「お前、生理か?」に衝撃
向 あと、女の子がかわいいことが、なんといってもよかった。僕も妹がいればなあと思えた第1話でした。
えなこ (咲太の妹の)かえでちゃん、かわいいですよね。
向 「けしからん!」と思いながら見ていましたよ。正直、咲太と同じように、僕の布団にも潜り込んできてほしいと思っています。
えなこ ただ、かわいいだけじゃなくて、何か事情を持っているような素振りもありましたよね。もしかしたら、あのパンダのパジャマの下に傷があるのかなとか……いろいろありそうで。でも、個人的にコスプレするならこの子かなと思いますね。私は結構丸顔で童顔なので、どちらかというと幼い感じの妹キャラのほうが似合うかなと。
向 それと第1話に少し出てきた理央という子も気になりますね。淡々としゃべるクール系な理系女子ですけど、僕はもともとこういう子が好きなんです。主人公の咲太と同じように一歩引いたスタンスで物事を見ているようですけど、彼女と咲太の間にも物語があってほしいなと。第1話では咲太にアドバイスらしきことをしていましたが、それ以上の関係に踏み込んでもらえたら物語が大きく動く気がします。冷静な子が慌てふためいたりするのって、人間みんな好きじゃないですか?
えなこ ええ? そうですか?(笑)
向 そうです! だから今後理央のいろんな表情が見られるといいなって思いますし、咲太が理央相手に弱いところを見せるというシチュエーションもアリですね。咲太は学校では避けられているのに、理央があれだけ身近に接してくれているということは、仲はいいんでしょうから。「それは恋愛なのかな……どうなのかな!?」って思いながら僕は観てました!
──今回えなこさんには“バニーガール先輩”こと桜島麻衣をイメージした扮装で撮影に臨んでいただきましたが、彼女についてはどういう印象を持ちましたか?
えなこ パッと見お姉さん的なキャラですよね。でもかわいらしいところもあるなと。私も今日の撮影で、そういったクールながらもかわいらしさを出せるように、ということを心掛けました。麻衣ちゃんは第1話の中でも咲太の家の前に座って咲太の帰りを待っていたりするシーンがあったじゃないですか。こんな一面も持っていたの?というギャップがあって。ああいうところはキュンとしました。意外と仲良くなったらグイグイくる子なのかもしれませんね。
向 あそこは確かにかわいらしいですよね。麻衣でいうと、咲太が急に服を脱ぎ出そうとしたときに慌てふためいたのもよかったです。彼女はちょっと強気な部分があるキャラクターなので、淡々と罵声を浴びせてもいいじゃないですか。でも、ちゃんと照れている。そこが従来のパターン化されたヒロインとは少し違っていて、新鮮でした。それにしてもいきなり脱ぎ始めたりして、咲太は空気読まないですよね。親友である国見の彼女(上里沙希)に罵声を浴びせられて「お前、生理か?」なんてはっきり言い返してしまったり(笑)。ちょっと衝撃を受けましたよ。
えなこ 咲太っていまいち掴めない部分があると思うんです。すごく冷めているキャラのようで、でも意外とノリのいいところもあって、今の段階では私にとっては謎なキャラクターです。今後咲太が別の面を見せてくれるのか、あるいは変わっていくのかが楽しみです。
僕はビジュアルがブタ野郎ですね
──えなこさんは、ご自身が麻衣と似ているなと思われたところはありますか?
えなこ 私もたまに、人から見られることが嫌になることがあるんですよ。プライベートで街中に出る時は誰にも気付かれたくないんです。だから、透明化現象がある意味うらやましいなと思います。
──コスプレは、ある程度人に見られることが前提だと思うのですが……?
えなこ でもコスプレって、あくまでもキャラクターになりきっているわけで。変身しているようなものなんです。私個人が表に出ているという認識ではないんですよね。
向 僕も「もう見ないでくれ」という気持ちはちょっとわかりますね。相方(木村卓寛)がエロ詩吟でブレイクしたときに、僕は「エロ詩吟じゃないほう」っていう感じで扱われ続けていたんです。何をやっても、しゃべっても「あなたはいいんで」と。そういう時期が2年くらいあったんですよ。その時は「もう自分はいらんやんけ。俺は見るな」と。だから、麻衣の気持ちは……まあエロ詩吟を通じてわかってしまうのも、変な感じですけど(笑)。
──咲太との共通点でいうと、いかがですか?
