ナタリー PowerPush - 神聖かまってちゃん / mono (Key)

メンバー全員自宅訪問! 異例の個別インタビューでバンドの本質に迫る

リーダーが語る神聖かまってちゃん結成の経緯

──monoさんは、の子さん、ちばぎんさんとは幼なじみなんですよね。

僕は2人と幼稚園が一緒だったんですけど、クラスが違ったから当時は絡むことがなくて。ちばぎんとちゃんと知り合ったのは中学のときですね。部活も一緒だったし仲は良かったです。の子とはそのあと高校で同じクラスになって、顔だけはなんとなく昔の記憶が残ってたから「あれ? おまえもあの幼稚園にいたよね?」って声をかけて仲良くなりました。でもあいつ半年くらいで高校中退しちゃって。高2で一緒にバンドを始めるまでは、たまーに連絡とる程度で。

──2人とはどういう経緯でバンドを始めたんですか?

ちばぎんとは高校になってから遊びでバンド組んで、僕は当時ドラムやってたんです。の子はそのバンドをやってたときにスタジオでばったり会って。その後ちばぎんとのバンドが解散した後、の子のバンドでドラムが足りないって言ってたから、の子に「ドラムをやらせてくんないか?」みたいな電話をしたんですよ。そのときはまだの子がどんな曲をやってるのか知らなかったけど、バンドやるなら身近な友達とやったほうが楽しいだろうと思って。そしたら「とりあえず俺の作った曲を聴いてみて、どんな感じか感想教えて」って言って曲を聴かせてくれたんです。

──スタジオで会ったということは、の子さんはmonoさんと知り合う前からバンドをやってたんですね。

インタビュー写真

そうですね。メンバー募集で自分で仲間を探して。実はあいつ、かなりアクティブなんですよね。僕とのバンドを始めてからもブッキングとか全部の子がやってくれてたし。

──そのバンドでは最初からの子さんのオリジナル曲を演奏してたんですか?

僕はオリジナル曲をやり始めた頃に参加したからわからないんですよ。なんかコピーとかもやってたらしいんですけど、過去のことはあんまり教えてくれないんで。ただ、そのバンドが本格的に活動を始めたのはどうやら僕が入ってかららしいです。

──どういうメンバー構成のバンドだったんでしょうか。

僕との子と、あとベースとコーラスの女の子がいました。でも、の子といざこざがあったらしくて、ある日突然スタジオに来なくなったんですよ。の子からは「辞めちゃったよ」って言われて。

──原因は?

教えてくれない。

──わはは(笑)。それでいいんですか?

僕はまあ、とりあえずドラムが叩ければなんでもいいやって。あの頃は新しくメンバーが入ってもまたすぐ消えて、僕との子以外は入れ替えの連続でしたね。ある日、の子が「キーボードが欲しい!」って言い出して、ちっちゃい頃にピアノやってた僕がドラムからキーボードに移行することになったんです。で、代わりにドラムを叩ける人をしばらく探したんですけど見つからなくて、高校卒業したくらいに「あいつならドラムもやれるんじゃないかな」って思ってちばぎんをバンドに呼んだんです。

──ちなみに当時のバンド名は?

「びばるげばる書店」って名前でやったり「うっそぴょん」って名乗ったりしてたんですけど、そのあたりからバンド名を今の「神聖かまってちゃん」にしてます。バンド名にあんまりこだわってないから、いつからなのかは曖昧なんですけどね。

の子は女の子のメンバーを入れることにこだわっていた

──みさこさんはいつ頃加入したんですか?

