ナタリー PowerPush - 神聖かまってちゃん
「つまんね」「みんな死ね」全曲解説
「ぽろりろりんなぼくもぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃーん」
──「ぽろりろりんなぼくもぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃーん」はいつ頃の曲ですか?
メロディは10代の頃ですね。昔です。
──これはどこかで発表してましたっけ?
これはしてないっすね。
──じゃあどうしてこのタイミングで?
このタイミングで出したのはたぶん改めて聴いてなんかメロディが良かったからじゃないですかね。メロディはもともと好きでした、これは。あとこのポップな感じ。単純な曲なんで。でも嫌いじゃないです、これ。
──さっきはボーカリストとしてのの子さんについて質問しましたけど、ギタリストとしての自分についてはどう評価してますか?
コードが弾ける。
──はい。
コードが弾ける。あとは歌いながらギターが弾ける。だからギター&ボーカルって感じです。
──でもソロも弾きますよね。ギターは練習してます?
してません。コードが弾ければいい。でもソロも弾かなきゃいけないという試練がなぜかあったりするので、練習せずになんとかやり切ってますね。やり切れてませんね。毎回失敗してます。
──じゃあギターという楽器への思い入れはあんまりない?
別に、ないってことでもないですし、あるってわけでもないです(笑)。
──あの、以前使ってたショッキングピンクのあのギター(RKS The Wave Pinklipstick)。
あれ良かったですね。
──初めてかまってちゃんを観たときは、やっぱりあのギターの印象が強烈でした。
あのギターぶっ壊したんでもうないんですよね。
──気に入ってたんですよね?
うん、気に入ってました。
──新しいのは?
新しいのはフェンダーのやつ。
──壊したピンクのギターと同じものはもう手に入らないんですか?
売ってないです。売ってたら買いますけど。へへ(笑)。
──じゃあ誰かこのインタビューを読んで地方の楽器屋とかで見つけたら教えてほしいですね。
いや、ないですね。そんな面倒くさいこと(笑)。
「いくつになったら」
──「いくつになったら」にはの子さんの素直な面が出ているという印象を受けます。
これもメロディですね。好きですね。
──「君の事は忘れないって」っていう歌詞の「君」は、過去の自分のことだったりするんですか?
そうなんじゃないですかね。ん? うん、ん? うん。
──歌詞の「僕はいつか東京のど真ん中で、何千人の前で存在を見せてやる」っていうのは、ストレートに読むと、やっぱり大きな会場でライブをやって、っていうことですよね。
そうそうそう。
──で、今は実際に何千人の前でライブをやって存在を見せつけられる状況になったわけですよね。
はい。
──そう考えると感慨深いというか、自分もここまで来た、みたいな感覚はありますか?
いやあ、だから意識してないですね。気にしないっていう感じ。「古い記憶の中 君が僕を指指して あんな大人になりたくないって」っていうのも今の自分のことを言ってるのかもしれないし。だから今の俺はこれを歌ってはいけないのかもしれない。でもそうでもないのかな。わかんねえ(笑)。そのときの歌ですからね、これ。
「口ずさめる様に」
──で、最後「口ずさめる様に」でアルバムが終わるわけですが。
これも古い曲です。10代のときの曲。これも「怒鳴るゆめ」と同じように口ずさんでたらメロディが出てきて、ギターコード付けたりして。
──最初にmonoさんに聴かせた頃からあった曲なんですね。
そんときからありましたね。ありましたけどバンドじゃできなかったんです。何かが物足りなくて。
──の子さんは曲を作るときに、バンドで演奏するときのことは考えたりするんですか?
バンドのことは考えないです、基本的に。バンドなんか放っといてます。
──とにかく自分のイメージどおり緻密に作るということですね。
できることなら全曲きっちりとバンドでやれたらいいんですけど(笑)、そこまでは望んでないです。
──なるほど。という感じの全24曲なんですけど。
はい。やっぱこれを自分で語るのはナンセンスですね。
──難しいですね。
難しいっていうかバカバカしいです、こんなの、やっぱり。うん、やっぱ見て思ったことがすべてで。みんなもそんなバカじゃないんでだいたいわかりますよ。僕の歌詞なんか特にそうですよ。むしろほかのバンドの歌詞のほうが全然わかんねえじゃねえかって思うんですけど。俺それからみたら全然ストレートだと思いますよ(笑)。だから普通に俺の歌詞を語る必要は全然ないっす。「スピード」みたいな空虚感とかどういう状態だったかっていう、そういった話はあるかもしれないですけど。
CD収録曲
- ねこラジ
- あるてぃめっとレイザー!
- ベイビーレイニーデイリー
- 自分らしく
- 怒鳴るゆめ
- 最悪な少女の将来
- スピード
- 男はロマンだぜ!たけだ君っ
- 神様それではひどいなり
- 僕のブルース
- ぽろりろりんなぼくもぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃーん
- いくつになったら
- 口ずさめる様に
神聖かまってちゃん(しんせいかまってちゃん)
の子(Vo,G)、mono(Key)、ちばぎん(B)、みさこ(Dr)の千葉県在住メンバーからなるロックバンド。の子による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集める。2009年には1600組の応募バンドの中から選ばれ、一般公募枠で「SUMMER SONIC 09」に出演。2010年3月に初のCD作品となるミニアルバム「友だちを殺してまで。」を発表した後、ワーナーミュージック・ジャパンと契約し、2010年12月にメジャーレーベルのワーナーから「つまんね」、インディーズレーベルのPERFECT MUSICから「みんな死ね」という2枚のアルバムを同時リリース。子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続けている。