必殺技をどれだけカッコよく言ってくれるかを重視（髙橋）

──メインキャストはフレッシュな人が並びました。空詠さんは人選に関わられましたか？

空詠　一応、オーディションで録音した声は聞きました。でも、あまりに多すぎて「自分じゃ声の違いが全然わかんないよ！」となって（笑）。なので監督さんたちにお任せして、自分はほとんどノータッチでした。

──「競女!!!!!!!!」の場合、必然的にメインキャストは関西弁になります。その点も考慮されたのでしょうか。

髙橋　いえ、関西弁の部分も考慮すると選択肢が狭まりますし、それよりは必殺技をどれだけカッコよく言ってくれるかを重視しました。のぞみ役のLynnさんは関西出身ではありませんしね。でもLynnさんの声は聞いた時に「あ、これはのぞみだ」とピンときて。それにオーディション時は少し関西弁が拙い感じでしたけど、1話のアフレコ時は「ちょっとそれ、行き過ぎ」と思っちゃうくらいに関西弁が達者になっていて。ものすごい努力されたんだと思います。

──ほかの方を決められたポイントは？

髙橋　M・A・Oさんは、どことなくプライドがあるような声に感じられたので、「ああ、もうさやかだなあ」と。LynnさんとM・A・Oさんはバシッと決まりました。そこから何人かの候補の中から、バランスを見て青葉役の本渡さんとのん役の大西さんが決まったという流れです。

空詠　青葉やのんの方言って大変じゃないですか？ あれ、自分でも「この人、何を言ってるんだろう」「この方言で合ってるのかな」と思いながら描いていたんですけど。

髙橋　そこはシリーズ構成の加戸誉夫さんが、アフレコ前にいろいろとリサーチして「こういう感じでしゃべるとそれっぽく聞こえるよ」とアドバイスしてくれました。各キャラクターの地元の方が聞くと少し違和感があるかもしれませんが、ノリでカバーできる範囲になったと思います。

空詠　（山村響演じる）日下生さんのカタコト英語も難しいですよね。

髙橋　ですね（笑）。語尾にリズムを付けたら、帰国子女っぽく見えるんじゃないかみたいなアドバイスをしてしゃべってもらいました。

尻を一所懸命に描いている（髙橋）

──第1話で特に印象に残ったシーンはありますか？ 先ほど空詠さんは青葉が横にずれるシーンが好きとおっしゃっていましたが。

空詠　あとは河合が脳震盪を起こすシーンが、観ていて「うわ、痛ってー！」って。「あれ、自分のマンガ、こんなに痛そうに描いてたっけ？」と思いましたよ。すごく脳裏に焼き付く映像で、強く印象に残っています。完全にもう悪役みたいな顔になっていますし（笑）。

髙橋　ありがとうございます。自分は、のぞみと花火が戦うところで大島優子の「河合の尻が神無の顎に！」ってセリフがありますが、それがすごく「競女!!!!!!!!」っぽいなと思っていて。あのシーンはすごく印象に残っていますね。

空詠　あれはまじめに言ってるんですよ。

髙橋　そうなんですよ。そこがすごく面白いです。

──それでは最後に、アニメ「競女!!!!!!!!」の「ここを観ろ！」という部分を教えてください。

髙橋　尻を観てください（笑）。本当に、尻を一所懸命に描いているのでぜひじっくり観てください。ちゃんとキャラクターによって描き分けもして……宮田が小さく、のんが一番大きくて、のぞみと青葉はのぞみのほうがちょっと大きく、と、そんなイメージが伝わるようキャラクターデザイナーさんにもお願いしましたし。

空詠　僕はほとんどノータッチなので、一視聴者として楽しみにしています。ただ1話を観た感じでは、少なくとも女の子はかなりかわいいし、アクションもド派手になっているので、そこは楽しみにしてほしいですね。

髙橋　あとは気が早いですが、2期があるとうれしいなあって（笑）。続編を早くやりたいんですよ。とにかく熱い話が多いので、ぜひアニメでやりたいですね。