福山潤×内田雄馬|楽しいことはやってみたい!“霧ヶ峰の中”で実写作品初の共演を果たした2人、ハイテンションな舞台裏とお互いの存在を語る

内田雄馬(ガーくん役)インタビュー

全身ピンクの衣装を着こなした潤さんが、そこにいました

──完成したムービーはご覧になりましたか?

観させていただきました! もう本当にすごいなと。素晴らしい出来栄えでした。オファーをいただいたときは、コンセプトやざっくりとした内容を聞いて「けっこうコメディ系なんだな、面白そうだな」って思っていたんです。撮影当日を迎えて、まず衣装合わせをしてもらったときに「これ、絶対自分では選ばないだろうな……」っていう全身オレンジのファンキーな衣装が出てきたので、「ほかの皆さんはどうなるんだろう」と気になって。お隣の潤さんの楽屋に挨拶に行ったら、さらにインパクトのある衣装を着こなした潤さんがいたので、すごく面白かったのを覚えています(笑)。

霧ヶ峰のWebムービー「あなたを見守る篇」より。

──全身ピンクってかなり人を選びそうな衣装ですけど、福山さんは似合っていますよね。

そうなんですよ、似合ってるんですよ! こんなにパンチがある衣装なのに似合うっていうのは、さすが潤さんだなと思いました。

──実写映像、しかも霧ヶ峰のWebムービーへの出演が決まったときはどう思われましたか?

当日こそ「大丈夫かな」って不安はあったんですけど、それまでは意外と「えー! 面白そうですね!」「やらせていただけるんだったらぜひやりたいです!」っていう感じでした。やったことないものにチャレンジできるっていうのはすごく好きなので、収録も楽しみにしていたんです。ただ、やっぱり当日になると緊張しました(笑)。始まるまでは不安が大きかったですけど、始まってしまえば楽しく収録できましたね。

──実写作品へのご出演は初めてとのことでしたが、難しく感じませんでしたか?

内田雄馬

「どうしよう、どうしよう」っていう気持ちはすごくありました。アニメのアフレコと違うのは、セリフがないときでも役として自分自身が映り込んでいるんですよね。それはすごく新鮮でした。声優のお仕事をしているときはロジカルに考えようとしていたところがあるんですが、今回はもう少し感覚的に、「右のモニターを見て、次は左のモニターを見て、じゃあ次はこの仕事をするか」みたいな、流れに乗ってやっていった感覚がありました。

「あいつらがいるんだな」と思ったらエアコンが愛おしくなってくる

──ガーくんというキャラクターについて、スタッフの方々から細かい指示などはあったのでしょうか。

現場で説明していただいたんですが、ものすごく細かい指示とかはなかったですね。なのでいただいた設定資料を見ながら、自分で膨らましていった感じです。収録はホントに楽しかったです。セリフはずっとキリさんがしゃべっていたので、その分僕は体を使ってお芝居をして。いろんなところのスイッチを押す演技をしてみたんですけど、完成した映像を観たらちゃんとCGでエフェクトがかかっていて、「ガーくんがちゃんと仕事しておる!」ってうれしくなりました(笑)。

──福山さん演じる司令係のキリさん、内田さん演じる監視係のガーくん、才勝さん演じる冷静な操作係のミネさんという3人がエアコンの中で私たちを見守っているという世界観も面白いですよね。

才勝演じる操作係のミネさん。

みんなで補い合ってバランスをとっているんだろうなっていう感じが、この3人にはありますよね。才勝さんが演じる優しそうなミネさんが僕はたまらなく好きで。この優しさが、きっと尖った司令官のキリさんをいつもいい感じに支えてるんだろうなって想像したりして(笑)。なんだかかわいいですよね。「あいつらがいるんだな」と思ったらエアコンが愛おしくなってきます(笑)。でも、これって実際めちゃめちゃすごいことをしてると思うんですよね。だって少し先の未来を予測して、それに合わせて最適な運転モードと気流に自動で切り替えてくれるって、「えっ、どういうこと?」って。まあ、あの3人ががんばって仕事をしてくれてるからなんですが(笑)。

──本当に便利な機能だと思います。

今みたいな季節の変わり目のときとかいいですよね。潤さんとも「あれホント便利だよね」って話をしていました。自分でも欲しいなと思いましたけど、実家に買ってあげたいなって思いました。

台本が手元にないというドキドキ感

──アニメのアフレコで声のお仕事をされるのと、カメラの前でお芝居されるのとでは、現場の雰囲気にも違いを感じましたか?

僕は今回緊張しっぱなしだったので、そういう意味では普段の現場とはまた違う緊張感がありました。まず手元に台本がないっていうことに最初はドキドキしていましたね。声優の現場だと常に手元に台本があって、ト書きを確認しながら映像を想像して作り上げていくので、そこがまず違うなと。逆に言えば今回のような実写映像では周りのセットがそのままその作品の世界になっているので、入り込みやすい環境だったと思います。あとは声優のお仕事だと1つひとつのセリフをしっかり暗記していくってことはあまりないので、「台本を覚えるぞ」っていう緊張感はあった気がしますね。

内田雄馬

──なるほど。現場に入るまでの意識も少し変わってきそうです。

あとは、できあがったものを観ても感じたんですが、自分の声を聴くことはあっても演技をしている姿を見る機会はそんなになかったので、不思議と自分を見ている感じがしないんですよ。なので「あっ、これ俺か」みたいな(笑)。ちょっと不思議な感覚がありましたね。

──近年は特に、声優さんが声のみのお仕事に限らず、さまざまな場でご活躍されている印象です。

普段のアフレコも今回のような実写のお仕事も、やっていることとしては同じお芝居なので、こういう機会をいただけたのはすごくうれしいことだなって思います。声優は声のお芝居に特化していて、役者さんは体を使って表現することに特化していて。今回は俳優の才勝さんとも共演させていただきましたが、声優も俳優もお芝居でつながっていると思うので、またいろんな形のお芝居にチャレンジしていける機会があったらすごくいいなと、内田的には思いました。

──こういった実写のお仕事も、今後もチャレンジしていきたいですか?

そうですね……そういった機会をいただけるかはわからないですが、まずは声のほうをもっとがんばらなきゃいけないという思いもあります。ただ、この収録はめちゃめちゃ楽しかったので、またムービーの続きを作っていただけたらうれしいですね。例えば3人の日常を描いたミニドラマとか。「もしもこんな家に3人がいたら……」とか(笑)。そんな感じで続いていったらいいなと思います。