コミックナタリー Power Push - マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 第6回 あいだ夏波「圏外プリンセス」「スイッチガール!!」
スクールカーストのリアルを追求する
「ベルサイユのばら」は日本人だったら死ぬまでに読まないと
──今回ブックパスのキャンペーンで、マーガレット、別冊マーガレットの作品がたくさん読み放題になるのですが、あいだ先生のお好きな作品についてお聞かせください。
そもそもマーガレットでデビューしたいと思ったのは「花より男子」が載っていたからなんですよ。中3のとき、受験の2日前だったんですが友達が「花男」のコミックスを5巻まで貸してくれて。すぐにハマってしまって頭から離れなくなった。「なんてことしやがるんだ!」と友達に思いましたね(笑)。そこからは中高通してずっと自分で買い続けました。やっぱりああいう元気で、言いたいことを思いっきり言う、みたいな女の子が大好きなんです。私の根底にある主人公像は、まさにつくしだと思います。中高通して、唯一ずっと買い続けていたマンガですね。キャラが生き生きして、読みやすくて、どんどん話が動いていくところも大好きです。
──確かに、あいだ先生のお描きになるものを読んでいると、神尾先生がお好きだというのはわかる気がします。
あと、これはりぼん(集英社)なんですが、浦川まさる先生の「いるかちゃんヨロシク!」も大好きでした。あれも元気な女の子が主人公。スポーツ万能で大飯喰らいで、チビで細いのに男の子と対等以上にがんばれるという。でもちゃんと素敵な男の子が見守ってくれていて恋に落ちる。その感じがすごく素敵でした。弓月光先生も大好きなんですが……「エリート狂走曲」はマーガレットですよね。弓月先生の描く女の子はすごくかわいらしくて。恋愛ももちろんあるんだけれど、やっぱりドタバタと事件が起きるっていうところが好きですね。
──「ベルサイユのばら」はベスト5に入るくらい好きだとおっしゃっていましたね。
大好きです!! 実は、20歳を過ぎてから読んだんですよ。これを当時24歳の池田先生が描いてらしたなんて……! もう同じマンガ家としてどこかの穴に入ってしまいたいです。場面構成もすばらしくて、どのページも1枚の絵のように美しいし、簡潔な線で豪華に見せていらっしゃるのも素晴らしくて。内容も、私が語るなんておこがましいくらいで……読んでいるといろんな感情がわーっと出て、泣いてしまう。こんなに短いのに、こんなに密度が高いので、短く感じない。名作です。
──意外と短いんですよね。単行本だと全10巻です。
しかも週刊で描かれていたという……読者としても、マンガ家としてもとんでもない!と思います。これは、日本人だったら死ぬまでに読まないと恥ずかしいくらいのすごいマンガだと思います! 私なんかが今さら言うことではないんですが、読者のみなさんが生まれる前の作品だったりするので、名前は知ってるけど読んだことないっていう人もいると思うんですよ。でもこれは、読まないと損をする人生だと言えるくらい強くおすすめしたいです。
──最近の作品で注目しているものはありますか。
竹内文香さんの「友達ごっこ」、面白いですよねえ。一気に読めて、「どうする!?」みたいな引きがすごく明確で、いつも続きが気になってました! 純粋に、子供みたいにワクワクしてくるんです。竹内さんはお友達でもあるんですけど、作品が好きで、そこからお友達になりました。
──お好きなものの傾向が、一貫していらっしゃいますね。
ちょっと違う感じのも挙げようかな……(笑)。「ストロボ・エッジ」も大好きです! 蓮くん! それまでマンガの男の子に惚れる、みたいなことってあまりなかったんですよ。私、割と俯瞰でマンガを見るというか、作品全体として、劇の観客のような感じで読んでいるというか。最近、多くの方が主人公を自分に当てはめて読むことが多いと聞いて驚きました。もちろん感情移入する時もあるんですけど、主人公=私では全然ない。なので、登場人物に恋するみたいなこともなかったんですが……蓮くんは……なんかここ(首)がもう……。
──首筋ですか?