向 まあ浮いていたということと、ブタ野郎というところですかね。僕の場合はビジュアルがだいぶブタ野郎で……(笑)。でも咲太はブタ野郎な感じがしないんですよね。ブタ野郎って飼いならされたようなイメージじゃないですか。でもそんな感じではないんで、今後咲太のそういう面もわかっていくんでしょうけど……。あと、私は吉本(興業)のブタでもあります。
一同 (笑)。
向 ちょっと言葉が強かったですかね。飼いならされているという意味ですよ!
──(笑)。この作品は青春ものにカテゴライズされますが、こういうジャンルはお好きですか?
向 青春は好きですね。ただ「青ブタ」では、理央が思春期症候群を物理学的に説明してくれるシーンがあるんですけど、その内容はまったく理解できていないですね。でもメガネ美少女が言うなら間違いないだろうって勝手に思ってます。
──ちなみに、お好きなメガネ美少女キャラを挙げるとしたら誰になりますか?
向 「〈物語〉シリーズ」の羽川(翼)ですね。青春とメガネといえば彼女しかいません。羽川はメガネじゃないときもいいんですよね。だから僕は理央のメガネじゃない姿を期待します。メガネっ子は、メガネじゃない瞬間があったら、よりメガネ姿がよくなるんです。これは持論ですけど。
えなこ 私は、実は青春や日常のお話はあまり好きじゃないんです。ハッピーエンドが苦手で、救われない終わり方が好き。みんな絶滅するか、救いようがないけど、生きていこうとするエンドしか認めたくない。でも「青ブタ」はちょっとSF的な要素もあるじゃないですか。日常とは違う非日常的な謎がたくさんありそうなので、そういう意味で今後も楽しみになりました。
向 へえ。それは面白いですね。完全に逆だな。僕は日常が大好きなので、ぜひともこのメンバーで、ケーキ作りとかやってほしいですね。
えなこ えー、それはなしですよー(笑)。
向 日常ものもいいですよ。芸能界みたいな、いつどうなるかわからないような世界にいると、「アニメぐらい、俺を癒してくれよ」という感じになるんです。かわいい女の子がキャッキャウフフしているほうが好きですし、「青ブタ」もかえでという妹キャラがいることによって、その要素はかなり強まると思いますね。えなこさん、これ日常回、絶対ありますよ。
えなこ いや、かえでが逆に鍵となって、咲太たちは得体の知れない世界に堕ちていくんですよ。
向 いやいや。かえでがお兄ちゃんのためにケーキ作る回が……。
えなこ (笑)。ないない。あったとしても、そこでトラウマを踏んじゃうんです。そう簡単に日常にはいかないですよ。
──ええっと……どちらの要素もあるといいですよね(笑)。
こんな置きにいくプレゼントある?
──では話題を少し変えまして、おふたりの青春時代はどんな感じでしたか?
向 なんにもなかったですけどね。青春なんて。青の文字の上のほうすら見えていなかったです。ただ、恋愛は振られようが付き合おうが、後で考えたら青春と言えるじゃないですか。そう考えると、中3のとき、好きな子の誕生日に学校の校門で待って、プレゼントあげたなとか。それも青春だったかなと思います。校門を出てきた瞬間「これ誕生日プレゼント。好きです、付き合ってください」って情報量が多い感じでまくしたてるようにいきなり告白したんです。会話の流れもへったくれもないですよね。
一同 (笑)。
向 その女の子は立ち止まってもくれず、スルーされました。とはいえ、その頃の自分の顧みないパワーというのが、青春なんじゃないかなと思うんですけどね。咲太も、今後がむしゃらになれる部分が何か出てきたら面白そうだなと思いますね。
えなこ ちなみにプレゼントは何をあげたんですか?
向 何を買っていいかわからなくなって、結局マグカップを買いましたね。今考えると、こんな「置きにいく」プレゼントあるかねと。
えなこ (笑)。
向 中3で若いのに勝負せずに、平均点取りにいっているなと。もうちょっとリサーチして、相手の好きなものに寄せていったらよかったのにと、今は思います。でも、そういう不完全感が青春なんだろうなと思うんですよ。咲太が持っている不完全感がどんな感じで出てくるのか、というのも楽しみなポイントになりそうですね。
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