舞台「男水!」ライブ・ビューイング特集 キャストインタビュー|競泳にかける10人の思い、“青春の集大成”を映画館で見届けよう

秀平と光希のライバル関係が影響して……

佐藤永典

赤澤 僕も別に晴美と似ていたわけではないんだけど、やってるうちにちょっと役がうつってきたところがあります。

──お、どういうところですか?

赤澤 先輩でマネージャーなわけですけど、新入生の滝とダニエルのことがすごくかわいく思えてきちゃって。滝とダニエルというか、佐藤くんと神永くんのことまで弟みたいに思えてきた。「どうにかしてあげたい」というか。マネージャー目線というよりも……母性?

黒羽 そんな歳変わらないのに(笑)。

佐藤 僕たち同い年だよね(笑)。でも、うれしい。

神永 うれしい。

赤澤 よかった(笑)。

小澤 僕はもともと、光希に似てるところがあるなと思います。

──どこでしょう?

小澤廉

小澤 向上心を持ちつつ、でもそれが空回りをしてしまうところが結構近いなと。あと、光希は秀平とライバルなわけですけど、僕も凌くんに対してちょっと対抗意識というか、一緒に切磋琢磨したい気持ちが強まってきて。「秀平がやるなら俺もやる!」みたいなことやっちゃう。

松田 え、例えば?

小澤 ほかの舞台で大阪に行っていて、「男水!」の稽古に出られなかった時期があったでしょ? その千秋楽が終わったあと、もう全力を出し尽くして体力もなくなっちゃって、声も枯れてたんです。マネージャーも「明日の稽古休む?」と気を遣ってくれたんですけど、「凌くんも今日別の舞台の千秋楽だけど、明日の稽古出るらしいよ」と聞いて。そんなこと言われたら、「じゃあ俺も行く!」と受けて立つしかなかった。

──そんなことが(笑)。

松田 ドラマでも、東ヶ丘・龍峰それぞれの学校のメンバーとか、同級生同士とかいろいろな関係性に向き合いましたけど、舞台では特に平くんとのやりとりが楽しみだなと僕も思ってます。ドラマ版とはまた違った関係性が築けているというのを自分たちも体感しているので、お客さんにもそこを感じ取っていただければ。

体力づくりに腕相撲大会!?

──ドラマと舞台ではいろいろ違うところもあり、新鮮に楽しめるということですが、そういえば舞台版にプールは……?

黒羽麻璃央

松田 いや、ないですね。プロジェクションマッピングはあるんですけど、基本的には各自の身体の動きのみで、水や泳ぎを表現しています。今の段階では、秋人、しんた(安西)、さとちゃん(佐藤)、麻璃央あたりが特に泳ぐシーンが多いかな。

宮崎 そこに関しては、かなり苦労してますね。まず自分たちに“水”が見えてないと、舞台上に水が現れないんですよ。単なるストロークの動作だけじゃなく、水にエントリーする瞬間や息継ぎする瞬間をどう演じるかも考えないといけないし、どこに水面があって自分にどれくらいの負荷がかかっているかなんてこともイメージしながらやってます。

安西 しかも、1人ひとり泳ぎの型にバリエーションがあるし。

小澤 そう! 僕、背泳ぎだから大変なんですよ(笑)。舞台上で、水面のある方向がみんなと違うんですよね。それで、泳いでいるように見せるのになかなか苦労してます。ほかの人を見ているとあたかも水があるように泳いでいて、「負けないぞ!」と思いますね。

安西 廉くんは演出の吉谷(光太郎)さんと一緒にかなり試行錯誤してるよね。だからこそやりがいがあるんだと思うけど。

小澤 ライブ・ビューイングではきっと間近でその苦労を観ていただけると思います!

──公開稽古のときに黒羽さんが「陸で泳ぐほうが大変」という話をされていらっしゃいました。

黒羽 言いましたね。単純に、泳ぐ動きをしているのに陸にいるのがなんとなく違和感がある(笑)。

宮崎 進まないからね(笑)。

黒羽 ドラマのときは実際に泳いでましたからね。一から作り直してます。

佐藤 そうそう、ドラマのときはみんなすごくきれいなフォームで泳いでたけど、陸で同じようにやっても、いまいち泳いでいるように見えないという……。改めて “舞台で泳ぐ”スタイルがあるんだなと思いました。それぞれの泳ぎに生き様が出てます!

──今回のお芝居は、やはり体力的にハードなこともあると思うのですが、いかがですか?

神永 僕は、稽古場の周りを軽くランニングしてから臨むようにしてます。

赤澤 そうだ。いけぴー(池岡)は腕相撲やってるって聞いたけど?

池岡亮介

池岡 何の話!?

黒羽 あ、龍峰で腕相撲大会した話でしょ?

池岡 ああ、あれね……。

──え、大会をやったんですか?

