鈴木亮平がとにかくカッコいい
──そんな冴羽獠というキャラクターについて、どんな魅力のある人物だと感じましたか?
私は鈴木亮平さんの冴羽獠しか知らないのでアレですけど……まずは男前であるということと、強いことですかね。個人的に目の細い男性が好きなので、そこもポイントでした。
──鈴木亮平さんのお芝居はいかがでしたか?
いやあ、めちゃくちゃカッコよかったです。とにかくカッコいい。最初、実写の「シティーハンター」を鈴木さん主演でやられるというニュースを聞いたときは「えー、意外やな」と思ったんですよ。私はもともと鈴木亮平さんが大好きだったんですけど、でもちょっと「ぽくないな」みたいなことを思ったりもしたんです。でも実際にできあがったものを観たら……ホント、謝りたくなりますね。
──同じような感想を持たれる方も多いんじゃないかと思います。
ぽくないどころか、もう「冴羽獠そのものやん!」みたいな。というくらいカッコいいので、感想としてはそれに尽きますね。鈴木亮平がとにかくカッコいいっていう。
──ちなみにですけど、“「シティーハンター」といえば「もっこり」”というのはご存じでした?
いや、知らなかったです。知らなかったけど、あまりにも言うからたぶんそういうことなんやろうなとは思って観てました。
──そこに下品さなどを感じることもなく?
下品だとは思わなかったですね。おふざけの範囲内に過ぎないというか、どちらかというとプレイボーイ的なキャラクターの延長線上にある描かれ方っていう解釈をしてました。
──獠以外で気になったキャラクターなどは?
私はまず、木村文乃さん(野上冴子役)が出てくるたびに「いい女だなあ」という気持ちにさせられるところがすごく印象的でした。原作の「シティーハンター」って、出てくるロン毛の女性たちがみんな“ザ・いい女”として描かれているイメージがすごく強かったので、それを無理なく自然に体現してらっしゃるのがすごいなと。これ、実はとんでもなくすごいことなんじゃないかと思いますね。
──言うなれば概念の実体化みたいなことですもんね。
あとは、香ちゃんを演じられた森田望智さん。この方はすごいなあと思いました。めちゃくちゃ魅力的で、香にしか見えない……というか、「こういう人がいるんだ」と自然に思ってしまうくらいの存在感、説得力があって。“ちょっとできない子”の感じとかも上手でしたもんね。獠から「お前はもう何もするな」みたいなことを言われて香ちゃんの感情が爆発するところがあるんですけど、あのシーンなんかは、自分の置かれているシチュエーションによっては刺さる人も多いんじゃないかなあと思いました。
──おっしゃる通り、香には視聴者が感情移入するポジションとしての役割もありますよね。獠というスーパーマンに対する一般人の目線でいてくれるキャラクターというか。
うんうん。まあ私の場合は感情移入という感じではなかったですけど、なんか好きなキャラクターですね。尺度に収まらない魅力がたくさんあるというか。髪型にしても、変といえば変な髪型だと思うんですよ。あのちょっと散切りみたいなショートカットって今この時代にあまり見ない髪型ですけど、上手になじませてらっしゃって。
──洋服で言うところの“着こなし”がすごいみたいな。
そうですね。あとは化粧品会社の社長(瀬田月乃)役をやられていた水崎綾女さんもよかったし……いや、皆さん面白かった。これは誰がすごいんやろう?と思ったんですけど、キャラクターの言うセリフと顔が全部合ってるんですよ。
──セリフと顔が合っている……「いかにもこういうこと言いそう」みたいなことですか?
「言いそう」もあるし、「この顔の人がこれを言うからいい」みたいな。それが全体的にすごく多かった気がします。
──なるほど。脚本がすごいのか、役者さんがすごいのか、演出がすごいのか……。
もちろん皆さんすごいと思いますけど。それが全部合致する、マッチングするというのがすごいなあと。全部の要素が絶妙な塩梅で噛み合っている感じがしましたね。
ご期待ください
──この映画をきっかけに、原作にも興味を持ったりはしましたか?
