「オーバーロードIII」「幼女戦記」特集|丸山くがね×カルロ・ゼン対談 / 「オーバーロード」丸山くがね 幼女が主人公っておかしくないですか? / 「幼女戦記」カルロ・ゼン 骸骨が主人公っておかしくないですか? / 異世界転生のバトン繋ぐ、鬼才対談

「オーバーロード」アインズ・ウール・ゴウン、「幼女戦記」ターニャ・デグレチャフ 異世界だって上司はつらいよ!

「オーバーロード」は、ゲームのアバターである骸骨姿で異世界に転移してしまった主人公アインズ・ウール・ゴウン(モモンガ)の物語。一方「幼女戦記」では冷酷なサラリーマンが死んで女性に生まれ変わり、幼い身でありながら軍人として過酷な戦争に身を投じる様子が描かれている。

同じ異世界転生ものでも、全くタイプの異なる主人公像を打ち出したこの2作品。しかし実は、アインズはナザリック地下大墳墓の支配者、ターニャは帝国軍人で魔導大隊を率いる大隊長と、多くの部下を従える存在という共通点が2人には存在する。ここでは2人の上司・中間管理職という立場にスポットを当て、その苦労の一部を紹介しよう。

オーバーロード

「オーバーロード」主人公のアインズ・ウール・ゴウン。

STORY

仮想現実体感型オンラインゲーム「ユグドラシル」のサービス終了が迫り、そのヘビープレイヤーだったモモンガは、かつて仲間たちと一緒に作り上げた思い出のギルド「アインズ・ウール・ゴウン」の本拠地・ナザリック地下大墳墓で最後の時を待っていた。しかし予定された時刻になっても現実世界へとログアウトされず、それどころか彼は自分がいる場所がいつの間にかゲームの中ではない別の世界となっていることに気が付く。

ここは一体どこなのか、自分と同じようにゲームから転移してきた者がほかにもいるのではないかと考えを巡らすモモンガ。ギルドの名が広まれば、世界のどこかにいる「ユグドラシル」プレイヤーを探す手がかりになるのではないかと考えた彼は自身の名を「アインズ・ウール・ゴウン」と改め、配下の元NPC(ノンプレイヤーキャラクター)たちと暗躍を始める。

ここがつらいよ!アインズ様

部下からの過大評価がつらいよ!
アニメ「オーバーロードIII」第2話より。考えてもいなかった計画をデミウルゴスが「アインズ様のお考えだ」としゃべりだし、心の中で「えー!?」と驚愕するシーン。
ゲームプレイヤーとしての実力はあっても、現実の世界では冴えないサラリーマンでしかなかったアインズ。支配者としての振る舞いなど当然知らず、見よう見まねでそれっぽい言動をしてはいるものの、内心はいつか配下たちに失望されるのではないかとヒヤヒヤしている。そんな彼の心配をよそに「さすがアインズ様」と、勝手にアインズの行動を深読みして感心する配下たち。「さすが」と言われても、なんのことだかわからないアインズは「それは、あのアレのことか?」とごまかすが「はい、そのアレでございます」と返され「どれだよ!」と心の中で咆哮。優秀な部下たちがアインズの思惑をいい感じに想像して動き、そのおかげで作戦が大成功するというのが「オーバーロード」では定番のパターンとなっている。結果オーライとも言えるが、過剰なリスペクトにさらされ続けるアインズの心労はなかなかのものだろう。
モテモテでつらいよ!
アニメ「オーバーロード」第1話より。異世界転生したばかりのアインズは、自分のいる場所がゲーム内ではないことを確かめるため「ユグドラシル」では禁止されていたNPCへのセクハラ行為をアルベドに試す。愛するアインズにアルベドは喜んで身を差し出し、結果としてここがゲーム内ではないことが実証される。
ナザリックの各階層には強力な守護者が配備されており、その曲者ぞろいの階層守護者たちを統括しているのは妖艶な美女アルベド。彼女には制作者であるギルドメンバーの趣味で「ちなみにビッチである」というひどい設定が付けられていたのだが、その設定をモモンガはイタズラ心から「モモンガを愛している」と改変してしまう。そのせいで異世界転生後のアルベドは、アインズ(モモンガ)がいない間に彼のベッドに潜り込んで興奮したり、抱きまくらを作って一緒に寝たりと、愛情が暴走し奇行に走ることも。彼女から求愛を受けるたびアインズは、大切な仲間が考えたキャラクター設定を勝手に変更してしまったことに深い罪悪感を覚える。またゴスロリ吸血鬼・シャルティアもアインズを思う気持ちはアルベドに負けず劣らずで、2人が修羅場を繰り広げることもしばしば。いつの世もできる男はモテるものだが、重すぎる愛を受け止めるのもなかなか大変だ。

