抵抗 死刑囚の手記より
テイコウシケイシュウノシュキヨリ
UN CONDAMNE A MORT S'EST ECHAPPE ON LE VENT SOUFFLE OU IL VEUT
上映時間:97分 / 製作:1956年(仏)
解説 ナチスの傀儡政権ビシー政府時代の入獄体験を綴った、一人の軍人の手記の映画化。“一人の死刑囚が脱獄した“という原題通りのシンプルなストーリーを、極限状況の人間の行動やしぐさを集中的にドキュメントする演出スタイルで描き切る。従来の脱獄ものにつきもののドラマティック・アクションや、監視官と囚人のカット・バックといった定石をいっさいそぎ落とす徹底ぶり。カミソリの刃とピンを使って手錠をはずしたり、食事のサジを地道に研いでナイフを作り上げたり……。独房内での男の執念のまなざしと手の動きに、カメラは徹底して肉迫する。L・H・ビュレルのカメラはそうしたアクションすべてを緻密なアップの映像で捉え、緊迫感のあるシークエンスを構築する。R・ブレッソンの演出とF・ルテリエの感情を排した演技により、見事な効果を生み出している。また、モーツァルトの『大ミサ曲 ハ短調』のほか、音が細心の注意をもって処理されており、緊張感のあるサスペンスを紡ぎ出している。
スタッフ |
監督:ロベール・ブレッソン |
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キャスト |