「バキ大解剖」特集|最新作「バキ道」を読む前に!「刃牙」シリーズのすべてがわかるムックが2冊同時発売

板垣恵介・那須川天心・吉岡里帆インタビューをちょっとだけお届け!

板垣恵介インタビュー

「バキ大解剖 激突!地上最強編」より抜粋

泣きながら、烈を宮本武蔵に斬らせた。

──しかし、愚地克巳は物語を通じて強いキャラになりましたよね。すごく。

板垣恵介

板垣恵介 あれは、ピクルと闘いたくて皆が忍び込んで夜這いをかけたことがあったじゃない。その時、克巳は勝てないことが分かってて、戦う気も無いくせに戦いたいかのような態度をしたでしょ。「敗北を予感しながらも父親を前にしてうっかり虚勢を張ってしまう」「しかも瞬殺を免れたなら──加勢も期待できると」「だから相手にもされんのだ──俺にも刃牙にも父親にも」と、勇次郎に酷いこと言われて。

──あれ、いいですよね。だけど、可哀想過ぎるとも思いましたが。

板垣 それで克巳が勇次郎をカッとして蹴飛ばしたら、靴の紐を取られて、紐を投げ返されて顔に巻きついて……。克巳にえらいことやっちゃったなと。「やりすぎたな。克巳ごめん」って。で、克巳が登りつめていくシーンを描いてやるしかないと。それ以外に俺が克巳に謝る方法は無いもの。烈海王が足を喰われて、克巳が怒ってピクルのことを嘗めてるって言ったでしょ。でも、独歩は理路整然と「ワカッとらんな……」と、あれは嘗めてるでも何でもなくて、餌なんだから、食べ物なんだから食べた、ってそれだけの話。俺たちが魚や肉を嘗めてないように、ピクルはちっとも嘗めてるっていうことじゃないという意味のことを言ったわけ。それに対して克巳が「ワカッてないのはアンタだ」「そーゆーのをナメてるって言うんだよ!!!」って激怒したのよ。もう俺、あの時、描いていて泣いたもん。「よく言った!」。それが頭に浮かんだ時に、もう目頭に来たね。「よし、ここからだ。ここから克巳の物語が始まる」って昂りましたよ。

──克巳は腕をなくしたけど、自分のオリジナルの強さを身に付けていく。そこがまたすごいですよね。読者としてはすごく嬉しかったんだけど、一方では烈海王は足まで喰われたのに、なんでこんな風に死んでしまったんだろうという切なさも…。

板垣 あれはもう、宮本武蔵が出てきた以上は、「誰かを斬るんだ」っていうのは、最初からのテーマだったから。

──誰かは武蔵に斬らせようと?

板垣 必ず斬られる人間が出る。だから、最初は本部以蔵のつもりだったのよ。以蔵を斬らせても、大局に影響はないだろうなと。でも以蔵が「俺が守護(まも)らなかったら──」って、古武術に生きてきた経歴から言っても「俺以外に誰がいるんだよ。俺が皆を守護らなくてどーすんの!」って言った時に、担当者が笑ったんだよ、爆笑。それで話しているうちに、「絶対に盛り上がるじゃん」「これ、本当に勝ったらすげぇな」って。「本当に守ったとしたら、こんな感動ってなかなかないぞ」と考え直して、「よし、これはもう本部を、克巳のように起ち上げて行こう」ってなったわけ。それで誰かが代わりに斬られなければいけなくなって、「ところで烈って今、何やってんの?」と、それで、烈がチャンピオンに勝って帰ってくるっていうシーンに変えたというのが真相。そりゃあ、烈が斬られたら、すごいシーンになる。でも、「烈を殺すのは、なんとか考え直せないだろうか」って編集部からも言われてね。

──全員思ってましたよ、読者は。

板垣 じゃあ、俺の方から質問するよと。東京湾からゴジラが上がってきたときに、ビルを壊さないように、道路を傷めないように、人を踏み潰さないように、一通り歩き回って、火も吐かずに、何一つ被害をもたらさずに東京湾に帰ったら、皆怒るだろと。「ぶっ壊せよ! 何やってんだよ、ゴジラ!」って皆怒るよと。同じロジックで、宮本武蔵が出てきた以上は、誰かを斬らなければ、決着をつけなければしょうがないんだ。そして「誰を」と言ったら、誰もが納得する強者じゃなきゃいけないんだ。俺だって、烈を切らずに宮本武蔵のキャラが立つんだったら、そっちを選ぶよ。でも「どうしてもそれ以外には、考えられない!」って。その時はもうね、涙が出たよ。「俺だってそうしたいよ」って。でも、そのぐらい思い入れがあったんで、いいシーンになったと思うよ、あの斬るシーンは。どう考えたって「これはもう無理。絶対にこれは死んだ!」って思わせるシーンじゃなかったらいけない。それで「次に活かせる」と言って死んでいく。「これはもう100点満点だな」って。

インタビューの続きは「バキ大解剖激突!地上最強編」で!!

