ナタリー PowerPush - 山崎あおい

20歳の感性を凝縮!ニューアルバム「アオイロ」

30人同時に告白されるよりうれしい

──現役大学生ということで、勉強との両立も大変じゃないですか?

いや、意外と大丈夫でむしろ学校に行くと心が動くことが多いんです。こうやって取材でお話したりライブをしたりするのは、ミュージシャンとしての糧にはなると思うんですよ。でも1人の女性として成長するなら、やっぱり学校だなって。

──曲を書くテーマが生まれたり?

山崎あおい

はい。最近は身近な先輩が就職活動を始めたのを見ていて、いろいろ感じることがあったり。

──なるほど、それぞれいい刺激になってるんですね。今ちょうど20歳ということですが、これからどんな大人になりたいですか?

私は「普通の女の子」ってよく言われるんですけど、全然普通じゃない部分も持っていて、それを隠しながら生きてるんです。本当はダメ人間なんですよ。だから社会的にちゃんとした大人になりたいですね。

──どんな部分がダメ?

まず、部屋の掃除ができない。ゴミをゴミ箱に捨てられない。本当に基本的なことでお恥ずかしいですが(笑)。

──いえいえ(笑)。ではアーティストとしてはいかがですか?

やりたいことの輪郭がようやく見えてきたので、それを追求していきたい。ライブも好きだけど、根っこにあるのは曲を作るのが好きってことなんです。

──そのモチベーションは?

達成感ですね。もちろん聴いてもらって感想をいただくのもうれしいんですけど、いい曲ができたときの気持ちよさが、私が今知っている感情の中で一番幸せです。30人同時に告白されるよりうれしいと思う。その幸福感を味わうためにがんばってます。

──いい曲ができたと思う瞬間が好きなんですね。

基本的に自分のことが大っ嫌いなんですけど、唯一、自分が好きになれる瞬間ですね。

──とすると、ライブというのはどういう場所ですか?

やっぱり、同じくらい幸せな瞬間です。1曲目から泣いちゃったこともあって、「あー歌えてよかった!」って思います。もう私が幸せを感じられるのは、音楽しかないんだなって。

──「ライブの前は死にたくなる」と言っているのを見たことがあるんですが、それは緊張から?

それもあるけど、ステージに立っちゃえばすごく幸せだってことも分かってるんですよ。だからライブ中の、一番幸せな瞬間で死ねたら最高なのにとも思います。でも本当に死にたいわけじゃないですよ?

──わかってますよ(笑)。

ここで人生を終えたら最高だよな、って思うんです。感情が意味わからなくなっちゃう瞬間ですね。

──まだ慣れないですか?

慣れちゃいけないと思うんですよね。緊張していたほうが本番は楽しめるし。

足りないものがないといけない

山崎あおい

──ちなみに2013年の目標として「ぱるるに会う」と言ってましたが、実現しました?

3回くらい会えました! 握手会ですけど(笑)。

──本当に大好きなんですね。

はい! 写真集も3冊買ったんです。

──ぱるるってそんなに本出してましたっけ?

いや、同じやつを3冊です。特典のポスターが違うので。

──うわあ、ガチじゃないですか! ちなみに、今日のカメラマンはぱるるを撮ったこともある人ですよ。

えー! そうなんですか! そのレンズでですか? じゃあ間接レンズですね!

──間接レンズ!(笑) 

なんか緊張しちゃいますね(笑)。

──余談ですが2013年のクリスマスは友達とスカイダイビングをすると宣言していましたけど、やりました?

いや、友達がケガしちゃって行けなかったんです。代わりに取材が入ったので暇にならずに済むと思っていたら、帰りの時間がちょうどカップルたちが街にあふれる時間で。恋人と待ち合わせしてるフリしようかと思いましたよ(笑)。しかも、2012年のクリスマスはギックリ腰だったんですよ! 10代最後のイブを寝て過ごしましたからね。

──話のネタとしては最高ですよ。

ブログ映えするエピソードですよね。でも私、幸せになっちゃいけない気もしていて。

──どうしてですか?

Mなんですかね。

──そういうことですか?(笑) でもアーティストさんって、自分が満たされてしまうと何も出てこなくなるんじゃないかという恐怖感は持ってますよね。

はい、常に不幸せじゃないといけないというか、足りないものがないといけない気がする。

──逆にどうしたら満たされるんでしょう?

結婚して、子供ができるとか? でも結婚したのに満たされない状態だったら、それも曲になりそうですね。

──常に音楽中心なんですね。

そうですね。だからこそ、幸せになっちゃいけない気がしちゃう。

──満たされたときの感情が、新しい曲の原動力になることもあるんじゃないですか?

うーん、だといいんですけどね。あっ、結婚する前のマリッジブルーでも1曲書けそうですね!

──では今は1月ということで、最後に2014年の目標を聞いてもいいですか?

まず、2013年は土台が作れた1年になったと思うんです。だから今年は、ここからもっと積み上げて行きたい。いつかは誰もが知っているミュージシャンになりたいけど、そのために私は地道に努力し続けるしかないんです。ずっと歌い続けるためにも、コツコツやるしかない。だからがんばりますので、よろしくお願いします!

山崎あおい

山崎あおい - ファーストアルバム『アオイロ』全曲ダイジェスト

ニューアルバム「アオイロ」 / 2014年1月8日 / Victor Entertainment
初回限定盤 [CD+DVD] 3570円 / VIZL-615
通常盤 [CD] 3045円 / VICL-64090
CD収録曲
  1. Just Friend
  2. 恋の予感
  3. 夏海
  4. カランコロン
  5. 花火のあと
  6. 東京
  7. 嘘だった
  8. もっと
  9. Blue days
  10. レイコさん
  11. 各駅停車
  12. スコーレ
  13. 強くなる人
初回限定盤DVD収録内容
  • Just Friend(ビデオクリップ)
  • 強くなる人(ビデオクリップ)
  • 強くなる人(折り紙アニメーションビデオクリップ)
  • 「恋の予感」フリーライブツアードキュメント
  • レコチョクからダウンロード
山崎あおい ファーストワンマンライブツアー2014
  • 2014年3月18日(火)
    北海道 サッポロファクトリーホール
  • 2014年3月20日(木)
    愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2014年3月24日(月)
    大阪府 Music Club JANUS
  • 2014年3月26日(水)
    東京都 渋谷CLUB QUATTRO
山崎あおい(やまざきあおい)
山崎あおい

1993年生まれ、北海道出身の現役大学生シンガーソングライター。「YAMAHA Music Revolution」でグランプリを受賞したことをきっかけに、地元を中心に音楽活動を展開。透明感のある歌声と、等身大の歌詞が同性を中心に支持を集める。2012年8月にビクターエンタテインメントよりインディーズ時代に発表した楽曲をまとめたアルバム「ツナガル」を、同年10月に1stシングル「Just Friend」を発表。2013年に入ってからは「強くなる人」「夏海」「恋の予感」という3枚のシングルをリリースした。2014年1月に1stアルバム「アオイロ」を発表。