ちばぎんが入った後もベーシストが全然固まらなくて、ライブではサポートの人に入ってもらいつつ、やっぱり誰かベースやってくれる人いないかなって話はしてたんですよ。そしたら「新しいメンバーが見つかった」って、の子がドラムのみさこさんを連れてきて……。

──いや、ちばぎんさんがドラムをやっているならドラマーは足りていたのでは(笑)。

そうなんですよね(笑)。ただ、当時ちばぎんは別なバンドもやってて、どちらかというとそっちがメインだったんですよ。だから正式なドラマーが見つかったってことで一旦かまってちゃんからは抜けたんです。だけどその後もベースがやっぱり固まらず、メンバー募集で人を探すよりも気心が知れた友人のほうが話が進むんじゃないかって結論になったから、ちょっと強引だけど、ちばぎんに改めて「ベース弾く気ない?」って声かけてメンバーにしました。ベースなんか未経験だし、本当はギター&ボーカルがやりたかったのに(笑)。

──の子さんはどうしてみさこさんを選んだんでしょうね。

多分単純に女の子だからですよ。バンドを女の子受けする見栄えにしたかったんじゃないかな。あいつやたら女の子にこだわってて、ベース探すときもキーボード探すときも「女の子が欲しい」って言ってた。メンバー募集の詳しい内容は読んでないからわからないんですけど、「女の子メンバー募集! 楽器不問!」みたいな、そのくらいのノリだったんじゃないですか(笑)。

の子に無理強いさせてまでバンドを続けたくない

──初めての子さんの曲を聴いたときの印象ってどうでした?

第一印象は「なんだこれ? 歌へったくそだな、こいつ」みたいな。当時のデモはギターとドラムとピアノだけの本当にシンプルな音源だったんですけど。

──それは今もライブでやってる曲ですか?

インタビュー写真

はい、初めて聴いたのは「怒鳴るゆめ」です。今とはだいぶアレンジが違いますけどね。最初は「なんだかなあ……」って感じだったんですが、なんか引っかかるものがあって、癖のあるメロディが忘れられなくなって、だんだんいい曲に思えてきて、気付いたら「ドラムは俺に叩かせてくれ!」って言ってました。

──その時点でここまで注目されるバンドになると思ってました?

全くですね。「これで食えたらいいな」くらいの気持ちも少しはありましたけど、25歳になったら「悪ぃ! もう俺バンド辞めるわ!」っての子に言って、交通整理の仕事にでも就くつもりだったし。思い出として残ればそれで満足でした。

──現在はもうバンドを辞めるつもりはないですよね。

そうですね。ただ、の子に無理強いはさせたくないんですよね。あいつがもうやりたくないって言ったら「じゃあいいよ、辞めようぜ」って答えるつもりです。ここまで来たのは本当にすごいですけど、あいつに「今は売れてるときなんだからがんばれよ。俺だってメシ食いてえんだから辞めんなよ」なんてことは言いたくない。

──潔いですね。もしかしてmonoさんはそれほど音楽に執着してるわけではない?

いや、むしろ音楽だけが俺の唯一のとりえだと思ってます。運動会とかで足が速かったわけでもないし、見た目もカッコ悪いし。でもただひとつ自信があったのが歌うことだったんです。小学生の頃に友達と一緒にカラオケに行って、みんなにうまいってほめられてからですね。自分は音楽でしか人の前に出れないんじゃねえか、って思うようになってたんです。

──歌に自信があるなら、もし今のバンドが解散しても自分がフロントに立って音楽が続けられるのでは?

そう思ってたこともありました。でも、の子に出会った瞬間に「こいつには勝てない」って感じたので、今はあいつを支える立場になりたいと思ってるんですよね。

ミニアルバム「友だちを殺してまで。」 / 2010年3月10日発売 / 1575円(税込) / PERFECT MUSIC / XQFL-1014

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CD収録曲
  1. ロックンロールは鳴り止まないっ
  2. ぺんてる
  3. 死にたい季節
  4. 23才の夏休み
  5. 学校に行きたくない
  6. ゆーれいみマン
  7. ちりとり
神聖かまってちゃん(しんせいかまってちゃん)

アーティスト写真

の子(Vo,G)、mono(Key)、ちばぎん(B)、みさこ(Dr)の千葉県在住メンバーからなるロックバンド。の子による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集める。2009年には1600組の応募バンドの中から選ばれ、一般公募枠で「SUMMER SONIC 09」に出演。子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続けている。2010年3月に初のCD作品となるミニアルバム「友だちを殺してまで。」をリリース。