。戦場ですから。

──武器を持たずには行けないと。

なにせ普段はカメラを見て、大きな声を出す、っていうのを生業にしているわけですから（笑）。「すべらない話」で、お話だけで座って笑いを起こすのは、それとは真逆なんですよ。室内ですしね。あれがアフリカの大地だったら、もうちょっとやりやすかった。アフリカではコケただけで笑いが起きたりするので（笑）。

──具体的にはどんな武器を持って収録に臨まれましたか？

事前の打ち合わせで、スタッフさんに「何個くらい話を持って行くものなんですかね？」と聞いたら、「2、3個じゃないでしょうか」と言われたので、2、3個はもちろん持っていきました。ただ結局それ以上しゃべりましたよね。

──このDVDには春日さんのお話が、オンエア未公開の1つを含めて5つ入っています。

そうなんですよ。サイコロで3回連続、私の目が出たときは、シビれましたねー。死ぬかと思いました（笑）。滅多にないくらい当たった。

──ただ春日さんは当たった回数が多かっただけじゃなく、MVSという結果もきちんと出されました。

話す回数が多いことがMVSにつながった、という部分もあったんじゃないですか。結果的には運がよかったと思います。

底力を見せました。春日の腕ですよ

──春日さんは運がよかったとおっしゃいますが、やはり持ち前の話術を駆使して、というところがあると思います。

もちろんもちろん。

──MVSを獲った秘訣が春日さんなりにあれば教えていただけますか？

うーん、トークってのは技術じゃないからねえ。やっぱり、その、魂？ そのとき春日がどう感じたか？ だからねえ。トークってのは、熱で話すものだからねえ。

──ごもっともです。

でも、どきどきキャンプの佐藤くんには「どうする？ 私が話した話で面白いのあったかな？」と事前に相談しましたよ。結局そこで出てきた意見は「短めの話のほうがいいんじゃないか？」と。長めに話していると、「これは今、何を話しているんだっけ？」と自分で勝手に話を見失って自滅するパターンがありますからね（笑）。

──とはいえMVSを取られた授業参観は長めのお話でしたよね。なぜこの話を選ばれたのでしょうか？

本番前に「授業参観の話があったな」とは思っていたんですけど、あれは長いから無理だなと。でもその場の焦りがあったのと、意外にちょっと楽しくなっちゃっていた部分があるんですよ、話していくうちに。「あれ？ 先輩方、笑顔で聞いてくれているじゃない？」と。それで気付いたら授業参観の話をしていました。

──しかも結果的には話を見失うこともなかった、と。

底力を見せましたね。春日の腕ですよ。人間、ピンチのときに真価が問われるじゃないですか。とんでもない光り方をしましたからね。あの逆境で。

──火事場の馬鹿力みたいな感じでしょうか。

先輩方が引くくらい当たっているんですもん。皆さん心配そうな目をして「大丈夫なのか？」と。私は初登場ですし、しゃべれるってイメージもないですからね。若林くんのほうだったら、まだ先輩方も不安にならなかったと思うんですけど。「当たったけどしゃべれない。ナシナシ！」ってわけにはいかないじゃないですか。それをはねのけた。あのときの春日はすごかったね。