長嶝さんは顔で閻魔大王役に選ばれたという説が濃厚（遊佐）

──長嶝さんが閻魔大王様に似ていらっしゃることはファンの間でもたびたび話題にあがっていましたが、実際にお会いしてみると本当に雰囲気までも似ていますね（笑）。

長嶝高士　またまたそんなご冗談を！

安元洋貴　そっくりですよね（笑）。

遊佐浩二　もちろん長嶝さんの演技力の高さが前提にあるんですが、我々の間では顔で選ばれたという説が濃厚です（笑）。

安元　いわゆる顔キャスと言われるケースですね（笑）。パフォーマンスでのキャスティングでも顔キャスでも、どっちにしろ長嶝さんになると思います。

──オーディションを受けられたんですか？

長嶝　俺？ 受けてないよ。

遊佐　我々はやりましたよ（笑）。

安元　はい。

長嶝　あれ、申し訳ない！（笑） 俺、事務所からいきなり「閻魔役やってくれる？」って電話があって。「うんやるよ。俺がんばって怖い役やるよ」って言ったらさ……。

遊佐　怖いところがまったくない閻魔さまだった。

長嶝　そうそう。閻魔大王って恐ろしいイメージがあるし、タイトルも「鬼灯の冷徹」でちょっと怖そうだし、「酒を飲んで声を枯らさないといけないな」なんていろいろ考えてたんだけどさ。原作マンガを読んだら閻魔大王が「鬼灯くーん」って。

安元　「あれ、思ってたのと違うな」ってなりました？（笑）

長嶝　うん。どういうテイストの作品か現場に入らないとわからないこともあるから、第壱期の最初のほうはもう体ひとつで体当たりする気持ちでした。

江口先生が作ってくださった世界は楽しい（安元）

──2014年に放送された第壱期から現在放送中の第弐期まで約3年半の月日が流れましたが、原作マンガの単行本17巻から19巻の限定版にオリジナルアニメDVDが付いたり、全国各地でイベントが開催されたりと、頻繁に皆さんの出番がありましたね。

安元　本当にありがたいです。

遊佐　そうですね。六本木のイベント（3月に開催された「地獄の大鑑賞会 in 六本木」）にも、第壱期のオンエアからずいぶん時間が経っているのにたくさんの方が駆けつけてくださって。

──そのイベントで第弐期の制作が発表されました。

遊佐　僕ら自身も第弐期ができたらなと思っていましたし、スタッフさんからもそういう熱意を感じていたので期待していたんです。

安元　はい。僕たちも好きなアニメだったから第弐期をやりたいという気持ちが強くて。僕たちだけじゃなくて、イベントに来てくれた皆さんも同じ気持ちでいてくれたのが、リアクションでわかったのでありがたかったです。

遊佐　そうですね、ファンの皆さんがすごく喜んでくださってるのが伝わってきて、うれしい思いでいっぱいでした（参照：アニメ「鬼灯の冷徹」2期決定を安元洋貴や遊佐浩二がファンと喜び合う）。

──アニメ「鬼灯の冷徹」が愛されている理由はどこにあると思いますか？

安元　まず原作が面白いんですよね。僕はアニメのオーディションの話をいただく前から普通に原作を読んでいて、純粋に江口先生が作ってくださった世界は楽しいなと思っていました。マンガが面白いから、キャストもスタッフもいいアニメを作りたいと思うし、それを観たファンも面白いって思ってくださって……というふうに、歯車がいい噛み合い方をしてるんじゃないかな。

遊佐　やっぱり原作に対してリスペクトがありますよね。本当にシニカルなお話なんですけど、深いところは深いし、でもとっつきやすいんですよ。1話完結だったり、Aパートだけ、もしくはBパートだけ観ても楽しめたりする気楽さも持ちながら、ちょっとニヤッとしちゃうような要素や考えさせられるような面もあったり。

長嶝　話が奇想天外ですよね。東洋の閻魔大王と西洋のサタンが会うなんて（笑）。なかなか考え付かない。こういう発想の面白さが皆さんの心を射止めて、あんな六本木の大きい会場で第弐期の発表までやらせてもらって、人がいっぱい来てくれて。感謝感激です。改めて、この作品のパワーとファンの方の多さを今回のイベントで実感しました。なんか俺たち、いつもスタジオにいるだけだからね（笑）。

安元　ちょ、そんなバカな！ この数年で何回もイベントしましたよ！（笑）

遊佐　長嶝さん、「アニサマ（Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-）」にも出たでしょ（笑）。

長嶝　ああ、そうだった。あのとき痛風が発症して大変でしたよ……。あんな広いところ（さいたまスーパーアリーナ）でやるから動き回るのが大変で……。

安元　ずっと「イテ！イテ！イテ！」っておっしゃってましたね（笑）。