コミックナタリー PowerPush - 小山愛子「ちろり」インタビュー

華やかなりし明治の喫茶店から着物と珈琲にありったけの愛を

小山愛子プレゼンツ 美味しいコーヒーの淹れ方

インタビューにて「描きたいものを描く」という「ちろり」のテーマを語ってくれた小山愛子。毎日家で飲んでいるというコーヒーの淹れ方は、特に熱を入れて解説してくれた。本文に収まりきらなかった小山のコーヒー愛を伝えるべく、ここでは直筆イラスト付きで「小山愛子プレゼンツ美味しいコーヒーの淹れ方」を紹介する。「ちろり」からコーヒーに興味を持った人は、入門の手引きとしてほしい。

1. お湯を沸かします。

1. お湯を沸かします。

お湯は鉄瓶で沸騰させて、その後、鶴口ポットに移し替えます。適温は80度ぐらいと聞きますから、慌てなくて大丈夫です。残ったお湯でカップと急須を温めます。ヤカンでなく鉄瓶なのは、ただの私の趣味です。まろやかになると思います。鶴口ポットは、あったほうが淹れやすいですし、なにより見た目が素敵です。

2. 豆を挽きます。

2. 豆を挽きます。

ネルドリップなので、豆は中挽き。手回しミルはコトコトいう振動や、ごつごつした見た目が格好よくて好きです。でも人数が多い時やちゃっちゃと事を進めたい時は、電動ミルを使います。無理のないのが一番です。

3. 「の」の字を書きます。

3. 「の」の字を書きます。

挽きあがった豆をネルに入れて表面をならしたあと、中央をくぼませます。一度全体に湯を含ませて豆がむくむく盛り上がりきったら、中央から外に向かって時計回りにゆっくり螺旋を書きます。急がず、でもおっかなびっくりでなく、すーっと湯をひくとうまく行く気がします。

4. いただきます。

4. いただきます。

カップは安かろうが欠けていようが、自分のお気に入りに勝るものはないです。色柄や持った感じ、口にあたるカップの厚みで、全く違う飲み物になると思います。今日はこれにしようかなーと、選べるほどお気に入りが増えたら幸せだなぁ。私は未熟なので毎回味が違いますが、淹れた時の私も飲む時の私もいつも微妙に違うから、きっと仕方のないことです。

急告ハルタ×ゲッサン

小山愛子と森薫のトレード掲載

隔月刊誌Fellows!(エンターブレイン)が2月15日発売号より名称をハルタと改め、年10回刊行誌へとリニューアルする。これを記念して小山と森が互いの雑誌に告知マンガを描く、交換掲載が決定した。発売中のゲッサン3月号では、森薫によるハルタの告知マンガを掲載中。そして3月15日発売のハルタ2号には「ちろり」の告知マンガが登場する。

小山愛子「ちろり」(3)/ 2013年2月12日発売 / 840円 / 小学館
作品解説

時は大開港時代の明治。文明開化に沸く港町・横濱。海岸通りの小さな喫茶店で働く……少女がひとり……その名は、ちろり。

1、2巻発売と同時に大反響!今度のちろりは、どんな景色の中に……!! 連載開始前に大反響だった読切作も特別掲載の第3巻!

小山愛子(こやまあいこ)

12月28日生まれ。2001年にまんがカレッジ努力賞を受賞し、2001年に「日常戦線」が少年サンデー超増刊へと掲載されデビュー。ゲッサン2011年7月号より「ちろり」を連載開始。