音楽ナタリー Power Push - 関取花

“ひがみソングの女王”が、笑えて熱い1枚を完成させるまで

関取花が1年5カ月ぶりのアルバム「君によく似た人がいる」を完成させた。

本作にはゲストプレイヤーとして、前作「黄金の海であの子に逢えたなら」に引き続きの田中佑司(Dr)、谷口雄(Key, G)、おかもとえみ(B)、アイリッシュバンド・John John Festivalのjohn(fiddle)&annie(Accordion)という面々や、WATER WATER CAMELの須藤ヒサシ(B)、Rei(G)とOKAMOTO'Sのハマ・オカモト(B)が参加。サポートメンバーのふくよかな演奏に支えられて、関取の伸びやかな歌声が遺憾なく本領を発揮している。

昨年9月には日本テレビ系「行列のできる法律相談所」で「べつに」を披露するなど、いよいよ“見つかりつつある”関取に話を聞いた。

取材・文 / 高岡洋詞 撮影 / 後藤壮太郎

やっとライブが楽しくなってきた

関取花

──前作からの1年半で何か変化はありましたか?

今さらかもしれないんですけど、やっとライブが楽しくなってきました。一昨年くらいは本当に調子が悪くて全然声も出なくて。前作「黄金の海であの子に逢えたなら」(2015年9月発売)も自分では「いいアルバムができたな」と思ったし、今も気に入っていてよく聴くんですけど、新作と聴き比べると、何かにおびえながら歌っている感じがするんですよね。「楽しもう」とか「ちゃんと伝えよう」とか「うまく歌わなきゃ」っていうことばっかり気にしていて。でもツアーが終わったぐらいで何かがパーンと開けた。すっごく気持ちが軽くなって、とにかく楽しく曲を作ることができました。

──何がパーンと開けたんでしょうか。

ちょうど前作を出す前後から、ラジオやテレビの方、ジャンルの違うアーティストなど、自分の界隈じゃない人や音楽の仕事をしていない人が面白がってくださることが増えたんですよ。素のままで接した結果がそうだったので気が楽になって、あんまり気張らずにいられるようになりました。自分の性格と音楽が一直線につながる感じがあったのかもしれないです。

関取花

──そういう人に言われて印象的だったことはありますか?

「もしも僕に」の歌詞にもありますけど、何人かの人に「花ちゃんはどんなことも笑い話に変えられるのがすごい強みだと思うよ」って言われて。自分ではまったくそんな意識がなかったんですけど、そう考えたら全部が楽になったんです。私はお笑いも大好きなので、面白くて笑えて、ちょっと悲しかったり空しかったりするくらいがちょうどいいバランスかなと思っていて。人は笑っているけど、自分の中にはちょっと悲しさがある、とか。そのほうがいい曲が書けると思うし、表には出さないでここ(腹)に溜めてグツグツさせておくのが燃料になったりします。

ニューアルバム「君によく似た人がいる」2017年2月15日発売 / 2300円 / dosukoi records / DSKI-1001
「君によく似た人がいる」
収録曲
  1. この海を越えて行け
  2. 君の住む街
  3. また今日もダメでした
  4. ベントリー・ワルツ
  5. もしも僕に
  6. 僕らの口癖
  7. べつに(Album Edit)
  8. 黄金の海で逢えたなら
  9. カッコー
  10. 平凡な毎日
  11. それでもいいならくれてやる
公演情報
関取花 “君によく似た人がいる” ツアー
  • 2017年3月10日(金)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL
  • 2017年3月11日(土)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2017年3月25日(土)東京都 WWW
関取花(セキトリハナ)
関取花

1990年12月18日生まれの女性シンガーソングライター。幼少期をドイツで過ごし、日本に帰国した後の高校時代より軽音楽部で音楽活動を始める。2009年には「閃光ライオット2009」で審査員特別賞を受賞し、2010年に初の音源となるミニアルバム「THE」をリリース。2012年には神戸女子大学のテレビCMソングに採用された「むすめ」が話題を呼び、同11月には「むすめ」を含む全6曲収録のミニアルバム「中くらいの話」を発表した。2014年2月には3rdミニアルバム「いざ行かん」を発売し、同年7月にFm yokohamaでレギュラー番組「どすこいラジオ」がスタート。2015年9月2日に初のフルアルバム「黄金の海であの子に逢えたなら」をリリースした。2016年10月にシングル「君の住む街」の住む街」を、2017年2月にアルバム「君によく似た人がいる」をリリース。