板垣恵介(イタガキケイスケ)
1957年4月4日、北海道出身。高校を卒業後地元で就職するが、後に退職し20歳で陸上自衛隊に入隊。習志野第1空挺団に約5年間所属し、アマチュアボクシングで国体にも出場した。その後、30歳の時にマンガ家を志す。マンガ原作者・小池一夫の主催する劇画村塾に入塾。ここで頭角を現し、「メイキャッパー」でデビュー。1991年に週刊少年チャンピオン(秋田書店)で連載スタートした格闘マンガ「グラップラー刃牙」は、「バキ」「範馬刃牙」「刃牙道」とシリーズを重ね、2018年より最新作「バキ道」をスタートさせた。ほかの代表作として、夢枕獏原作の「餓狼伝」などがある。

那須川天心インタビュー

「バキ大解剖 最大トーナメント編」より抜粋

最大トーナメントに出て来た柴千春は好きでしたね。

──那須川さんは、「刃牙」の大ファンだとお聞きしましたが?

那須川天心

那須川天心 はい。「刃牙」は大好きですね。知り合いに「俺、漫画を全巻持ってるから貸してやるよ」って言われて、借りて読んだのが最初です。それからすっかりハマりました。

──では、那須川さんが好きなキャラクターというと誰でしょうか?

那須川 好きなキャラクターですか…。う~ん、けっこういっぱいいるんですけど、一番はやっぱり刃牙が好きですね。あえて刃牙や勇次郎以外だとすると、最大トーナメントに出てきたヤンキーの柴千春は好きでしたね。特にヘビー級王者のアイアン・マイケルとの試合は。プロボクサーを相手に根性だけで戦って…あれ、カッコ良かったですよね。

──千春はその前の柔道の畑中公平との闘いで腕を折られて、折れたところをさらに折って根性を見せましたよね。それで弱いと思われていたのに、勝ってしまうという。

那須川 その立ち向かっていく度胸というか、根性というか。そういうところが好きなんですね。格闘技って、やっぱり100%は無いんですよ。いくら勝てないと言われてても、勝つことがある。そういうことが凄く面白い。

──千春は「範馬刃牙」の時にまた登場して、刃牙に喧嘩を売ったんですよね。花山に弱いお前だからいいんだって言われて。

那須川 弱いけど、根性が違いますもんね。柴千春は。

──そういう意味では「刃牙」では、千春みたいな根性だけのタイプもいますが、力だけのタイプや技を駆使するタイプもいますね。那須川さんはどっちのタイプが好きですか?

那須川 実際の試合だったら愚地独歩とか、烈海王とか、そういう技系のタイプの試合が好きなんですよ。でも、漫画とかでは、根性系とか暴力系のほうが好きですね。花山とか柴千春みたいな。

インタビューの続きは「バキ大解剖最大トーナメント編」で!!

那須川天心(ナスカワテンシン)
1998年、千葉県生まれ。「神童」「キックボクシング史上最高の天才」と称されるキックボクサー、総合格闘家。2018年12月31日に行われた「RIZEN.14」では、5階級制覇を成し遂げたボクサーであるフロイド・メイウェザー・ジュニアと、非公式戦ながらボクシングルールで対戦したことが話題を呼んだ。「刃牙」シリーズのファンで、リング上でトリケラトプス拳の構えを見せたことも。またTVアニメ「バキ」2クール目オープニングではモーションアクターを担当している。

吉岡里帆インタビュー

「バキ大解剖 激突!地上最強編」より抜粋

花山薫と烈海王が大好きです。

──吉岡さんは漫画がお好きと聞いていますが、女の子で「刃牙」が好きというのは珍しいような?

吉岡里帆

吉岡里帆 父親の影響ですね。父は格闘技が大好きで、それで「グラップラー刃牙」も家に全巻揃っていて……。

──なるほど、それで「刃牙」を……。

吉岡 はい。家には漫画がいっぱいあって、それで青年漫画や少年漫画で育ちました。少女漫画は学校で女の子の友達と交換して読んでました。当時は学校に青年漫画を持っていって、みんなにびっくりされたことも(笑)。

──もしかして、お父さんの影響で何か、格闘技をされたりとか?

吉岡 それは全然なくて。家にサンドバッグがあったんですけど…。総合格闘技も父親に連れられて、試合を見に行ったことがあるくらいです。私、幼い頃は体が弱かったので。だから余計に「刃牙」が面白かったのかもしれない。

──「刃牙」で一番好きなキャラクターと言うと誰になるでしょうか?

吉岡 やっぱり花山さん。もう花山薫と烈海王が大好きです。みんな好きですよね。

──花山の好きな所というと?

吉岡 男気! 花山さんと刃牙の友情もいいですよね。あと花山さんの「強くなるために努力するのは女々しいこと」ってのが、私の中で大好きなところです。

──名ゼリフですよね。じゃあ、烈海王の好きな所は?

吉岡 烈さんの刃牙への友情。特に烈さんが刃牙を助けるシーンがめっちゃ好きです。

──最凶死刑囚編で、柳の毒手で毒に冒された後ですね。

吉岡 そうです。大擂台賽に出場させて、毒が裏返るように…頼もしかったです。だから、烈さんがピクルにやられた時は泣きました。切なすぎて。本当に。

インタビューの続きは「バキ大解剖激突!地上最強編」で!!

吉岡里帆(ヨシオカリホ)
女優。1993年1月15日生まれ、京都府出身。2016年に出演した連続テレビ小説「あさが来た」で注目を集める。主な近作にTVドラマ「きみが心に棲みついた」「健康で文化的な最低限度の生活」、映画「音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」など。ヒロインを務めた映画「パラレルワールド・ラブストーリー」が5月31日に公開予定。