「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」男性・女性・異世界部門賞の受賞作6タイトルを担当編集者がプレゼン (2/3)

女性部門賞

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」
漫画:晴田巡/原作:荒瀬ヤヒロ
一迅社

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」漫画:晴田巡/原作:荒瀬ヤヒロ

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」漫画:晴田巡/原作:荒瀬ヤヒロ

伯爵令嬢のニコルは、婚約者のケイオスにいつも放置されていた。彼はニコルよりも、幼なじみのキャロライン王女を優先するのだ。最初は悲しみ、ケイオスを責めることもあったニコルだが、やがて「向こうが好きにしているなら、こっちも自由にすればいい!」と開き直る。自由気ままなおひとり様ライフを楽しむようになるが、本当はケイオスもニコルのことを大事に思っていて……。両片思いをこじらせてしまった2人のドタバタすれ違いラブコメだ。

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担当編集者・矢田部未来氏(comic LAKE編集部)コメント

Q. 受賞した感想をお聞かせください。

「おひ慣れ」は、本作に出会ってくださった読者さんの背中を、そっと押せる物語であってほしいと考えています。
今回エントリーいただき、さらに女性部門の受賞という形で評価していただけたことは、作品が多くの方のもとに届き、何かしらの励みになれている証のように感じられ、とてもうれしく思っています。

結果発表までの期間は、先生方と毎日そわそわドキドキしながら過ごしていましたので、ご連絡をいただいた瞬間は、喜びが一気に込み上げてきました……!
また、作画の晴田先生は、日頃から原作の荒瀬先生や担当編集である私を楽しませよう、喜ばせようと作品に向き合ってくださる方で、その晴田先生が真っ先に「うれしい! よかった!」と声を上げてくださったことが、何より印象に残っています。

この受賞をきっかけに、「おひ慣れ」がさらに多くの読者の方の人生の一場面に寄り添える作品になれば幸いです。

Q. 「電子コミック大賞」にどういった印象を持っていますか?

電子コミック大賞は、私たちにとって1つの憧れであり、明確な目標となる賞だと感じています。
電子コミック市場が急速に広がる中で、読者の支持や熱量が正当に評価され、作品の可能性が可視化される場は、これからの出版業界において非常に重要な存在だと思います。

特に電子ならではの読まれ方や、読者の方々からの支持を踏まえたうえで選ばれるこの賞は、作品づくりに携わる立場としても大きな励みになります。

今後も、読者の方に長く愛される作品を届けられるよう、担当編集として1作1作に真摯に向き合い、またエントリーしていただけるよう励んでいきたいです。

Q. 「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」の推しポイントはどんなところでしょうか。

本作の推しポイントは、クスッと笑えるラブコメディでありながら、読み進めるうちに自然と自分自身の選択や行動を肯定し、寄り添ってくれるところです。
キャラクターたちの言動や成長が決して理想論に寄らず、「現実でも起こり得るすれ違い」や「不器用さから生まれる失敗」を丁寧に描いている点は、本作ならではの魅力だと感じています。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第1話より。
「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第1話より。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第1話より。

ヒロインのニコルは、婚約者であるケイオスの不器用な言動に傷つきながらも、誰かに救われるのを待つのではなく、自分自身で新たな道を選び取っていきます。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第11話より。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第11話より。

新しい挑戦に踏み出すことは、誰にとっても心理的な負担が大きいものですが、それは同時に「幸せ」に近づくための一歩でもある──そんなメッセージを、物語を通して感じ取っていただけたらうれしいです。

また、ニコルが一度「おひとり様になる」という選択をしたからこそ生まれた人間関係も、本作の大きな見どころです。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第14話より。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第14話より。

ロベリアの乙女心教室で、ケイオスたちが真剣に授業を受けている姿はどこかかわいらしく、失敗や反省を経て「変わろう」と努力する姿そのものが、読者の共感や応援につながっていると感じています。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第6話より。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第6話より。

自分自身の未来のために、登場人物たちが1つひとつ確かめながら進んでいく──その等身大の歩みこそが、「おひ慣れ」をただのラブコメディに終わらせない理由だと思います。

Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。

コミカライズに際し、原作の荒瀬先生にエピソードを加筆いただいているのですが、そのたびに、これまでの“令嬢もの”の枠にとらわれない斬新な切り口や視点に驚かされています……!
キャラクターたちのセリフや展開など、目から鱗の連続で、さまざまな感情や言動、関係性を優しく肯定してくれる物語そのものに、編集である私自身が励まされることも少なくありません。