幼女戦記

「幼女戦記」主人公のターニャ・デグレチャフ。

STORY

エリートサラリーマンの主人公は、リストラ勧告をした社員の逆恨みに合い駅のホームから突き落とされ死亡してしまう。そんな目にあっても悔い改めようとしない男を反省させるべく、創造主(存在X)は戦争が激化しつつある異世界の帝国に彼を幼女として転生させる。そうして幼女ターニャ・デグレチャフに生まれ変わった主人公は、魔導の才能を見出されて軍人に。ライン戦線での活躍から「ラインの悪魔」と敵国からは恐れられ、国内では英雄として扱われる存在になっていく。

ここがつらいよ!ターニャちゃん

上司からの過大評価がつらいよ!
アニメ「幼女戦記」第4話より。上官から責任重大な任務を与えられ、大役を仰せつかった軍人として口では「我が世の春ですね」と喜ぶフリをするが、心の中では「どうしてこうなった!!」とターニャが焦るシーン。
そもそもターニャが軍人になったのは、孤児院での貧しい暮らしから抜け出すため。志願兵として軍に入ればキャリアコースが望め、安全な後方勤務に就くことができるのではないかという思惑があってのことだった。しかし出世のため理想的な軍人を演じるあまり、その優秀さからか最前線へと送られる最悪の結果になってしまう。ターニャが保身のため起こす行動は必ず裏目に出て「どうしてこうなった!!」とオチがつくのが定番のパターンとなっている。
みんなのやる気がつらいよ!
アニメ「幼女戦記」第5話より。優秀な副官ヴィーシャのおかげで編成が完了した第二〇三航空魔導大隊に、初の出動を命じるシーン。
日々変化する戦況に即時対応できる新しい魔導大隊の編成を上から任されたターニャ。大隊を率いるなど前線に立つ以上のリスクを背負いたくない彼女は「こうなったら少しでも選抜に時間をかけ、出動の機会を引き延ばすほかあるまい……!」と、誰も応募をしてこないようブラック企業もびっくりなひどい待遇の求人広告を作る。しかし意欲溢れる帝国軍人たちは名誉のためならば報酬など二の次と、こぞって入隊希望の願書を持ってきてしまい絶望。チェックしきれない願書の山を前に今度は「人手不足を理由に時間稼ぎを」と考えるが、副官としてやってきたヴィーシャの手伝いであっという間に仕事は進んでしまい「有能すぎる副官も問題だな」と顔をしかめる。安寧を求めるターニャには、愛国心溢れる軍人たちの行動は理解に苦しむことばかりだ。
TVアニメ「オーバーロードIII」

Blu-ray / DVDを全3巻にて発売。Vol.1は、2018年10月24日にリリース。キャラクター原案・so-binが描く美麗なイラストをあしらった全巻収納BOXと三方背ケースに、ドラマCD、サウンドトラックCD、作中の設定を網羅した設定資料集などを各巻に封入した豪華初回特典仕様になっている。毎回特典にはスタッフやキャストたちのオーディオコメンタリー、ちびキャラアニメ「ぷれぷれぷれあです3」などを収録。各巻に原作者・丸山くがねの新規書き下ろし小説が丸々1冊もらえる全巻購入特典応募券が封入される。

Blu-ray / DVD「オーバーロードIII①」
2018年10月24日発売 / KADOKAWA
「オーバーロードIII」

Blu-ray
14040円 / ZMXZ-12441

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DVD
11880円 / ZMBZ-12451

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「幼女戦記」劇場版

「幼女戦記」劇場版新作アニメが制作決定!
親愛なる同志諸君、再び戦争の時間だ──。

Blu-ray / DVD「幼女戦記①」
発売中 / KADOKAWA
「幼女戦記」

Blu-ray
14040円 / ZMXZ-10981

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DVD
11880円 / ZMBZ-10991

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丸山くがね(マルヤマクガネ)
丸山くがね
2010年に「オーバーロード」を小説投稿サイトに投稿。書籍1巻が2012年にエンターブレイン(現KADOKAWA)より刊行。同作は2015年7月にアニメ第1期の放送が始まり、現在第3期が放送中。
カルロ・ゼン
カルロ・ゼン
2011年に「幼女戦記」を小説投稿サイトに投稿。 書籍第1巻が2013年にエンターブレイン(現KADOKAWA)より刊行。同作のアニメが2016年1月から3月にかけてテレビ放送され、2019年には完全新作の劇場版アニメが公開予定。

©丸山くがね・KADOKAWA刊/オーバーロード3製作委員会
©カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/劇場版幼女戦記製作委員会