「Sugar Sugar Honey」長妻怜央(7ORDER)が本格スイーツ作り、天才パティシエ役の経験は活きるのか…!? (2/2)

長妻怜央(7ORDER)インタビュー

梶のカッコよさは、努力していることを人に言わないところ。対して僕は…

──長妻さんはマンガがお好きだと伺ったのですが、少女マンガもお読みになりますか?

読みますよ! 学生の頃は友達に貸してもらったりして読んでいました。

──このたびドラマ化された鈴木有布子先生の「Sugar Sugar Honey」では、主役のパティシエ・梶佑輔を演じていらっしゃいます。まず一読してこの作品にどのような感想をお持ちになりましたか?

大人の恋愛の雰囲気もあって、とても面白かったです! 序盤に瑞月を襲おうとした窃盗犯を梶が捕えるシーンがありましたけど、本当に自転車で突っ込むのかな……なんて撮影が心配になったりもしました(笑)。

──長妻さん演じる梶は、一流ホテルに勤めるイケメンパティシエ。長妻さんはこれまで数々の映像作品で魅力的な男性キャラクターを演じてこられたと思いますが、梶のカッコよさはどんなところだと思いますか?

髪型がポンパドールなのに落ち着いてるところですかね。ポンパドールのキャラって大概テンション高めに描かれることが多いのに、梶ってドラマだと声も低いですし……っていうのは冗談で(笑)。彼のカッコよさはやっぱり職人っぽいところですよね。チャラそうな見た目に反して、スイーツに対しては誠実で、いつも誰よりも遅くまで厨房に残って作業している。しかもその努力している姿を他人には見せなかったりするんですよね。「昭和の男」っぽいんですが、そういうところがすごくカッコいいなと思いました。どんだけ努力していてもそれを人には言わない。僕はすぐ言っちゃうタイプなんで(笑)。

イケメン天才パティシエと有名な梶。彼にはある夢がある。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

イケメン天才パティシエと有名な梶。彼にはある夢がある。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

──ははは(笑)。

あとは1つの道に打ち込んでいるところですよね。本当にすごいことだと思います。スポーツ選手とかもそうですけど、そこで勝てなかったら、自分が完全に否定されたような気持ちになると思うんですよね。僕たち7ORDERはダンスにバンドもやっているので、想像がつかない世界です。

──梶を演じるにあたり、お菓子作りのシーンは練習などしたのでしょうか?

製菓学校の先生がいろいろと教えてくれました。もう師匠と弟子!って感じでしたね(笑)。先生とはけっこう仲良くなっちゃって、撮影の空き時間には一緒にごはん食べたりとかしてました。そこで、パティシエ見習いの人たちがどういう生活をしているのかもよく聞きましたね。専門学校を出て、お店で修行して、っていう。どのお仕事にも言えることですが、最初はやっぱりかなり大変みたいです。早起きしたり、けっこう力仕事だったりしますからね。

──普段は料理を作ったりはしますか?

ほぼ作らないですね。鍋が好きなので鍋料理はたまにするんですけど、あんまり包丁も使わずに、白菜くらいなら手でちぎっちゃったり、肉はキッチンバサミで切っちゃったりします(笑)。友達には「出たよ、長妻クッキング」とか言われちゃって。

長妻怜央

長妻怜央

──そうするとお菓子ができあがる工程には驚きもあったのでは?

ありましたね! ケーキを切るときに、ナイフの刃をガスバーナーであぶってから切るんですよ。そうするときれいに切れるらしいんです。全然知りませんでした。卵の上手な割り方とかも教わりました。そういう知識を知ることができるのも楽しい現場でした。いやもう本当にありがたいです。

──ちなみにお菓子を食べるのはお好きですか?

現場にいると口寂しいのか、何かしら食べたりしてます。お菓子だったらグミが多いですね。特に好きなのは「ハリボー」のコーラ味。小さかった頃にお母さんがよく買ってくれたのが、今でもいい思い出になっています。あとは「ロールキャンディ」っていうグルグルに巻かれたソフトキャンディが好きでした。中学生くらいになるとお小遣いで大人買いしていましたね。こちらは青りんご味が一押しです。

梶が否定されると、自分が傷ついたような気分に

──ヒロインの瑞月は元陸上選手のホテルマン。自信が持てずに悩みがちな女性ですが、長妻さんから見て彼女のどのようなところが魅力的でしょう?

転職して間もない頃の瑞月は、早く自分の居場所を見つけねばと1人でがんばりすぎていた。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

転職して間もない頃の瑞月は、早く自分の居場所を見つけねばと1人でがんばりすぎていた。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

ボブ好きの僕としては、まず髪型に目がいってしまいますね(笑)。梶から見た瑞月として考えると、まったく違う世界にいた2人だから、その「違い」こそがお互いにとって魅力的だったんだと思うんです。だから演じるときも、その「違い」をそのまま出すよう、瑞月役の川津明日香さんとは話していました。瑞月は長距離ランナーだったという設定なので、川津さんはけっこう走り込んだりして、役作りをしていたみたいです。すごいですよね。

──川津さんとの間ではどういった演技プランを考えていたのでしょうか?