首元、ですかね? 芸能人の誰々くんのここが好き、みたいな感覚で、蓮くんの首が好き!とひたすら言い続けています。なんかもう見ているだけで、「触りたい!」みたいな(笑)。ストーリーを追いながらも蓮くんに目が行ってしまう。部分に惚れる、みたいな。咲坂先生ご本人にも、「蓮くんの首のあたりがめちゃくちゃ好きです! 絵が本当に魅力的です!」とお話ししたことがあるのですが、咲坂先生ご自身は絵にコンプレックスがあるっておっしゃっていて……そう、このインタビュー(参照:マーガレットコミックス特集 第2回 咲坂伊緒インタビュー)でもおっしゃっていましたよね。「古い」と。もう、「え!?」と。最先端の絵というものには該当しないかもしれないけれど、オンリーワンの絵じゃないですか。今どきのおしゃれさと、変わらない部分、両方を兼ね備えている、素敵な絵だと思います。
高校生編は、美人(みと)へのごほうび?
──「圏外プリンセス」は高校生編に入りましたが、今後の見どころを教えてください。
中学生編ではリアルさを突き詰めてやりたいと思っていたのですが、高校編はすごく頑張った美人(みと)へのごほうび……と言ったら変なんですが、そういうものになるのかなと。高校って可能性が無限に広がる場所だと思うんです。中学校は地域性が強いというか、地元の子たちがいる場所で。それが高校になると、知らない子がほとんどのところにいきなり放り込まれる。バイトもできるようになってお金を稼ぐ手段もあるし、親が見えない部分でナイショの何かが生まれたりもする(笑)。その、世界が広がった感じを描きたいですね。それと乙女ゲームをテーマにしているので、中学生編のリアルなキャラとはまた違う、“マンガっぽい”キャラたちが出てきて、彼らと素敵な恋ができるのかな……?という感じになるのかなと思います!
──美人(みと)についにイケメンの彼氏が……!? 非常に楽しみです!
あいだ夏波オススメのマーガレット作品が読み放題!
auの電子書籍ストア・ブックパスでは、あいだ夏波作品が期間限定で読み放題。連載中の「圏外プリンセス」や、ドラマ化もされた長期連載作「スイッチガール!!」はもちろん、スクールカーストを描く「革命教室」、デビュー単行本「純情ポルノ」もラインナップしている。またインタビューに登場した、あいだオススメのマーガレット作品も公開中だ。
※各作品の読み放題提供期間はブックパスの特集サイトでご確認ください。
- マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 特集一覧・連載作品年表はこちら
- 第1回 河原和音
- 第2回 咲坂伊緒
- 第3回 神尾葉子
- 第4回 中原アヤ
- 第5回 森下suu
- 第6回 あいだ夏波
- 第7回 やまもり三香
- 第8回 水野美波
- 第9回 幸田もも子
- 第10回 宮城理子
- 第11回 佐藤ざくり
- 第12回 椎名軽穂
- 第13回 小村あゆみ
- 第14回 いくえみ綾
- 第15回 ななじ眺
- 第16回 八田鮎子
- 番外編 マーガレット&別冊マーガレット編集長インタビュー
期間限定!auの電子書籍ストアで読み放題
※各作品の読み放題提供期間はブックパスの特集サイトでご確認ください。
ブックパス
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お正月、バレンタイン、受験──
ときめきだらけの美人(みと)の前にいじめっ子・梅田と、ライバル・増木が再び登場……! 美人はトラウマをのりこえて卒業式で国松くんに告白できる!?
あいだ夏波(アイダナツミ)
2001年、マーガレット(集英社)にて「そんな聖なる夜も」でデビュー。 その後、「純情ポルノ」「革命教室」といった作品を発表する。2006年から2014年まで同誌にて連載された「スイッチガール!!」は累計680万部の大ヒット作となり、ドラマ化もされた。2014年6月より、同じくマーガレットにて「圏外プリンセス」を連載中。
2016年1月22日更新