映画ナタリー Power Push - 乃木坂46が語る「心が叫びたがってるんだ。」
すぐ隣にいるみんなが主人公
言ってほしいけど、言われたら嫌(松村)
──観終わったあと、メンバーの皆さんで感想を言い合ったりしましたか?
高山 そうですね。「どこで泣いた」みたいな話はしました。あと、拓実派か大樹派かも話しました。
深川・松村 あー、言ったねー。
──ちなみに皆さんはどちら派ですか?
高山 (キッパリと)絶対に拓実!
深川 私も……拓実くんかなぁ。
松村 私は、三嶋(笑)。
高山 三嶋もいるの……でも、私は拓実!!
深川 どうしよう……じゃあ三嶋くんかな。
高山 ええ、三嶋にすんの!?
松村 だってかずみん(高山)、終盤での順ちゃんとのシーン思い出してみ? つらくない?
高山 そこは順ちゃんに感情移入しちゃうとそうなるけど、菜月ちゃんの立場に立ってみ。あの声のトーンとか、落ち着いた空気感とか、あと何よりDTM研に入ってるところが好き。運動部バリバリというよりも少しマイナーな部活に入ってる人とかのほうが気になります。普段何やってるんだろうって、謎が多い人のほうが知りたくなるので。
──なるほど。
高山 だって三嶋の日常はきっと、野球して、家帰って、ご飯食べて、寝るって感じじゃないですか(笑)。あとは彼女がいるぐらい。
松村 あっ、妹もいそう(笑)。
高山 あー、いそういそう。あとたぶんカレー好きで(笑)、三嶋はなんかわかりやすすぎ。その点、拓実はちょっと謎が多いですね。でも付き合ったら、性格変わりそう。
深川 しかも本音言わなさそうだしね。
──でも拓実は相手のことを気遣って本音を隠してますよね。
松村 超個人的な、私のわがままだけで言うと、男の人には本当のことを言ってほしいけど、言われたら嫌だ(笑)。
──(笑)。
松村 男の人は笑って、ちょっと受け流すぐらいがいいのかなって。順ちゃんが拓実に感情をぶつけるのはいいけど、拓実が順ちゃんに「お前本当はかわいくねえ」みたいな本音をぶつけてるのは観たくないので(笑)。
最後の歌詞でクラスみんなの顔が浮かんだ(高山)
──「ここさけ」の主題歌は皆さんが歌う「今、話したい誰かがいる」ですが、初めて聴いたときどのような印象を抱きました?
高山 私、曲を聴くときは自分と重なる部分を探すんです。それで感情移入できる部分が多いといい曲だと思う傾向が強くて。この曲は自分と重なる部分が多かったです。
深川 最初に聴いたときと、映画で観たあとに聴いたときの印象が全然違って。映画を観たあとだと曲を聴きながら順ちゃんの気持ちになって。歌詞と映画の物語がリンクしていてすごくうれしかった。
──高山さん、松村さんはエンドロールで曲を聴いたときどう思われました?
高山 さっきの話とは逆に、エンドロールで聴いたときは、映画とリンクして自分の目線じゃなくてもっと客観的に曲を聴くことができました。特に最後の歌詞を聴いたとき、クラス全員の顔が浮かんできて。映画を観て曲の輪郭がはっきりしたように思えて、もっとこの歌が好きになりました。
松村 アニメの主題歌ってすごい重要じゃないですか。アニメのイメージ、顔だと思うので。だから主題歌を担当することにプレッシャーを感じていたんですけど、エンドロールで流れたとき私はぴったりだと思って、感動しました。
キャラクターが私のすぐ隣にいる男の子や女の子みたい(松村)
──松村さんは「ここさけ」や「あの花」で脚本を担当されている岡田麿里さんの作品が好きだと伺っているのですが、その魅力は?
松村 リアリティです。順ちゃんが拓実に言う暴言もそうだし、登場人物の心の傷や心の機微がすごいリアル。「あの花」も、その前の「とらドラ!」も、登場するキャラクターが本当に私のすぐ隣にいる男の子や女の子みたいで。
──高山さんは最近短編小説を発表されました。書いてみて何か変化はありましたか?
高山 日々の生活が変わりました。何も考えていない時間がなくなって、町を歩いているときでもいろんな視点、自分以外の目線からも物事を考えるようになりましたね。
──書いてから本作を思い返すとどうですか?
高山 今長編小説を書いているんですが、登場人物のリアリティがすごいなと改めて思いました。正直に言っちゃえば主人公の順ちゃんは自業自得なところがあるし、自分勝手で周囲への配慮が足りないと思うんです。それでも魅力的なのがすごい! それがやっぱりプロの方のバランス、腕なんだなと。
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Blu-ray Disc / DVD「心が叫びたがってるんだ。」2016年3月30日発売 / アニプレックス
- 完全生産限定版
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- [Blu-ray Disc2枚組+CD] 9180円 / ANZX-11701~3
- [DVD2枚組+CD] 8100円 / ANZB-11701~3
- 通常版
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- [Blu-ray Disc] 5940円 / ANSX-11701
- [DVD] 4860円 / ANSB-11701
ストーリー
幼い頃、何気なく発した言葉によって家族をバラバラにしてしまった少女・成瀬順は、突如現れた“玉子の妖精”に二度と人を傷付けないようおしゃべりを封印されてしまう。高校2年生になってもトラウマを抱えたまま、周囲に心を閉ざしていた順だったが、ある日担任の城嶋から、「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。同じく城嶋によって選ばれたのは、やる気のない少年・坂上拓実、チアリーダー部の優等生・仁藤菜月、野球部の元エース・田崎大樹といったクラスメイトたち。最初は実行委員を辞退しようとした順だったが、彼らとの交流を通し少しずつ変化していく。そんな中、城嶋の思惑により交流会の出し物がミュージカルに決定。歌なら声を発せられる順は主役に抜擢され、楽曲の作詞も務めることに。周囲の協力を得て、順調に準備を進めて迎えた発表前日、順はある光景を目撃してしまい……。
スタッフ
- 原作:超平和バスターズ
- 監督:長井龍雪
- 脚本:岡田麿里
- キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
- 音楽:ミト(クラムボン)、横山克
- 主題歌:乃木坂46「今、話したい誰かがいる」(Sony Music Records)
- 制作:A-1 Pictures
キャスト
- 成瀬順:水瀬いのり
- 坂上拓実:内山昂輝
- 仁藤菜月:雨宮天
- 田崎大樹:細谷佳正
- 三嶋樹:村田太志
- 相沢基紀:大山鎬則
- 岩木寿則:古川慎
- 城嶋一基:藤原啓治
- 成瀬泉:吉田羊
©KOKOSAKE PROJECT
乃木坂46(ノギザカフォーティシックス)
2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当する。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」でメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から13thシングル「今、話したい誰かがいる」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得している。3月23日に通算14枚目のシングル「ハルジオンが咲く頃」をリリース。
- 乃木坂46「ハルジオンが咲く頃」
2016年3月23日発売 / Sony Music Records