「今田×東野のカリギュラ」シーズン1徹底解説  闇に葬り去られた企画書はいかに生まれ変わったか

テレビ業界には、さまざまな理由でボツになった企画書があふれている。「コンプライアンス的にNG」「マニアックすぎて視聴率が見込めない」「くだらなすぎる」など理由はさまざま。そんな一度は闇に葬り去られた企画を蘇らせる番組がAmazon Prime Video「今田×東野のカリギュラ」だ。

同番組のシーズン2が8月31日に配信開始されることを記念し、お笑いナタリーは3本の特集を展開。第1弾では、インパクト抜群な映像のオンパレードとなったシーズン1を振り返り、番組の魅力を6つのポイントに分けて解説する。

文 / 塚越嵩大

「今田×東野のカリギュラ」シーズン1 見どころ

  • 「東野、鹿を狩る」より。

    東野幸治の狩猟から学ぶ
    命のドキュメンタリー

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    • 東野、鹿を狩る#1 / #3 / #4 / #5
    • 東野、猪を狩る#18 / #19
    「東野、猪を狩る」より。

    東野幸治が鹿を狩る。「カリギュラ」は一発目の企画から衝撃的だった。さまざまなバラエティ番組でMCを務め、お茶の間の顔として定着している東野が、息を切らしながら血まみれの鹿を引きずっているのだ。

    「東野、鹿を狩る」は、以前より狩猟を体験してみたかったという東野が、猟銃への火薬の詰め方や鹿の殺し方などをプロから学び、山で狩猟に臨む企画。最初は笑顔でジョークを飛ばしていた彼も、血抜きや解体をする場面では思いきり顔が引きつってしまう。東野がこんな表情をテレビで見せたことがあっただろうか。シリーズ第2弾では、鹿より攻撃的な猪の狩猟に東野が挑戦。生きた猪に目隠しをし、最後は槍で心臓を突いて殺すという思わずためらってしまいそうな工程も汗だくでこなし、「猪は槍で突かれるとすぐ痛みを感じなくなる」「興奮した猪より落ち着いた猪の肉のほうがうまい」といった知識も学んだ。

    「カリギュラ」は狩猟や解体シーンをありのまま映すことによって、「命を食す」とはどういうことなのかを伝えている。動物の血や内臓にもモザイクはかからない。登場した狩猟のプロたちは共通して「命あるものをいただかないと、次の命が繋がっていかない」と語っており、そんな狩猟と真剣に向き合う東野の姿は視聴者に「命とは何か」を考え直すきっかけを与える。

  • 「訳あって地上波ではなかなか会えない、あの人は今!? ~後藤祐樹編~」より。左から今田耕司、後藤祐樹、東野幸治。

    地上波のテレビから
    姿を消した人物が登場

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    • 訳あって地上波ではなかなか会えない、あの人は今!? ~後藤祐樹編~#13
    「訳あって地上波ではなかなか会えない、あの人は今!? ~後藤祐樹編~」に出演した後藤祐樹。

    「訳あって地上波ではなかなか会えない、あの人は今!?」には、元EE JUMPの後藤祐樹が登場した。2002年に芸能界を引退し、2007年に窃盗容疑や強盗傷害容疑で逮捕された彼が番組の収録に参加したのは約15年ぶり。久々の出演番組に「カリギュラ」を選んだのは、後藤の現在の妻がMCの今田耕司と東野幸治を昔から好きだったからだという。

    トークで後藤は、姉がモーニング娘。のメンバーとしてスターダムにのし上がっていったときの心境、共演者から声をかけられることもあったEE JUMP時代の女性関係、首に鯉のタトゥーを入れた理由などを語った。また「人権ってないんだなと思いました」という5年半に及ぶ拘置所での過酷な生活も振り返り、今田や東野も絶句した壮絶なイジメの内容を明かしている。

    この企画の特徴は、後藤を“悲劇の人”や“悪人”として扱っていない点。苦難を乗り越えて更生した部分ばかりを取り上げるのではなく、いいことも悪いこともすべてを後藤に語らせ、彼の波乱に満ちた人生を淡々と伝えている。この企画を通して後藤祐樹にどのような印象を持つかは視聴者によって異なるはずだ。

  • 「自作自演やらせドッキリ バイきんぐ小峠編」より。

    やらせでも面白いものは面白い
    芸人たちの自作自演ドッキリ

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    • 自作自演やらせドッキリ#3 / #9 / #12 / #20
    「自作自演やらせドッキリ 今田耕司編」より。

    芸人たちがドッキリを考案し、それを自らに仕掛ける。「ターゲットに内容を知られてはいけない」というドッキリの大前提を無視した企画が「自作自演やらせドッキリ」だ。テレビ番組が視聴者からたびたび受ける「やらせなのでは」という声を逆手に取ったこのアイデアは「やらせでも面白いものは面白い」という価値観を我々に提示する。

    参加者はバラエティ番組の最前線で活躍する芸人たち。“熟女からのお色気攻撃”という個人的な楽しみを織り交ぜつつ危険なカースタントにも挑んだオードリー春日、巧みな伏線回収やド派手な爆発で一大ドラマを完成させたロバート秋山、「熱い」という一貫したテーマでドッキリやリアクションの奥深さを見せつけたバイきんぐ小峠など、内容は千差万別だが、全員がとにかく体を張っている。ドッキリの名を借りて私利私欲を満たそうとしつつ、自らを危険な状況へと追い込む芸人魂に注目してほしい。

    シーズン1を締めくくるエピソード20では、ついにMCの今田も「やらせドッキリ」に参加する。「子供の頃に見たドッキリのワクワク感を取り戻したい」という彼がチャレンジしたのは、お色気ドッキリ5連発。バラエティ史に残る“伝説”として今もなお語り継がれる大川栄策のゴルフ場ドッキリを超えたいと意気込む今田が女性を脱がせて自分も脱ぐ! 最後に待ち構える衝撃のオチもお見逃しなく。


2018年8月31日更新