樋口幸平が心つかまれた理由とは、映画「猿の惑星/キングダム」で新たな世界に出会う (2/2)

衝撃のラスト…続きが気になってしょうがない!

──「猿の惑星/キングダム」の中で、どの役でも演じていいと言われたら、やってみたい役はありますか?

ボノボの王(プロキシマス・シーザー)ですね。この作品は、すべての猿と人間を支配しようとする独裁者プロキシマスに立ち向かっていく物語ですけど、僕は彼の思想も間違ってない、ある意味で正義だと感じていました。冷静に考えたら、人間に檻の中に閉じ込められていた彼らが、300年後は知能を持ってしゃべれるようになり、王国を切り開いている状態ですよね。しゃべることもできなくなった人間より立場が下になるのは、僕がボノボでも嫌だって思います(笑)。ぜひプロキシマスを演じてみたいです。ただの悪者じゃなくて演じがいがありそう。

ケヴィン・デュランドがパフォーマンスキャプチャを担当したプロキシマス・シーザー。

ケヴィン・デュランドがパフォーマンスキャプチャを担当したプロキシマス・シーザー。

──ちなみに日本版声優は竹内力さんが担当されます。

そんなの大正解じゃないですか!(笑) 絶対観たいです! そのプロキシマス。日本版も気になりますね!

──「猿の惑星」と言えば、1968年の1作目が衝撃の結末として伝説化していますが、今回のラストはいかがでしたか?

「え?」っていうのが大きくて、衝撃でした。細かいところまで深読みできるから、続きが気になってしょうがない。SFって深読みしまくってなんぼじゃないですか(笑)。この作品を観た方は、絶対にこの先も観たくなるはず。新たな3部作になる構想だと聞いたので、早く見せてください!と言いたいです。最後の最後で観客をさらに虜にするというか、ガッと心をつかんで絶対に離さない。作った皆さんのすごさを痛感させられましたし、だからこそ、この作品も愛されていくんだろうなと思いました。

劇中の猿をまねて“エイプポーズ”を決める樋口幸平。

劇中の猿をまねて“エイプポーズ”を決める樋口幸平。

これから先も観続けていきたい

──樋口さんは300年後の未来はどうなっていると思いますか?

昔はスマートフォンなんて想像できなかったように、まだ見ぬ便利さというか、いろいろな「こんなものがあったらいいな」が現実になっていると思うし、考え方やそれぞれの人間性も今とはさらに変わっているでしょうね。もしかしたら、それこそ何かと共存しているかもしれない。ロボットの知能が発達しすぎて人間と共存しているかもしれないとか。そう考えると、「猿の惑星」のように人間と立場が逆転している可能性もありますよね。

この作品を自分とリンクできたのも、そういう想像ができることが大きかったと思います。動物の知能が驚くほど進化している場合もあるだろうし、考えれば考えるほど楽しい。いろんな「こうなってたらいいな」が思い付くので、できれば300年後も見てみたいですね。

──300年後まで残っていてほしいものはありますか?

なんでしょうね……。どれだけ便利なものができたとしても、絆や達成感だったり、人間にしか感じられないものは絶対に残っていてほしいです。今はすごく便利になっていて、連絡手段もLINEとかで簡単になっているけど、僕が子供の頃は待ち合わせ場所にたどり着くのも大変だったし。でも苦労した気持ちは、そのときにしか得られないものなので。どれだけ技術や知能が上がっても、人間らしさみたいなものは300年後にも残っていてほしいなって思います。

「猿の惑星/キングダム」より。人間と猿の間で支配権が完全に入れ替わった300年後の世界が描き出される。

「猿の惑星/キングダム」より。人間と猿の間で支配権が完全に入れ替わった300年後の世界が描き出される。

──最後に、今作で初めて「猿の惑星」をご覧になる方々に伝えたいことは?

歴史のある作品ですが、過去作を観なくても楽しめるってことはお伝えしたいです。この時代に作れる最高傑作のスケールの映像が体感できますし、映画やドラマ、エンタメ好きの皆さんには絶対に観ていただきたいです。僕自身、「猿の惑星」に対してのイメージがすごく変わりましたし、「猿の惑星」の歴史を追い続けるいちファンになってしまいました。観終わったあとに「あのシーンどうだった?」など考察したり、いろいろ語り合うこともできる。繰り返し観るからこそわかる面白さや深みもあると思うので、これから先も観続けていきたい。もう、とんでもない作品でした!

樋口幸平

樋口幸平

興奮冷めやらず!「猿の惑星/キングダム」スペシャルムービー

プロフィール

樋口幸平(ヒグチコウヘイ)

2000年11月30日生まれ、兵庫県出身。高校卒業後、Jリーグのプロ育成選手として上京するも、けがのためプロを断念。その後芸能事務所からスカウトを受け、芸能界デビューを果たす。2022年から翌年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ第46弾「暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ」の主人公・桃井タロウ / ドンモモタロウ役に抜擢され、ドラマ「体感予報」でもダブル主演を務めた。そのほかの出演作に、ドラマ「Maybe 恋が聴こえる」「キューピッドがいるラブホテル」などがある。2024年に映画「追想ジャーニーII」が公開予定。読売テレビ・日本テレビ系で放送中のドラマ「約束 ~16年目の真実~」に刑事・夏目泰雅役で出演している。