仲間が集まるスピードが早い

──ほかの皆さんも、役作りに悩むことはありましたか？

金元　最初に監督が「亜美ちゃんは出てくるときに孤独を抱えてるけど……」っていろいろ説明をしてくださって、自信を持ってやってみてくださいと言われたので、「私はやる！とにかくこの10数分間はやるんだ！」とドーンと構えて挑みました。細かいところは意見をいただいて直したりもしましたけど、概ねそのままでしたね。

伊藤　大きなダメ出しっていうのは私も特になかったかな。私は初登場が5話とかだったので、初回収録から2カ月くらい空いたんですよ。みんなとの距離ができるのが嫌で、原作を何度も読み返したり、「私も戦士！」ってオレンジ色の洋服をやたら買っちゃったりして（笑）、つながりを求めてました。

佐藤　私も早く出たい気持ちでしたね。私は1、2話のアフレコを見学させていただいて、その後皆さんとご飯を食べたりもしたんですけど、「ここにいていいのかな」っていう気持ちがどうしてもありました。「この世界に自分が行くんだ……まだピンと来ないかも」と。早く一員になって、一緒に時を重ねたかったです。3話で登場できたときにようやく私がマーズを演じていいんだ、って安心しましたね。そこから一気に現実感が増しました。

三石　幼少時代に好きだった作品に出るとなったら、最初は鼻の穴が広がっちゃうのは仕方ないと思う。ただ、そこから作品に入って1戦士として演じていく声優魂を皆持っているから。最初は前（のアニメ）の声が聞こえてたりしたかもしれないけど、「Crystal」のキャラクターたちは誰も手をつけていない純白な戦士。背中を押すことはするけど、足を引っ張ることは絶対にしない。ドーンとやってくれるだろうなって、信じて待ってました。

──最初の頃の緊張も解けて、話数を重ねるごとにセーラーチームの結束も固くなってきましたか。

金元　集まるまでは寂しい思いもあったけど、5人でこうしているととても心強い感じがします。

三石　「Crystal」は原作通りなので仲間が増えるスピードが早いんだよね。前のアニメでは戦士同士の親密度が1話ずつ自然に積み重なっていく感覚だったけど、今回は約4倍の早さでクライマックスまで行っちゃうので、そこを埋めるのが我々の仕事だなあ……と。短いセリフにどれだけニュアンスを入れ込んでいけるかが、勝負だよね。……がんばりましょ。

金元・佐藤・小清水・伊藤　（深く頷く）

生まれ変わった本当の理由を探す

──いよいよ次回（「Act8. 美奈子」）でセーラーヴィーナスが本格登場して5人が揃い、これからより激しい戦いに突入していくと思います。最後にファンの皆さんに向けてひと言ずついただけますか。

小清水　5人揃うと、戦うシーンとかも「これぞセーラー戦士」っていう感じがより強調されてくるので、そこが見どころなんじゃないかなと個人的には思っています。全員が順番に変身していくのは本当にワクワクするので、ぜひ見てほしいです！

金元　美奈子ちゃんが私たちを導いてくれて、さらに賑やかで華やかな展開になっていくと思います。あと四天王も揃って登場したり、クイン・ベリル様がすごいセクシーだったり。大人になって、ベリル様のまもちゃんに対する思いとかに共感できるようになったんですよね。子どものときとは全然違う見方ができて面白いなって。でもやっぱりセーラームーンとまもちゃんを見ると、いつもキュンキュンするし。そんなふうにいろんな見方で楽しんでくれたら、と思います。

佐藤　ようやくセーラー戦士が5人揃って物語が動き始めます。純粋な少女らしい部分がいっぱいありつつも、恋模様がドキっとするほど大人っぽかったり……改めて触れてみて、そのバランスがとても魅力的だと思いました。これだけ皆が魅了されるのも今まで作ってくださったものがあってのことなので、それを引き継いで「Crystal」でできることをがんばりたいなと。皆さんにもそれぞれの視点で、この「セーラームーン」という世界を楽しんでもらえたらいいなと思っています。

伊藤　ずっと視聴者として観続けていた私も、ようやくこの戦士たちの一員として加わって、大きなものに立ち向かっていきます。自分も含め新しい戦士たちの魅力を、皆それぞれに詰め込んで出していっているつもりですので、そういうところも観て頂けたらうれしいです。

三石　これから怒涛のクライマックスに突入して、うさぎは自分がプリンセスだった過去のことを思い出します。相当酷い前世だったことを知って、生まれ変わった本当の理由を私たちは探す。「また同じことを繰り返すために生まれ変わったわけじゃない」という、希望というか、強さで、彼女たちは前に進んでいけるので、そこを大切にしながら皆で進んでいきたいと思います。1人じゃないので、心強いです。応援してください！