フォービデン・ゾーン

解説　アメリカン・インディーズから飛び出した、キッチュでアブノーマルな味わいを持つミュージカル風コメディの大傑作。監督のR・エルフマンはフランスに赴いて、前衛アーティストとして高い評価を得ていたが、この作品で映画に初挑戦。全編が書き割りという意表を突いたセットと、実写とアニメとを融合させた奇妙な手法で、スタイリッシュな演出を展開した。ヘラクレス家の地下には6次元の世界に通じる入口があり、娘のフレンチーはある日その禁断地帯に入り込む。そこは小人の王様（小人のカルト・スターであるエルベ・ビレチャイズ）や、異常に嫉妬深い王女などに支配されたアブノーマルな世界。あのオインゴ・ボインゴの珍妙で絶妙な音楽もかぶさり、まったく類をみないユニークな作品が完成した。悪魔の一団が、突如『ミニー・ザ・ムーチャー』の替え歌を歌い出すあたりのノリはその頂点。

スタッフ	監督：リチャード・エルフマン
キャスト	マリー＝パスカル・エルフマン エルヴェ・ヴィルシェーズ