「オーバーロードIII」「幼女戦記」特集|丸山くがね×カルロ・ゼン対談 / 「オーバーロード」丸山くがね 幼女が主人公っておかしくないですか? / 「幼女戦記」カルロ・ゼン 骸骨が主人公っておかしくないですか? / 異世界転生のバトン繋ぐ、鬼才対談

リザードマンの交尾に唖然としてこそ「オーバーロード」(丸山)

──それぞれのアニメについて伺います。ご自身の作品がアニメ化された際の印象は?

丸山 アニメはアニメ、書籍は書籍だから(笑)。

カルロ 何か語りたくない事情でもあるんですか?(笑)

丸山 そんなことはない(笑)。アニメのおかげで書籍がこれだけ売れたんだから感謝しています。

カルロ 僕は最初、やっぱり動いたことに感動しました。アニメだから当たり前なんですけど。

──おふたりは原作者として、どの程度アニメ化に関わっているのでしょうか。

丸山 アニメはアニメ、書籍は書籍という覚悟で、好きにやってほしいと思ってこれまでやってきていますから。

アニメ「オーバーロードII」より、蜥蜴人(リザードマン)の女性クルシュ。第5話では交尾シーンが描かれ、それを覗き見てしまったアインズは頭を抱える。

カルロ アニメ化にあたっての原作者のスタンスは難しいですよね。前のめりになりすぎてバランスが崩れる人もいますし。あと小説の場合はどうやったって自分が書きますけど、アニメで他人に任せるとなると何をどう言えばいいのかわからなくなりますよ。脚本家だけでなく監督やプロデューサーの意見もあるわけだし。それだけ多くの人が関わる現場で、「オーバーロード」はよくリザードマンの交尾を見てアインズが唖然とするシーンをやったなと思います(笑)。

丸山 重要なことでしょ。あれがあるからこそ「オーバーロード」。あそこを入れなきゃ「オーバーロード」じゃない。

──サービスシーンと言えば「III」第1話はお風呂回でしたしね。

「オーバーロードIII」第1話では、アインズがスライム風呂を楽しむ様子が丹念に描かれる。
「オーバーロードIII」第1話より、アインズのお風呂シーン。

丸山 お風呂回はストーリーの途中で入れると話がごっちゃになるから、第1話に入ったんだけど。アニメはやっぱりお風呂回が必要だよね。

カルロ 僕もTVアニメの11話に水着回を入れられましたよ。

丸山 水着回も必要だよね。俺も1回ぐらい「オーバーロード」の水着回を観てみたいんだよ。

カルロ まず自分で書きましょうよ。

丸山 やだ! それを書くとまたページ増えるから(笑)。

──そこで特典小説じゃないですか。

丸山 それだ! アインズの水着かあ。

カルロ アインズ様は骨だから着なくて大丈夫でしょう(笑)。そう言えばアニメだとアインズって少しがっちりしている印象があります。もっと骨骨しい印象だったので意外でした。

丸山 あれ以上線を増やしたらアニメの制作現場が死んじゃうので(笑)。so-binさんの絵を完全に動かすことは誰にもできないんです。

言葉のやり取りは、勘違いが起こるから面白い(カルロ)

──アニメだと声優さんの演技も重要になりますよね。

丸山 アニメに出る声優さんってある種ピラミッドの頂点にいる人間たちだからまさにプロだよね。音響監督さんとか監督さんの指示にもすぐに応えられて。すごいよねぇ。

カルロ 人の言わんとする意図を察せるし、それに対応するための引き出しがものすごく多い。声優さんたちの演技の濃淡の切り替えのうまさには感動しました。

──個人的にはアニメだと「オーバーロード」も「幼女戦記」もコミカルな印象を強く感じました。特にアインズは意図してないことが部下に勝手にフォローされるし、ターニャも言ったことがよく逆に取られる。そういった勘違いから話が転がるところが共通していますよね。

アニメ「オーバーロードIII」第2話より。配下の悪魔デミウルゴスが「ナザリック地下大墳墓という国を作りあげることを提案いたします」とアインズに大胆な計画を提案するシーン。これにはアインズも驚くが、デミウルゴスは「念のため説明しておくが、すべては当初からアインズ様がお考えになられていたことだよ」とみんなに説明。まったくそんなことを考えていなかったアインズは、動揺を隠そうと必死になる。

丸山 我々がそういう“勘違い系”が好きだからですね。

カルロ 言葉のやり取りは、その辺りが面白いじゃないですか。現実世界でも笑える勘違いってたくさん起きていますし。アメリカ海軍が戦場にいる部隊に「あなたは今どこにいる?」って聞いたら、それを挑発だと思って提督が暴走して敵に突っ込むとか、そういった話が結構あって。「お前ら馬鹿だな、かわいいな」と思いますよ。

TVアニメ「オーバーロードIII」

Blu-ray / DVDを全3巻にて発売。Vol.1は、2018年10月24日にリリース。キャラクター原案・so-binが描く美麗なイラストをあしらった全巻収納BOXと三方背ケースに、ドラマCD、サウンドトラックCD、作中の設定を網羅した設定資料集などを各巻に封入した豪華初回特典仕様になっている。毎回特典にはスタッフやキャストたちのオーディオコメンタリー、ちびキャラアニメ「ぷれぷれぷれあです3」などを収録。各巻に原作者・丸山くがねの新規書き下ろし小説が丸々1冊もらえる全巻購入特典応募券が封入される。

Blu-ray / DVD「オーバーロードIII①」
2018年10月24日発売 / KADOKAWA
「オーバーロードIII」

Blu-ray
14040円 / ZMXZ-12441

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DVD
11880円 / ZMBZ-12451

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「幼女戦記」劇場版

「幼女戦記」劇場版新作アニメが制作決定!
親愛なる同志諸君、再び戦争の時間だ──。

Blu-ray / DVD「幼女戦記①」
発売中 / KADOKAWA
「幼女戦記」

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DVD
11880円 / ZMBZ-10991

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丸山くがね(マルヤマクガネ)
丸山くがね
2010年に「オーバーロード」を小説投稿サイトに投稿。書籍1巻が2012年にエンターブレイン(現KADOKAWA)より刊行。同作は2015年7月にアニメ第1期の放送が始まり、現在第3期が放送中。
カルロ・ゼン
カルロ・ゼン
2011年に「幼女戦記」を小説投稿サイトに投稿。 書籍第1巻が2013年にエンターブレイン(現KADOKAWA)より刊行。同作のアニメが2016年1月から3月にかけてテレビ放送され、2019年には完全新作の劇場版アニメが公開予定。

©丸山くがね・KADOKAWA刊/オーバーロード3製作委員会
©カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/劇場版幼女戦記製作委員会