7月9日より放送開始となるアニメ「京都寺町三条のホームズ」は、京都の小さな骨董品店「蔵」を舞台にしたライトミステリー。「蔵」でバイトを始めた女子高生・真城葵が、お店のオーナーの孫で周囲から“ホームズ”と呼ばれている青年・家頭清貴と、骨董品を巡るさまざまな依頼を受けていく物語だ。
コミックナタリーではアニメ放送に合わせ、葵役の富田美憂、清貴役の石川界人にインタビューを実施。作品の見どころや役作りへのこだわりを聞いた。
取材・文 / 須藤輝 撮影 / 小川修司
京都の寺町三条商店街にポツリとたたずむ、骨董品店「蔵」。
女子高生の真城葵は、ひょんなことから「蔵」の店主の息子・家頭清貴と知り合い、そこでアルバイトをすることになる。
勘が鋭く、“ホームズ”という愛称で呼ばれている彼のもとには、ワケありの骨董品を持つさまざまな客が訪れていた。葵は清貴とともに、骨董品にまつわる依頼を受けていくが……。
推理ものだけど“人が死なない”のがポイント(石川)
──「京都寺町三条のホームズ」はいわゆる推理ものですが、おふたりはこれまで小説やドラマなどで推理ものに触れてこられた経験は?
富田美憂 私は活字があまり得意ではないので、推理小説は自分から読みはしないんですけど、ミステリー・サスペンス系のドラマは結構観てましたね。先が気になっちゃうタイプなので、何話か溜めて一気見する感じで。
石川界人 僕は小学生の頃に、青い鳥文庫のような児童向け小説で推理ものをたくさん読んでました。はやみねかおる先生の「名探偵夢水清志郎事件ノート」シリーズを全巻読破したり。でも、大人になるにつれて徐々に難しいロジックが苦手になってきて、あまり触れることがなくなってしまいました。
──大人になるにつれて、より難しいロジックもわかるようになる、ではなくて?
石川 大人向けの推理ものは、人間の感情の動きとかが複雑なので、難しくて。考えるのが面倒になってしまいました(笑)。
──そのうえで、「京都寺町三条のホームズ」という作品をどうご覧になりましたか。
富田 原作小説を読んで、まず京都の町並みや風景がすごく丁寧に描かれているなあって思いました。だから葵は今どこにいて、どんな景色を見ているのかがよくわかるというか。さっき言ったように私は活字が得意じゃないんですけど、そんな私でも葵の目線ですらすら読めちゃいましたし、自分も京都に行った気分になれました。
石川 作中でいろいろな事件が起こるんですけど、一般的な推理ものと違って“人が死なない”というのがポイントです。僕は理由はどうあれ法を犯す、しかも殺人に至るという思考が理解できないというか、そこに憤ってしまうので、実はそれが大人向けの推理小説に手が伸びなかった一因でもあるんです。でも「ホームズ」は骨董品を通して人の感情を読み解いていく物語なので、僕にとってはとても入りやすい作品です。
富田 あと、ごはんがすごく美味しそうです!
石川 確かに!(笑)
中学生の頃から美術館に行くのが趣味(富田)
──本作は舞台が京都というのも1つのポイントだと思われますが、おふたりは京都に行かれたことは?
富田 私は修学旅行で1回だけ。それっきり行ってないです。
石川 先輩との旅行で1回だけで、僕もそれっきりです。
──修学旅行だと、やはりお決まりのコースでしたか。
富田 そうですね。清水寺とか金閣寺とか、定番の観光スポットを修学旅行のしおりの通りに回ったので「これが本物かあ」くらいの感想しかなかったですね。でも、「ホームズ」を読んだ今ならきっと京都の見え方が違ってくると思います。
──石川さんの旅行というのは?
石川 たまたま江口拓也先輩と「旅行したいね」みたいな話をしていたら、ちょうど2人ともオフの日があったので「そうだ 京都、行こう。」のノリで。それで京都で一眼レフを買って、伏見稲荷大社に行って、山頂まで登って写真を撮ったり。時間があんまりなくて、それ以外の観光地は全然巡れなかったんですけど、いい思い出になりました。
──もともと伏見稲荷で写真を撮るのが目的だったんですか?
石川 それもたまたまです。僕は事前にスケジュールを組んで、何時までどこで観光して、何時からどこでごはんを食べて……っていうのを細かく決めるタイプなんですけど、そのときは先輩と半ば勢いで京都に行った感じだったので、結果的に行き当たりばったりな旅に。
──「ホームズ」には京都の名所がたくさん登場しますよね。収録をしていて、気になった場所はありましたか。
富田・石川 貴船の川床!