池岡 別に賞金とかはないですけど、遊びでやったんですよ。慎太郎くんが一番強かったよね。

安西 みんな意外と強くなくて……ちょっとびっくりした(笑)。楽しかったです。

──礼央っぽい発言ですね(笑)。

小澤 いけぴーが一番負けてた!

池岡 意外と弱いんですよ、僕。一虎としては大丈夫なのかなと思われるかもしれませんが、その点に関しては安心してください!(笑)

スクリーン越しでも届く100パーセントの演技を

──まるで東ヶ丘・龍峰の選手たちのように、切磋琢磨しながら役作りをされているということですね。それでは、最後に舞台だけでなくライブ・ビューイングを楽しみにしている皆さんへ、メッセージをお願いします。

宮崎 映画館だと、舞台を直接観ている方と違って、コーラ飲んだりポップコーン食べたりしながら楽しめるわけですよね。たくさん食べて、僕たちの泳ぐ姿を見守ってください!

赤澤 劇場で観たあとに、千秋楽はライブ・ビューイングで、という方もきっといますよね。本当に一生懸命演じてますので、細かいところを比べたりして楽しんでもらうのもいいかもしれません。

佐藤 僕はまず、目の前のお客様に対して100パーセントのお芝居を届けるということを本番初日から最後までやり通したくて。それがスクリーン越しでも届いたらいいなと思ってます。

神永圭佑

神永 滝くんの報われないところ含めて、届いたらいいですよね。

佐藤 滝くんのかわいいところを見守ってください(笑)。

神永 僕も、初日から一瞬一瞬を全力で演じることは変わらないです。チケットがまったく取れなくてライブ・ビューイングしか行けないという方も、家の近くの映画館なら行けるという方も、ぜひ映画館に足を運んでもらえたら。

廣瀬 僕からは……映画館にもしっかりとお芝居を届けるので楽しみにしていただきたいということと、身体のアップが見られるのを楽しみにしていただければということを。

神永 ちなみに智紀くんは、自分の身体だとどこに注目してほしいの?

廣瀬智紀

廣瀬 顔です!

宮崎 脱ぐ脱ぐ言っておいて、顔なのか(笑)。

──龍峰の皆さんもお願いします。

安西 まず、ライブ・ビューイングというステージが用意されていることで、多くのお客様に千秋楽を観ていただけるということに感謝の気持ちをお伝えしたいです。舞台に来てくださっているお客様、ライブ・ビューイングのお客様、両方に気持ちが届くようにしっかり演じたいと思います。

小澤 すごく大きい画面で観ていただけるということで、毛穴まで見えちゃうんじゃないかな? それは特別な体験だと思うので、「あ、こいつここでニヤついてる」とか1人ひとりの表情を堪能してもらえたら。平光希も小悪魔感出していきますので、劇場や映画館でぜひお会いしましょう。

黒羽 映画館って劇場に劣らずワクワクする場所ですよね。大きなスクリーンや最新の音響、いろいろな設備が組み合わさって、舞台ともドラマとも違う、ライブ・ビューイング版「男水!」が楽しめると思います。期待していてください。

池岡 そうそう。「生の舞台に行きたかったのに」と落胆せずに楽しんでもらえるよう、全力で演じるので、ぜひ映画館に足を運んでほしいですね。腕相撲で鍛えた一虎をぜひ観てください(笑)。

──最後に松田さん、お願いします。

松田 はっきり言ってしまうと、別にライブ・ビューイングをやるからといって、自分たちのお芝居の本質は変わらないと思うんです。最初に言ったように、僕はライブ・ビューイングを“オペラグラスみたいなもの”だと思ってるので。それよりも大切なのは、自分たちがずっと“第2の青春”として作ってきた作品が迎える終わりを、ライブ・ビューイングを通してより多くの皆さんに観ていただけるということ。これは新しい可能性だと思いますし、自分たちももう一段階身が引き締まります。それを踏まえて、千秋楽では何も考えずにただ無心で舞台に向き合いたいですね。

舞台「男水!」
大千秋楽ライブ・ビューイング
2017年5月28日(日)17:00~
舞台「男水!」大千秋楽ライブ・ビューイング
ライブ・ビューイング限定オリジナルブロマイド付チケット
一般発売(先着順):2017年5月18日(木)19:00~26日(金)12:00
舞台「男水!」

2017年5月11日(木)~21日(日)
東京都 シアター1010

2017年5月24日(水)~28日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

原作:男水!(木内たつや / 白泉社『花とゆめ』)
脚本・演出:吉谷光太郎

キャスト

榊秀平:松田凌
篠塚大樹:宮崎秋人
藤川礼央:安西慎太郎

小金井晴美:赤澤燈
滝結太:佐藤永典
平光希:小澤廉
仁科譽:黒羽麻璃央
神宮一虎:池岡亮介
原田ダニエル:神永圭佑

市村真幸:齊藤教兵
村上英輔:奈須田雄大
高浦一郎:津嘉山寿穂
高浦二郎:櫻井圭佑
森親太郎:上村海成

磯村邦夫:河野洋一郎

川崎亮也:廣瀬智紀

毛利光汰、佐藤葵、兼尾洋泰、加来亮凪、吉田邑樹、山田諒、町田尚規、神田聖司、村上貴亮、深澤悠斗

©男水!製作委員会

「男水!」上巻
2017年3月1日発売 / バップ

[DVD] 4320円 / VPBX-14577

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[Blu-ray Disc] 5400円 / VPXX-71504

