「劇場版」「総集編」でもファンを楽しませてきた「ガールズ&パンツァー」シリーズの4D上映が、10月11日からついに「ガールズ&パンツァー 最終章」でも実施される。今回の上映では4D演出を水島努監督が自ら監修。BC自由学園、知波単学園との戦いが描かれた第1話・第2話をまとめて劇場で体感することができる。
4D上映の実施を記念した連載特集の第3回となる今回は、大洗女子学園から西住みほ役の渕上舞、河嶋桃役の植田佳奈、さらに彼女らと激闘を繰り広げるBC自由学園、知波単学園からマリー役の原由実と西絹代役の瀬戸麻沙美の隊長2人が登場。アフレコの秘話を交えながら「最終章」を振り返ってもらうとともに、物語の結末を大胆に予想してもらった。
取材・文 / はるのおと 撮影 / 星野耕作
「第3話」公開までに大洗に連れて行って
──前回、脚本家の吉田玲子さんにインタビューした際に「声優さんは大人数でのアフレコが大変そう」という話がありました。現場を振り返ってみていかがですか?
渕上舞 演じる側としては、それほど大変ではないです。
植田佳奈 大洗女子学園のメンバーはTVアニメの頃から人数が多かったし、そこから徐々に増えていっているから慣らされている感はありますね。
渕上 私たちよりスタッフさんのほうが大変そうです。録音スタッフは誰がどの順番に録音するかとか間違えないよう把握しておかないといけないし、演出する方も全体の設計図がわかっていないとお芝居の指導はできないだろうし。本当にすごい技術力を持ったスタッフさんが集まっているんだなと感じます。
──「劇場版」や「最終章」から参加されたおふたりはいかがでしょう?
原由実 「ガルパン」ってシーンを細かく分けてブースを入れ替わりながら収録するんですよ。そのときは「やっぱり人数が多いんだな」と実感しました。あとBC自由学園メンバーで「たまねぎの歌」を歌うときに、ヘッドホンが足りなくって。だからヘッドホンを付けていない人もリズムが狂わないよう、私が指揮をしたんですよ。指揮とか全然したことないし、どちらかと言うとリズム感もないのに(笑)。
──そんなことがあったんですね。大洗女子学園のキャストは瀬戸さんや原さんのような声優さんが新たに加わる際に、フレッシュに感じることもあるのでしょうか?
渕上 いえ、新人さんではなくほかの現場でもよくお会いする方が加わることが多いので、「フレッシュだな」というより「この方が『ガルパン』ファミリーに入ってくれるんだな」という喜びのほうが大きいです。
植田 フレッシュさという意味では、TVアニメ第1話のときのほうが強かったかもしれないです。あのとき「ガルパン」が初めてのアフレコ現場という人が7、8人はいましたから。
──なるほど。ただ「ガルパン」の場合、アフレコ以外にも「ガルパン」ならではのお仕事で新鮮な体験をすることも多そうです。例えば大洗のイベントへの出演とか。
瀬戸麻沙美 私は行ったことないです。原さんは行きました?
原 行きました。
瀬戸 いーな! イベントではどんなことされるんですか?
渕上 作品の話や大洗の話がメインで、あとは大洗大使の蝶野正洋さんが紹介してくれた名産品を食べたり。
植田 あんこうが食べられたり。
渕上 タイミングがよければあんこうと一緒に写真も撮れます!
瀬戸 私もぜひ大洗のイベントに出演したいです。魚を捌く動画がすごく好きなので、目の前であんこうを捌くところを見てみたいです。
──(笑)。西絹代役だと、次の「第3話」が公開されるタイミングとかで呼ばれるんでしょうか。
瀬戸 確かにチャンスがあるとすれば「第3話」でしょうね、そこが西のラストだと思うので。
一同 えー!
瀬戸 大洗女子学園には絶対勝てない(笑)。知波単学園も「第3話」でさらに新たな一面を見せてくれるはずですけど、惜しくも敗退するでしょう。だから「第3話」公開までに、ぜひ私に大洗に行かせてください。お願いします!
“日本人には難しい発音”混じりの「たまねぎの歌」
──ここからは「最終章」の各校について振り返ります。まずBC自由学園との戦いってどう見られました?
植田 BC自由学園は本当に強豪だったイメージです。仲が悪いふりをして騙されたという1件もさることながら、最後に押田と安藤とマリーの3輌しか残ってないのに反撃してくるじゃないですか。あの瞬間は観ていて滅茶苦茶しびれましたね。
原 やっぱりあそこがマリーの見せ場ですね。負け方も見事ですが、戦闘シーンの迫力がすごかった。劇場で観ているときは自分が本当に戦車に乗っているような臨場感がありました。
──ただそのシーン、声優さんはしゃべらないんですよね。
一同 (笑)。
原 確かにそうですね、「ん!」とかそういった言葉も入れていないから、完全に映像と音で見せるシーンです。だから私たちとしての見せ場としては歌のシーンでしょうか。
──先ほども話に出た、試合中に歌う「たまねぎの歌」ですね。
原 歌って大体最後に録るんですけど、押田役の安済知佳さんと安藤役の津田美波さんと3人してすごく不安がりながらセリフの収録が進んでいきました。
瀬戸 わかります。知波単学園のメンバーも「知波単のラバさん」を歌ったけど、リズムが独特だったのもあって不安でした。でもBC自由学園がフランス語で歌ってることを考えると、日本語で歌う私たちが大変だなんて言ってられない(笑)。
原 確かにフランス語は大変でした。ネイティブの先生がきちんと指導してくださったものの、「これは日本人には難しい発音なんです」なんて言われることもたくさんあって。だからお馴染みのメロディで、みんなで歌うことになるサビに入るととても安心しました。
──素朴な疑問なのですが、劇中でマリーはやたらとお菓子を食べます。原さんはなぜ彼女があんなに食べると解釈されますか?
原 もともとスイーツが好きなのもあるけど、マリーは第2話で優雅な動きを見せる通り身体能力が高いし、リーダーだから頭も使う。だからエネルギーを蓄えるために食べているのかなと勝手に妄想します。でもほかのキャラクターと比べると太ももに少し肉付きを感じるので、エネルギーを消費しきれてないかもしれませんね(笑)。
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福田と西のやり取りに感じる知波単学園の校風