作画を担当されている晴田先生は、作画力はもちろん、物語の流れや感情の起伏を視覚的に設計する“ネーム”の構成力が非常に高い方です。それでいて常に向上心を持っておられ、締め切り直前であっても「やっぱりこちらのほうが、もっと面白くなると思って」と、一度FIXしたネームをブラッシュアップして再提出してくださることがあります。進行としてはドキドキする場面もありますが、それもひとえに作品への深い愛情があってこそだと感じています。

また、先生方とは「かわいい!」と感じる感性が近く、ニコルたちのドレスや衣装を考える時間は、いつも自然と盛り上がります。衣装デザインは中世的な世界観のセオリーを大切にしつつ、現代の読者が「今、かわいい」と感じられるエッセンスを意識的に取り入れています。物語だけでなく、ビジュアル面でも作品の魅力を丁寧に積み重ねてきたことは、「おひ慣れ」ならではの強みだと思います。

Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?

見どころばかりで1つに絞るのは難しいのですが、ニコルが「おひとり様」に目覚めていく過程や、ロベリアの乙女心教室でケイオスが容赦なく切り込まれる名シーンは、すでに多くの方の印象に残っていると思います。
今回はあえて、それ以外のエピソードをご紹介させてください。

現在、ケイオスはニコルの心を取り戻そうと必死に行動していますが、肝心のニコルはどこか淡々としていて、思いが伝わっているのかわからない状態が続いています。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第16話より。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第16話より。

一見すると鈍感なようにも見える彼女ですが、実はその振る舞いの裏には、ニコルなりの明確な意思があるんです……!

そのシーンのラストで明かされる彼女の本音は、「そうきたか!」と思わず声が出るような展開であり、「おひ慣れ」らしさが凝縮された瞬間だと感じています。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第11話より。
「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第11話より。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第11話より。

読み返すと、彼女のこれまでの選択や言動が一本の線でつながり、納得と共感が一気に押し寄せてくるはずです。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第15話より。
「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第15話より。

「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」第15話より。

物語はここからさらに加速していきますので、ぜひ今後の展開にもご期待ください!
引き続き、「おひ慣れ」を楽しんでいただけたらうれしいです。

「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」
原作:朝霧あさき/原作イラスト・漫画:セレン
スクウェア・エニックス

「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」原作:朝霧あさき/原作イラスト・漫画:セレン

「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」原作:朝霧あさき/原作イラスト・漫画:セレン

その美しい容姿から「人形姫(ベル・プペー)」と呼ばれる公爵令嬢レティシア・オルレシアン。人前では可憐に微笑み、控えめに振る舞う彼女だが、その本性は人形とは程遠く、豪快で女傑じみた女性だった。そんなレティシアは、素行に難ありと噂される第二皇子ジルベールと婚約することに。呪われた赤い目を持つゆえに孤独を抱えてきたジルベールに、レティシアはどう向き合うのか。運命の2人が互いを思い添い遂げる、“逆・溺愛”ラブストーリーだ。

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担当編集者・佐々木克行氏(ガンガンJOKER編集部)コメント

Q. 受賞した感想をお聞かせください。

この度は、素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございます。ご支持いただいた皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

Q. 「電子コミック大賞」にどういった印象を持っていますか?

電子コミック大賞は、マンガ出版社の主戦場の1つである「電子書店」のリアルな現状を映す水晶玉のような賞だと感じています。電子書籍の向こう側にはそれを制作し、配信し、媒体を運営して読者の皆様にお届けする様々な人間がいます。その点はリアルな本・書店と変わりがありません。「面白いものを広めたい」という根源的な人の熱を感じられる賞として、これからも発展していただければと思います。

Q. 「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」の推しポイントはどんなところでしょうか。

暴漢に襲撃され、レティシアを逃がすために自らの身を差し出そうとするジルベールの「…悪かったな 怖い思いをさせて」のシーンです。命の危機がある状況で、呪われた皇子と揶揄されてきた彼の善性・優しさがにじむ一瞬は、原作小説の中でも鮮烈な印象を残す場面でした。マンガでは、彼の悲しみと優しさが同居した繊細な表情を1ページ使って描き出してくださいました。

「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」第1話より。

「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」第1話より。

Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?

コミックシーモア様の分冊版3にあたるエピソードです。娼館が暴漢に襲撃され、自らの身よりもレティシアと店を守ろうとするジルベール。それを受けて「人形姫」を演じていたレティシアが、初めてその本性を明かし始めるお話です。レティシアの華やかな活躍は次のエピソードになりますが、そこに至るジルベールの悲しみとレティシアの怒りが凝縮された心理的な密度の濃さ。そして私たち読者に提示されたすべての感情を「十二分に楽しませてやるさ」という笑みでまるごと期待感に変えてしまう鮮やかさに惹かれます。

「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」第1話より。
「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」第1話より。

「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」第1話より。