ナタリー PowerPush - →Pia-no-jaC←×葉加瀬太郎

バトルアルバム発売記念 3人が語る「音楽」「旅」「食」

打ち上げの現場では音楽の話をしたことがない

──3つ目のテーマは「食」。旅していると、行く先々でいろんな食べ物を食べていると思います。

HAYATO 僕らはライブが終わったら次の場所に移動するか東京に戻るんですけど、バス移動なので大抵ごはんは高速道路のパーキングエリアで食べるんです。

HIRO(Cajon)

HIRO 打ち上げも毎回あるわけじゃないし。

葉加瀬 僕はね、基本的に公演が終わると毎回打ち上げをしてます。どんなに長いツアーでも、例えば初日、中日、楽日と3回はする。それが普通です。よくスタッフからは「この食費はなんですか!」って数字を突きつけられることもあるけどね(笑)。

一同 (笑)。

葉加瀬 よく周りから聞くんだけど、メンバーやスタッフにそれぞれ食費を渡して、それでなんとかまかなってくださいっていう制度のところが多いんだって。僕はそれが嫌だから、毎回みんなで食事に行くの。毎晩必ず。で、20数年もツアーをしてると、その土地土地でいろんな店を覚えて、何年もするとおいしい店が厳選されていくのね。でもそれが大切で、「葉加瀬とツアーすると、いつもうまいもんが食える」ってみんな知ってるでしょうし、そうするとこのツアーのメンバーになりたいと思うだろうし。ただ、打ち上げの現場では音楽の話なんて一度もしたことがない。ただ「これうまいね!」って言ってるだけ。でも、それで現場の空気が良くなるし、演奏のアンサンブルも良くなるの。僕はそれを大切にしたいし、「それでいいメンバーが集まるんだからいいじゃない、これくらいのツアー経費」って思うんだよね。

たくさん食べてたくさん飲んで、いい音を出す

──→Pia-no-jaC←は葉加瀬さんから、地方のおいしいお店を教えてもらいました?

写真左からHAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)

HAYATO はい。何カ所か教えていただいて。

HIRO お互いにな。それを楽しみに、これからのツアーも頑張っていきたいです。

葉加瀬 全国各地のおいしいところはちゃんと教えてあげるから。僕のツアーでは僕が行きたい店が全部決まってるから、各地のイベンターさんが夜は何も仕事をしないんだよね。

──それって何もしないんじゃなく、できないんじゃ?(笑)

葉加瀬 そう、なんにもできない(笑)。逆に僕がイベンターさんに紹介してあげることも多いし。20数年もやってればそうなっちゃうよね。ひどいときなんて「今日はここでコンサートが何時からあるから、空港に何時くらいに着く」って、お店の人に僕のスケジュールがバレてるから。空港に着いた瞬間に、地元のお店から「今日は何人来るの?」って携帯に連絡が入るし(笑)。

一同 あははは!(笑)

葉加瀬 「仕入れがあるから。何人来る?」「……15人でお願いします」って(笑)。それ以外にも困ることもあって。みんなで「焼肉に行こうぜ」って言ってたら、寿司屋から「今日は何人?」って電話があるわけ。それで「ちょっと待ってね……(メンバーとスタッフに)寿司にする? でも焼肉……じゃあ両方行こうか?」となってしまう(笑)。仕方ないですね、顔出しとかないと。でもまあ、旅ってそうやっていろんな人たちと一緒に作るものだから。

HAYATO 本当にそうやと思います。僕らはバス移動ですけど、移動時間がかなり長くて、メンバーやスタッフと一緒にいてる時間も長い。だったらと、ビデオを観ながらライブの反省会をしたり、その場でライブ進行のブラッシュアップをしたりしてます。一緒に旅してると、本当の家族みたいになるんですよね。

葉加瀬 そう、家族。だって実際の家族より一緒にいる時間が長いわけだし。そのバックステージでのチームワークが全部音になって、お客さんに伝わってるんだよ。だから、たくさん食べてたくさん飲んで、いい音を出してください。それが音楽家の全ての基本です。

コンサートに足を運ぶことだけは一生変わらない

──今年も夏恒例となった「情熱大陸SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA」がそろそろ始まります。コラボアルバムを制作したことですし、今回は2組の共演に期待してもいいんでしょうか?

