ナタリー PowerPush - ユルアニ?

“歌へた芸人”オードリー若林 戦慄の歌手デビューを語る

春日も絶賛! 歌手・若林正恭

──まずは若林さん、「ハトのおよめさん」のテーマ曲を歌うというオファーを受けたときの率直な感想から聞かせてください。

インタビュー風景

若林正恭 いきなり決定項的な感じでうちのマネージャーから話を聞いたんですよ。まさかこんなにしっかりしたテーマ曲だと思わなくて、1話ぐらいにちょっと挿入されるのかなって思ってました。それと、一体何が目的なんだろうっていうことから、まぁドッキリの確率70%かなと。わかりやすいドッキリだなぁと思って、引っかかるフリしなきゃと。

──こういうソロ仕事のお話は、同時に春日さんのほうにも伝えられるのでしょうか?

春日俊彰 んー、まぁレディオ(ニッポン放送「オードリーのオールナイトニッポン」)で知りましたね。本番の若林くんの話で。だから詳細は今知りましたけど。レディオのときは若林くんもプロですから、うまく隠してすべてを言ってなかったので、全貌を知ったのは「なう」ですよね。今流行りの(笑)。

若林 今流行りの?(笑)

──詳細を知って、春日さんとしてはどのような心境ですか?

春日 その作品をまだ耳にしてないんで、なんともはやですけど。

──では、ここでいったん完成作品を見ていただきましょう。

(若林が歌う加山雄三の「お嫁においで」を再生中)

春日 ほぉ~。これは問題じゃないか……?

若林 一緒に加山さんの楽屋に謝りに行かなきゃダメだよ、お前も。

春日 いやいや、T(春日のこと)は、そりゃあもうノータッチだもん。「知らなんだ」って、もう決め込んでますけどね。

──若林さんご自身で100点満点で点数を付けるとすると?

若林 点数ですか(笑)。ちょっとよくわかんないんですよ。これでいいのかなっていう感じですよね。深夜にこれが流れてきたら気分悪くする人もいるんじゃないかって心配ですけど。本当にすごいバクチだと思います。女の人って、歌上手い人とか超好きじゃないですか。

──では、春日さんが点数を付けるとするなら、いかがでしょうか?

春日 100点ですね。

──その理由は?

春日 気取ってないから。

若林 逆に腹立つよ(笑)。

春日 ここで変に音楽のほうに寄せるところが出てないところも100点ですよ。120点、春日のお墨付き。

若林 効果のないお墨付きでね。

春日 CD屋さんで「春日絶賛!」ってPOPに書いてもらってもいいかなって思うぐらい。等身大の若林くんが出てるところが好感持てますね。

レコーディングは怖かった

──実際どのような手順でレコーディングされたのでしょうか?

若林 まずスタジオに入って概要を聞いたんです。それがちゃんとした説明だったんで、「これドッキリじゃねえな」って思いました。それですぐにスタジオ入って録ってたんですけど、どっちに向かって歌うのかとか、いろいろよくわからなくて。まぁ何やっても一緒なんでしょうけど。レコーディングは、ブースの外の反応が聴こえないんで、それが非常に怖かったですね。普通は笑い声が聞こえたらうれしいんですけど、初めてですね、笑い声を聞きたくないっていう気持ちになったのは。でも、スムーズに進みましたよ。

──やはりテレビ番組では歌うのとは違いましたか?

若林 違いましたね。テレビでは、曲を決めるまでに100曲ぐらい歌うんですよ。事前に6時間ぐらいカラオケで片っぱしから歌っていって、その中で一番下手なのを歌うんですけど、本番まで練習しちゃいけないんです。一番難しかったのが「楽しくてしょうがない」っていうテンションのバージョンを撮ったときなんですけど。僕は生きてて「楽しくてしょうがない」って思うことがほとんどないので、自分にない引き出しを開けなきゃいけないっていうところで。そのときは、少年野球で9回裏に2ベースヒットを打ったときのことを思い出しながらやりましたけど。

──それが楽しい思い出のMAXですか?

若林 MAXですね。ファーストの頭をライナーで越えていったんですけど。

──春日さんはレコーディングの経験は?

インタビュー風景

春日 まだないですねえ。

若林 これからもないでしょ。

春日 まぁ、最初にレコーディングする会社は慎重に決めなきゃいけないなとは思ってますけれども。

若林 オファー来たときの話だよ、それ。来ないだろ、何のオファーも。

春日 まぁ、とりあえず若林くんの今回の反応を見て決めようかなと。どう行こうかっていう。お笑い界では春日が道を作ってね、あとから若林くんが綺麗に舗装された道を歩いてきてるという状況ですけども、音楽界においては彼のほうが先にね、道を舗装してくれてるなっていうことに関しては非常に感謝しております。悠々とね、漫才のマイクの前まで行くかのごとくね、ゆっくり歩いていけるから。

──春日さんの中では、レコーディングするときのビジョンみたいなものはできあがっているんですか?

春日 若林くんはレコーディングがスムーズに行ったと。それは素晴らしいことだと思うんですよ。スタッフさんと彼の思いがね、言葉を交わさなくても合致したということで、それはそれでいいと思うんですけど、まぁ私はスタッフさんとバチバチやり合うでしょうね。たぶんやり合いになる。でもそれでいいものを作ってこうという。だから揉めると思いますけどね。春日も罵声を浴びせるでしょうから、それに耐えられるスタッフさんと仕事したいなっていう。

若林 誰がモデルなの? それ。

春日 まぁ、昔のロックミュージシャン。えぇ、うん。

「ユルアニ?」毎週火曜日25時29分~日本テレビ系にて放送中(※一部放送地域を除く)

ユル兄さん

ユル兄さん

ブリンナー、ゲラー、アルバチャコフを弟に持つユル兄弟の長男。ユルい。

アーティスト写真

オードリー

左/若林正恭(わかばやしまさやす)
生年月日:1978年9月20日 
出身地:東京都 

右/春日俊彰(かすがとしあき)
生年月日:1979年2月9日
出身地:埼玉県 

所属:ケイダッシュステージ