ナタリー PowerPush - 山根万理奈
ネット動画サイト発の新鋭シンガー 初の本格インタビューで素顔を明かす
2009年4月に突如YouTube上に現れた「まー」こと「山根万理奈」。顔を一切映さずに、さまざまなアーティストのカバーやオリジナル楽曲をギター1本で弾き語る映像を、次々とアップ。心底楽しそうにギターをかき鳴らし歌うその姿は、瞬く間に多くのユーザーから支持を集める。そして、その人気はついに彼女をメジャーへと連れていくこととなった。
ナタリーでは、シングル「ジャンヌダルク」でデビューする謎の女性シンガー、山根万理奈への初コンタクトに成功。これまで誰も知らなかった彼女の秘密にこれでもかと迫ってみた。貴重な発言の数々、じっくりと堪能してほしい。
なお、インタビューで対面した彼女は、爽やかな笑顔を振りまく、とんでもなくキュートな女性だったことを追記しておく。
取材・文/もりひでゆき
好きな曲を大学生活の合間に歌っている
──山根さんは現在、島根の大学に通っているんですよね。
はい。4回生です。今は週に3日授業があって、週末は実家に帰ったりとか溜まった課題をやったりとか。ほんとに普通の生活を送ってます。たまに寝坊して学校に遅刻もしますし(笑)。
──そういった生活の中に音楽はどう溶け込んでいるんですか?
音楽はだいたい家で過ごしているときや移動中に聴きますね。YouTubeもよく観てます。で、夜に気が向いたときなんかはギターを弾いてみたり。そういうのは昔からずっと変わらないです。最近は曲作りをもっと前向きにやろうと思っているんですけど、学校があって、なかなか長く時間がとれないんですよね。なので時間が空いたときにちょこちょこと。
──普段はどんな曲を聴いていますか?
基本的にずっと邦楽ですね。とにかく歌うことが好きなので、自分が一緒に歌えるものって考えると、やっぱり邦楽になるというか。洋楽だと歌詞があまり入ってこないんですよね、英語が得意じゃないので。でも、最近はお仕事でいろんな方と出会うことで刺激されて、洋楽を聴くようにもなりました。なので昔よりもいろんなものを聴いてるかなあという感じがしてます。
──好みのジャンルってあります?
ジャンル分けっていうのがよくわかんないんですけど、私がYouTubeでカバーしているような曲がやっぱり好きなんだと思います。歌モノが基本ですね。それに合わせて自分も歌いたいので(笑)。でも、ほんとにロックっていう感じの曲とか、ダンスミュージックっぽいものを聴いたりもしますよ。さすがにクラシックはあんまり聴かないですけど、わりと幅は広いほうだと思います。アイドルから懐メロまでみたいな(笑)。
──カバーしている曲の中には、年齢的にリアルタイムで聴いたわけではない曲もあったりしますよね。
懐メロとかはそうですよね。小さい頃に音楽番組でよく懐メロ特集をしてて、それを観ながら「昔の曲でも、イイ曲はイイな」っていうのを子供ながらに感じてたんです。で、曲名をメモっておいてCDショップで探したりしてました。テレビから流れてるのを観たという意味では、私にとってはリアルタイムではあるんですけどね。
──気に入ったアーティストがいると、その人の曲をどんどん掘っていったりもします?
いや、意外とその方の曲をガッツリ聴いているかっていうとそうでもないんですよ。そのアーティストを掘っていくというよりは、とにかく曲単位で好きになるというか。よっぽど「声が好き!」ってことになれば、ほかの曲を聴いてみることもありますけど。かと言って、その人がどこの人でどういう流れでここまで来たかとか、ブログを読んだりとかっていうことまではしないんですね。
──あくまでも楽曲の良さだけに惹かれると。
そうなんです。自分が歌いたいからこの曲が好きっていう感じなので。もちろんYUKIさんとかSalyuさんとか、アルバムが出るごとに聴いている方もいるんですけどね。
──自分で歌うということを前提とすると、女性アーティストの曲を聴くことが多くなります?
ゆずさんとかコブクロさんとか、男の人の曲ばっかり聴いてた時期もあったんですけど、やっぱりいざ歌おうとすると自分のキーと合わないから歌いづらいなあって思ったりしてましたからね。でもギターを始めてからは、カポを付けたりキーを変えたりして、男性の曲でも気持良く歌えるようになって。それがうれしいんですよね(笑)。
──ほんとに歌うのが大好きなんですね。
アハハハ。そうですね、うん。
山根万理奈(やまねまりな)
島根県在住の現役大学生シンガーソングライター。2009年よりYouTubeで、カバー曲やオリジナルの弾き語り映像を公開する。透明感あふれる声やおっとりしたキャラクターがネットを中心に話題を集め、ファンを獲得。その存在が現在所属する事務所スタッフの目に留まり、2011年6月に山音まー名義でニコニコ動画で人気を博している楽曲をカバーしたミニアルバム「人のオンガクを笑うな!」をリリースする。同年7月にワーナーミュージック・ジャパンから、シングル「ジャンヌダルク」でメジャーデビュー。