繁忙期が終わっても、コンテストに向けて休みは取らないという梶。2人でケーキを食べるのに「時間を取る」という梶の言い方に、瑞月は腹を立てる。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

繁忙期が終わっても、コンテストに向けて休みは取らないという梶。2人でケーキを食べるのに「時間を取る」という梶の言い方に、瑞月は腹を立てる。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

恋愛要素が強い作品だったので、女性側の考えも知っておきたいと思って、登場人物に関して「この人どう思う?」みたいな話はよくしていました。そういった彼女のものの見方を自分の役作りに還元したりしてましたね。2人がケンカするシーンに関しては、「あれは梶さんないわー」とか言われちゃって、自分が傷ついたような気分になりました(笑)。「あそこはこう言わなきゃダメでしょ!」「いやいや、梶さんはこういう人だから」って、自分も梶さんをかばっちゃうみたいな。

──「Sugar Sugar Honey」は梶と瑞月と一緒にホテルで働く同僚たちも魅力的なキャラクターですよね。

今回の取材にあたって原作を読み返したんですが、改めて気づいたのは梶の上司の太田垣シェフのカッコよさ。クリスマス向けの新作スイーツをコンペで募集するエピソードがあったじゃないですか。若手が「よし自分も!」って盛り上がってるところに、大人気なくベテランの太田垣シェフが参戦してくる。それには実は太田垣シェフなりの考えがあって……というお話なのですが、皆さんにもぜひ読んでほしいです。ドラマ版では「バレンタイン向け」ってことになっていて、原作と展開もまたちょっと違ったりするので、両方見れば2倍楽しめるはず。

──瑞月が陸上競技をしていた頃のライバルで、梶と瑞月の関係を引っ掻き回すかなみもいいキャラクターでした。

かなみはTVリポーターとして、オリオンに取材にやってくる。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

かなみはTVリポーターとして、オリオンに取材にやってくる。 © 鈴木有布子/ソルマーレ編集部

実際にいたらけっこう嫌なやつだと思うんですけど、フィクションだから許せるかわいさっていうのもあると思うんです。原作を読むと、かなみを演じている三原羽衣さんの再現度もすごいなと。あと第1話でテレビの取材がくるシーンがあるんですけど、そのディレクター役の人がめっちゃいい人でした。本編ではちょっと嫌な感じですけど、素はいい人なんだよな……と思って見てみてください(笑)。

コックコートを脱いで、薄着の役もしてみたい

──梶は女たらしと噂のイケメンパティシエという役どころでしたが、長妻さんが今後挑戦してみたい役や作品はありますか?

夏っぽいドラマがやりたいです。「ビーチボーイズ」で反町隆史さんが演じている役みたいな。飄々とした下っ端っぽいキャラをやってみたいんですよ。あと今回はパティシエ役なのでコックコート姿が多いんですが、もっとTシャツの胸の部分がバチバチになるくらいの薄着でもドラマに出てみたいですね。最近は筋トレをよくやっていて、7ORDERのメンバーや友達とジムに一緒に行ってるんです。もともとバスケをやっていて、体を動かすのは好きなんで。体が伸びる感じがして、単純に気持ちいいんですよね。

長妻怜央

長妻怜央

──ではバスケマンガのドラマ化なんかもいいかもしれませんね。

バスケマンガだと、「黒子のバスケ」は大好きです。もろに僕らの世代だったんですよね。「黒子のバスケ」なら断然、黄瀬です。下っ端感を出しておきながら「キセキの世代」のメンバーで、実はむちゃくちゃバスケが強いってカッコよくないですか? あと青峰もカッコいい。

──長妻さんは「ドラゴンボール」がお好きだと公言されてますが、ジャンプ系のマンガを数多く読んでいらっしゃるんですね。

そうですね。「僕のヒーローアカデミア」とか「鬼滅の刃」も好きです。読んでいると、デクや炭治郎もがんばってるんだから僕もがんばらなくちゃ!みたいに思っちゃいます。どの作品でも、強いキャラクターが好きっていうのは一貫してるかもしれないです。

──ちなみに「Sugar Sugar Honey」はコミックシーモアのオリジナル作品ですが、長妻さんは紙と電子書籍のどちら派ですか?

昔は紙でしたけど、最近は電子書籍が多いですね。僕自身、実はコミックシーモアユーザーでいろいろな作品を読んでますよ。

──では最後の質問となりますが、ドラマ「Sugar Sugar Honey」はこれからクライマックスを迎えます。改めて、本作の見どころを教えていただけますか?

画面の質感だったりカット割りだったり、どれも素晴らしいです。あとはやっぱり今作のもう1つの主役がスイーツ。とっても美味しそうに撮れているので、目で見て美味しく味わってください。マンガと一緒にドラマ版も楽しんでいただけたらと思います。

プロフィール

長妻怜央(ナガツマレオ)

1998年6月5日生まれ、茨城県出身。“バンド”と“ダンス”の2つのパフォーマンスを自由に行き来し、セルフプロデュースをするアーティスト・7ORDERのメンバーとして活動している。バンドにおけるポジションはキーボード。近年は俳優としても精力的に活動し、TVドラマ「その結婚、正気ですか?」「Sugar Sugar Honey」では主演を務めた。