──貴船の川床というと、川の水面すれすれに足場を組んで座敷を設け、そこで涼を取りつつ料理を楽しむ京都の夏の風物詩ですね。
石川 葵と清貴がそこでごはんを食べるシーンがあるんですけど……。
富田 私たちも食べたいですよね。
石川 だよね。実は今度、作品のヒット祈願などをしに京都へ行く予定があるんです(※)。せっかくなので、川床にも行けますように!(スタッフのほうを見ながら) ※参照:「京都寺町三条のホームズ」富田美憂と石川界人が京都・下鴨神社でヒット祈願。取材はこのイベントの直前に行われた。
──(笑)。この作品は骨董品がテーマになっているのも特徴の1つですが、おふたりは骨董品に馴染みは?
富田 骨董品には馴染みはないんですけど、美術品というくくりなら、私は中学生の頃から美術館に行くのが好きで。この間も上野の東京都美術館でモネやセザンヌの絵画を見てきました。
石川 何それ? ええとこのお嬢さんだったりするの?
富田 いやいや、ただの趣味ですよ。友達と行くんです。
石川 すげえ。僕、美術品の価値が全然わからなくて……なんで高価なのかもわからないし、例えばお皿とかの場合「そんなに高いやつ普段使いできないじゃん!」って実用性を考えちゃうし。あるいは「売ってお金になるなら売っちゃえば?」とか思ったりしてたんですけど、「ホームズ」に関わって、家頭清貴として骨董品の特徴やそれが作られた背景を自ら語っていくうちに……ちょっと欲しくなってきて。
富田 あはは(笑)。
石川 だから最近は、日本の骨董品ではないですけど、例えばロイヤルコペンハーゲンの食器が気になって、値段を調べて絶望したり(笑)。あとこの作品は、今言ったように古美術にまつわる歴史も学べるので、それこそ京都観光に行ったときにも役立つなって思います。
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自分と清貴は、正反対のタイプ(石川)
- アニメ「京都寺町三条のホームズ」
- 放送情報
-
テレビ東京:
2018年7月9日(月)より毎週月曜26:05~
※初回5分押し 26:10~
テレビ大阪:
2018年7月9日(月)より毎週月曜26:05~
※初回5分押し26:10~
テレビ愛知:
2018年7月9日(月)より毎週月曜27:05~
※初回5分押し27:10~
BSジャパン:
2018年7月13日(金)より毎週金曜24:59~
AT-X:
2018年7月11日(水)より毎週水曜22:00~ - スタッフ
-
原作:望月麻衣・秋月壱葉「京都寺町三条のホームズ」(双葉社・月刊アクション連載)
監督:佐々木勅嘉
シリーズ構成:山下憲一
キャラクターデザイン・総作画監督:伊藤陽祐
アニメーション制作:アニメーションスタジオ・セブン - キャスト
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真城葵:富田美憂
家頭清貴:石川界人
梶原秋人:木村良平
円生:遊佐浩二
滝山利休:小林沙苗
家頭誠司:小山力也
家頭武史:上田燿司
宮下香織:木下鈴奈
宮下佐織:堀江由衣
©望月麻衣・秋月壱葉/DEF STUDIOS
©「京都寺町三条のホームズ」製作委員会
- 秋月壱葉・望月麻衣「京都寺町三条のホームズ①」
- 発売中 / 双葉社
- 望月麻衣「京都寺町三条のホームズ①」
- 発売中 / 双葉社
- 富田美憂(トミタミユ)
- 1999年11月15日生まれ、埼玉県出身。2014年、中学3年生のときに「声優アーティスト育成プログラム・セレクション」でグランプリを獲得し、声優の道へ。2015年、「干物妹!うまるちゃん」の土間タイヘイ(幼少期)役でデビュー。代表作に「アイカツスターズ!」の虹野ゆめ役、「ガヴリールドロップアウト」のガヴリール役、「メイドインアビス」のリコ役など。
- 石川界人(イシカワカイト)
- 1993年10月13日生まれ、東京都出身。プロ・フィット声優養成所へ入り、2011年にラジオドラマ「AKIBA'S TRIP」で声優デビュー。2013年、「翠星のガルガンティア」で初の主役キャラ・レド役を演じる。そのほか、主な出演作に「ハイキュー!!」の影山飛雄役、「境界のRINNE」の六道りんね役など。