葉加瀬 もちろんそのつもりでいるし、昨年から1年でこんな作品ができましたよってお披露目ができれば。これがまた僕らのスタート地点になるんじゃないかな。まあこれからずっと一緒にやっていくわけじゃないと思うけど、→Pia-no-jaC←は自分のことやって、僕も自分のことをやって、そしてまたどこかのタイミングで一緒にやることができたらうれしいよね。

HAYATO アルバムのタイトルどおり、バラード以外では本当に2組がバトルしまくってますから。

葉加瀬 そうそう。すごく良いアルバムができたんで、みんなに聴いてほしいし、それを届けるための作業はいろいろやらなきゃならないから。インターネットが発達して、どんなに音楽を手に入れることが楽になっても、コンサートに足を運ぶことだけは一生変わらないんだよね。コンサートに行って音楽を楽しむことは、イコールお祭りだと思う。僕たちはそのお祭りを移動遊園地みたいに、いろんな街に運ぶ仕事をしてるの。それはずっと続けないといけないし、そのつもりでやってる。お祭り担当っていうのは常に楽しくないとね。僕たちははしゃいでなんぼのものだから、周りから「バカだね」って言われたら儲けもんですよ。

写真左からHAYATO(Piano)、葉加瀬太郎、HIRO(Cajon)

→Pia-no-jaC←×葉加瀬太郎 Csardas / チャールダーシュ

ニューアルバム「BATTLE NOTES」 / 2012年7月11日発売 / ハッツ・アンリミテッド

収録曲
  1. Csardas / チャールダーシュ(※「a」にはアキュートアクセントが付く)
  2. 組曲『 』 with Taro Hakase
  3. アルルの女
  4. HHH Rag(新曲)
  5. 情熱大陸 with →Pia-no-jaC←
  6. リベルタンゴ
  7. Behind the day(新曲)

→Pia-no-jaC←

→Pia-no-jaC←(ぴあのじゃっく)

HAYATO(Piano)、HIRO(Cajon)の2人で構成されるインストゥルメンタルユニット。名前の由来は左から読むとピアノ、右から読むとカホンとなる。鍵盤と打楽器という至ってシンプルな編成ながら、重厚かつ多彩な音を鳴らすのが特徴。デビューから3年でベストアルバム含めアルバム9枚をリリースし、累計は50万枚を突破。その独自の音楽性が各方面から注目を受け、ディズニーやスクウェア・エニックス、ショパンなど多数のトリビュートアルバムに楽曲提供。2010年発売の嵐のアルバム「僕の見ている風景」では、二宮和也から熱いオファーを受けゲストミュージシャンとして参加した。さらに宝塚歌劇団への楽曲提供、ラジオのジングル制作など幅広い活動を展開。ライブではオリジナル楽曲やクラシックなどのカバーを武器に、迫力満点のパフォーマンスを披露。国内外の幅広い層から絶大な支持を受けている。2012年3月7日にはニューアルバム「暁」をリリース。同年7月には葉加瀬太郎とのコラボレーションアルバム「BATTLE NOTES」を発表する。

葉加瀬太郎(はかせたろう)

葉加瀬太郎

1968年1月23日、大阪府生まれ。1990年にKRYZLER & KOMPANYの一員としてメジャーデビューを果たす。1996年の解散以降はソロアーティストとして活動を開始し、セリーヌ・ディオンとの共演で世界的に知名度を高める。2002年、自身が音楽総監督を務めるレーベル「HATS」を設立。アーティストプロデュースのほか、イベントプロデュースや商品企画なども手掛ける。また、同年からは野外フェス「情熱大陸SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA」もスタートさせた。2011年には自身初のクラシックスタイルでの全国ツアー「Classic Theatre」を開催。さらに同年8月、初のベストアルバム「THE BEST OF TARO HAKASE」をリリースし、日本ゴールドディスク大賞を受賞した。2012年7月には→Pia-no-jaC←とのコラボレーションアルバム「BATTLE NOTES」を発表。