映画だけを観たときに、これが原作のお話を一部切り取ったものなのか、映画オリジナルの脚本なのかはちょっと気になりました。なので手始めに1、2巻くらいは読んでみようかなと思いました。
──今回の映画はオリジナルストーリーではあるんですけど、原作序盤の獠と香がバディを組むまでのくだりを膨らませた「はじまりの物語」になっています。それに加えて、原作の印象的なシーンを配役を変えて織り交ぜていたりと、原作を知っているとより楽しめるものになっているんですよね。
そうなんですね。じゃあ脚本家さんもすごいんですね。
──それこそ鈴木亮平さんも脚本の段階から入られていて、ご自身のこだわりを愛を持って進言されたんだそうです。もともと鈴木さんは熱狂的な「シティーハンター」ファンでいらっしゃるらしくて。
これはじゃあ、たまたまだったんですか? たまたま冴羽獠役にオファーしたら原作ファンだったみたいな?
──この企画が立ち上がる前から業界では有名な話だったらしいですね。鈴木さんは以前からよくテレビや雑誌で北条司先生や神谷明さんなどを対談相手に指名したりもされていて、ご本人も今回の話が決まって冗談交じりに「図らずも根回しみたいに(笑)」とおっしゃっていたそうです。
そうなんですね。
──そんな鈴木さんにとっての「シティーハンター」みたいに、ヒコロヒーさんが「いつかこれに関わりたい」と思うような作品は何かあったりしますか?
いつか関わりたい作品ですか? うーん、そうですねえ……(しばし考えて)「ストレンジャー・シングス 未知の世界」ですかね。
──おお、すごいチョイス。
なんかアジア人役としてパッと出たいですね。今、向こうにNetflixのスタッフさんもいらっしゃるんで、この発言がもう根回しになってると思いますし。
──確かに(笑)。では今回の映画「シティーハンター」を周りの方に薦めるとしたら、どなたに薦めたいですか?
そうですね、薦めるとしたら……トム・ブラウンさんですね。布川さんが最近骨折してしまって、ちょっと時間ありそうなのでぜひオススメしたいなと。
──なるほど、ヒマだろうからと(笑)。
相方のみちおさんはそれこそマンガがとても好きな方なので、観てもらって「このマンガがこういう映画になって」というお話をしたいですね。
──どんな言い方で薦めますか?
直接会っては言わないかもしれないです。2人に無言でNetflixのリンクを送りつけます。
──では最後に、この記事を読む読者……特に「シティーハンター」にあまりなじみのない方に向けてのオススメポイントを教えてください。
原作をまったく知らなくても十分に楽しめる作品にはなっていますけど、私と同じようにアニメの再放送を少しだけ観て、なんとなくのイメージだけ持っている人も多いと思うんですよ。「シティーハンター」というものの大まかなイメージは若い子も年を取っている人たちもみんなある程度あると思うんですけど、そのイメージを無理に取り払う必要はないと思います。しっかりイメージを持ったまま観て十分楽しめますので。
──「思ってたのと違った」みたいにガッカリすることはないはずだと。
はい。ご期待ください。
プロフィール
ヒコロヒー
1989年10月15日生まれ、愛媛県出身。ピン芸人。「国民的地元のツレ」の愛称で親しまれ、「ヒッコロコント」と称する1人コントでも知られる。テレビ朝日で放送中の「キョコロヒー」でMCを務めるほか、「天才てれびくん」「NHK短歌」「全力!脱力タイムズ」などにレギュラー出演。TOKYO FMでは冠ラジオ番組「トーキョー・エフエムロヒー」を持つ。またコラム連載など執筆活動も精力的に行っており、1月には自身初の短編恋愛小説集「黙って喋って」が刊行された。
hiccorohee ヒコロヒー (@hiccorohee0016) | X