誠実に役と向き合っていこうと思います（杉田）

──アニメの見どころを教えていただけますでしょうか。

杉田　ドラマCDには登場しなかった千秋先輩や奏のお父さん。アニメになって初めてしゃべる登場人物です。

櫻井　そうだね。

杉田　あとナレーションです。

──大塚明夫さんのナレーション、楽しみです。

櫻井　作品に謎の高級感が漂ってます（笑）。それに原作ファンの皆さんは、動く彼らを見るのが楽しみでしょうし。自分の好きなシーンがアニメーションになるって、それだけでうれしいじゃないですか。

──はい。

櫻井　杉田くんも繰り返し言ってますけど、アニメから入る方は見てくれの設定だけじゃなくて、内容をじっくり観てもらえるとうれしいですね。ピンポンダッシュみたいな見方ではなくて（笑）。

杉田　はい。

──女性キャラクターも、すごくかわいい子たちが多いですよね。

櫻井　そうだね！ 堀江由衣さんの夏歩の、あの愛らしさはなんだろう。

杉田　子供のような、絶妙な声色が出てくるんですよ。あれも本当に謎です。わかりません。良さの説明がつかないんですよね。たぶんなんの計算もないと思う。堀江さんは「そんなことない！」って怒りそうですけど（笑）。「ちゃんとやってるよー！」って。

櫻井　「考えてやってるよー！」って（笑）。

杉田　それも含めて魅力かなと。

櫻井　ホントそう。

杉田　「ドラ○もん」で例えたら、ドラ○もんが奏やギンや十六の集合体で、の○太くんが夏歩ちゃんです。タイトルは「ドラ○もん」だけど、本編はの○太くんの成長の話です。物語の主人公は彼女です。

櫻井　ホント、そうなんですよ。奏たちの前に夏歩という女の子が現れたことによってドラマが起こるという話なので。奏とギンと十六に視点がいきがちですけど、夏歩の存在が大きいと思っています。

杉田　子供の視点から大人ってなんだろうって質問に対して、これから大人になろうと一歩を踏み出そうとしている夏歩が答えられなくて苦しむって姿が基本にあります。

櫻井　ですね。夏歩も引っ越してきたばかりで、まだ馴染んでないし、戸惑ったり、迷ったり。夏歩はモノローグが結構あるんですよ。彼女の心情は観てる人にも伝わるんですけど、5年生たちにはモノローグがないんです。

──奏たちは何を考えているかわからないんですね。

櫻井　そう。実際、子供って何考えてるかわかんなかったりするじゃないですか。でも奏の心情をあまり茶化すような感じでやりたくないなと思っています。子供はバカじゃないので。大人よりよっぽど賢いな、正しいなって思う瞬間がたくさんある。だからそういう生っぽさは活かしていきたいです。

杉田　本当につらいことから目を背けてしまう瞬間があるんです。でもこの子たちは全く目を背けていないので、そこが好きなところです。演じる側が逃げてしまってはどうにもならないので。誠実に役と向き合っていこうと思います。メインキャラを演じているのは皆大人なので。

櫻井　以下同文！