映画「
垣根涼介の同名小説を実写化した本作は、大飢饉と疫病に襲われた、「応仁の乱」前夜の京(みやこ)を舞台にしたアクションエンタテインメント。蓮田兵衛(はすだひょうえ)は己の腕と才覚だけで世を渡る自由人だったが、人々の悲惨な状況を見て、立ち上がるときを伺っていた。そしてすさまじい武術の才能を秘める天涯孤独の才蔵(さいぞう)を見出し、鍛え上げていく。機が熟したとき、兵衛は才蔵に加え、抜刀術の達人、槍使い、金棒を使う怪力男、洋弓を携えた朝鮮の娘といった“無頼”たちとともに、巨大な権力に向けて大暴動を仕掛ける。
日本史上初めて武士階級として一揆を起こした兵衛役を大泉、兵衛に拾われて六尺棒を武器に戦う才蔵役を長尾が担う。また才蔵に棒術を教える“唐崎の老人”役で柄本、民を虐げる大名・名和好臣(なわよしおみ)役で北村、高級遊女・芳王子(ほうおうじ)役で松本、そして兵衛のかつての悪友で現在の宿敵・骨皮道賢(ほねかわどうげん)役で堤がキャスティングされた。
まず大泉は「『室町無頼』というタイトルを聞いて、なんともワクワクする、何が起こるかわからない映画だと感じました」とコメント。堤は「本格的な骨太の時代劇。道賢は実在の人物なのですが、ほとんど資料に残っていないんです。伏見稲荷を拠点にしていた人物なので実際に伏見神社へ行ったんですが、社務所の方に尋ねたら『誰ですかそれ?』と言われてしまいました(笑)。なので想像力を働かせて演じました」と述べ、長尾は「この映画ではアクションやたくさんの新しいことに挑戦しました。才蔵として兵衛殿にはたくさん磨きをかけていただき、大泉さんにも磨いていただいて、人としても成長できました」と振り返る。柄本は「時代劇は日本の宝だと思っていて、なんでもっと撮らないのかといつも考えています。京都太秦の撮影所にいられて本当に幸せでした」、北村は「脚本の中に1人、憎たらしい悪役がいて(笑)。想像以上にいい仕上がりでワクワクが止まりません」と語る。
現場はかなりハードだったようで、MCから「ここまでやるのか!と思ったエピソードは?」という質問が飛んだ。大泉が「群衆が松明を持っていたんですが、(人数の多さに)何人呼んでるの!?と。一揆の話ですから、当時と同じくらいの人を集めたんじゃないかってくらい(笑)。オープンセットの中に何百人もいて、カットが掛かってもその声が聞こえなくて、遠くでまだ一揆をしているんです」と言うと、堤は「かなり叫びましたよね。それに埃を表現するために大きな扇風機で『はったい粉』を飛ばしていたので、口の中がじゃりじゃりになりました」と笑う。また大泉が「監督が『マッドマックス』を観ているのを見かけて、そこを目指してるのか!と思いました」と続けると、入江も「室町時代は日本映画であまり描かれたことがないので、手探りでやっていくうちに『マッドマックス』にたどり着きました」と明かした。
長尾は関所が爆発するシーンを挙げて「(爆発を背にして)坂道を登るシーンで『もし背後の爆発音が聞こえなさそうでしたら、スタッフのほうから手を振って合図をするので』と言われたのですが、始まってみたら今まで感じたことがないほどの大爆発で」と言い、それを聞いた大泉が「監督が(ここから演技してという)キューを出していたんですが、そりゃわかるよ!ってくらいでした」と大笑いしながら回想した。
殺陣について尋ねられると、大泉は「去年の夏はずっとこの作品の稽古をしていました。私は50歳ですが、アクション監督から『とりあえず稽古初日は木刀を持って、振り下ろしを100本しましょう』と言われて! 撮影初日に立ち回りがあったんですが、終わったあとに『感動したなあ、大泉さんがんばってくれた』と泣いてくれましたね。まだ初日なんですけどね」と冗談を交えて答える。堤は台本には大きな殺陣はなかったはずが、なぜか一騎討ちのシーンが追加されたとぼやき「僕も還暦ですから、腰が痛くて痛くて。撮影日以外は接骨院やマッサージに行って、京都でえらい散財しました」と苦労をにじませた。
長尾は「初めてのアクションだったので驚きが多かったです。お話をいただいたときに『刀を振る系かな?』と思っていたら、棒を使うと。いざ練習をしたら棒が6尺(約1.8m)もあるので、長くて使いづらくて。僕の場合も『初日は100本振ろうか』と言われたのですが、いろんな振り方があったので全部で500本くらい振りました」と過酷な稽古を笑顔で説明する。大泉が「長尾くんのアクションが本当にすごい。これは長尾くんの成長の物語。この映画は長尾くんの映画ですよ!」「かわいそうに、ふんどし一丁で延々と稽古させられてね」と話すと、長尾も「この映画の3分の1くらいはふんどし姿です」と暴露した。
また「座長としての大泉は?」という質問には、堤が「普段はふざけた感じですが、現場では意外と言葉が少なかったです」と回答。アクションで疲労していたという大泉は「しゃべると疲れましたね」と本音を口にする。しかし松本からは「いつも変わらず、誰に対しても“大泉洋”なんですよ。気遣いをしてくれる方なんですが、それを周りに気付かせない。とても助けてもらいました」と優しく証言した。最後の挨拶で大泉は「近年ここまでのスケールで撮られた映画はそうないと思います。ここに描かれている人々は本当に必死に生きて、時代を変えようとしています。かっこよく、美しく、今の時代にも通じる映画です」と力強く作品をアピールした。
「室町無頼」は2025年1月17日に公開。
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