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「男水!」下巻
2017年4月12日発売 / バップ

[DVD] 7560円 / VPBX-14578

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[Blu-ray Disc] 8640円 / VPXX-71505

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「We are swimmers ~男水!キャラクター・ソング&オリジナル・サウンドトラック~」
2017年2月22日発売 / バップ

[CD] 3240円 / VPCD-81894

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松田凌(マツダリョウ)
1991年9月13日生まれ。兵庫県出身。2012年、「ミュージカル『薄桜鬼』斎藤一篇」で舞台初主演。以降、「舞台『K』」「舞台『K』第二章-AROUSAL OF KING-」「メサイア-翡翠ノ章-」などで主演を務めた。6・7月に「舞台『東京喰種トーキョーグール』」、9・10月には、河原雅彦演出「人間風車」に出演予定。
宮崎秋人(ミヤザキシュウト)
1990年9月3日生まれ。東京都出身。主な出演に、 「ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』」ナツ・ドラニクル役、「舞台『青の祓魔師』」奥村雪男役、「舞台『弱虫ペダル』」、ドラマ「弱虫ペダル」新開隼人役ほか。今年2017年には、ドラマ「弱虫ペダル」の続編を控え、冬には映画「写真甲子園 0.5秒の夏」が公開予定。
安西慎太郎(アンザイシンタロウ)
1993年12月16日生まれ。神奈川県出身。2013年、「ミュージカル『テニスの王子様』」2ndシーズンの白石蔵ノ介役で人気を博し、2015年に「舞台『戦国無双』関ヶ原の章」、2016年には「舞台『K-Lost Small World-』」で主演を務めた。7月に西田シャトナー作・演出「遠い夏のゴッホ」、8・9月には舞台「四月は君の嘘」に出演予定。
赤澤燈(アカザワトモル)
1990年3月14日生まれ。東京都出身。2011年、「ミュージカル『テニスの王子様』」2ndシーズンの芥川慈郎役で注目を浴び、以降「メサイア」シリーズなどで活躍。8月に映画「くらわんか!」が公開されるほか、9月の「超!脱獄歌劇『ナンバカ』」ではジューゴ役を演じる。
佐藤永典(サトウヒサノリ)
1990年2月14日生まれ。埼玉県出身。2008年、「ミュージカル『テニスの王子様』」財前光役で俳優デビュー。8月に「戦国御伽絵巻『ヒデヨシ』」、10・11月には、シアターコクーン・オンレパートリー2017 DISCOVER WORLD THEATRE vol.2「危険な関係」に出演予定。
小澤廉(オザワレン)
1991年8月12日生まれ。神奈川県出身。2015年に「ダイヤのA The LIVE」で主人公・沢村栄純役に抜擢され、以降「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」などに出演。6・7月に、劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪「天下無敵の忍び道」、同じく7月には、舞台「夢王国と眠れる100人の王子様 ~Prince Theater~」が控える。
黒羽麻璃央(クロバマリオ)
1993年7月6日生まれ。宮城県出身。2012年から14年まで「ミュージカル『テニスの王子様』」2ndシーズンで菊丸英二役を務め、「ミュージカル『刀剣乱舞』」に三日月宗近役として出演。6・7月に「舞台『黒子のバスケ』OVER-DRIVE」が控えるほか、10月には主演映画「アヤメくんののんびり肉食日誌」が公開される。
池岡亮介(イケオカリョウスケ)
1993年9月3日生まれ。愛知県出身。近年の主な出演作には、「残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』」「Dステ20th『柔道少年』」、ドラマ「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」「本日は、お日柄もよく」など。10月には、前川知大作「関数ドミノ」に出演予定。
神永圭佑(カミナガケイスケ)
1994年8月12日生まれ。茨城県出身。2012年から14年までミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンにて幸村精市役を担当し、ミュージカル「Dance with Devils」では主演を務めた。出演作・映画「マスタード・チョコレート」が4月より全国で順次公開。
廣瀬智紀(ヒロセトモキ)
1987年2月14日生まれ。埼玉県出身。ドラマ「私のホストちゃん~しちにんのホスト~」で注目を浴び、2013年より「舞台『弱虫ペダル』」にて巻島裕介役を演じる。6月に映画「めがみさま」、8月に映画「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」、11月に映画「HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」が公開予定。