音楽ナタリー PowerPush - THE イナズマ戦隊

祝・17(イナ)周年!七転び八起きのジャパニーズドリーム

結成17(イナ)周年を迎えたTHE イナズマ戦隊が、約2年ぶりとなるオリジナルアルバム「17」をリリースする。「共に見に行こう 俺達の未来」と高らかに宣言するリード曲「ジャパニーズドリーム」、17周年のテーマソング「Everything is gonna be alright」など13曲を収録した本作は、上中丈弥(Vo)が「THE イナズマ戦隊のド真ん中を表現できた」と語るほどの渾身のアルバムに仕上がっている。

今回ナタリーではメンバー全員にインタビュー。17周年のイベントの中で感じたファンへの思い、この先のバンドの未来を含め、「17」について熱く語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 撮影 / IDE

自分たちも日本のロックロールの線路に乗ってるんじゃないかな

THE イナズマ戦隊

──まずは17(イナ)周年について聞かせてください。THE イナズマ戦隊にとってはきわめて重要な1年だったと思うのですが。

上中 そうですね。この1年は改めて実感することが多かったんですよ。今まで素通りしてきたようなことも、足を止めてしっかり感じたというか。

山田武郎(G) そうやな。

久保裕行(Dr) 今まで“周年”のイベントってそんなにやってなかったんですけど、今年は毎月17日に何かしらの形でイベントなどをやったんですよね。8月17日に長崎(稲佐山公園野外ステージ)でやったプレミアムワンマンライブにも、全国からたくさんの人が集まってくれて。改めて感謝を感じることが多かったですね。

山田 長崎のライブのときは「こんなに味方がおるんや!?」って思いましたね。ずっと全速力で走ってきたから、振り返ることがほとんどなかったんですよ。でも、ちょっとスピードを緩めて周りを見てみたら、ついて来てくれてる人がたくさんいて。

上中 ライブのときも「ありがとうな」って思うんだけど、それよりも「俺たちがおまえらを支えたる。だからがんばれ!」っていう気持ちで歌ってるほうが強いですからね。でも、「実は支えられてたんや」っていうことをすごく感じた1年でした。

──17年という長い時間の中で培ってきたファンとの関係を改めて体感した、と。

久保 そうですね。もう自分たちの年齢の半分はバンドやってますから。

上中丈弥(Vo)

上中 後戻りできないところまで進んできましたね(笑)。ただ、振り返ったときに「空っぽではなかったな」と思えたんですよね、今年。ただ長くバンドをやってきただけではなくて、自分たちのメッセージがしっかりお客さんに伝わって、多少は人生を支えることもできてるのかな、と。この先もバンドを続けていけるという自信にもなったし……。つぶしも効かないですからね、これだけバンドをやってると(笑)。

──(笑)。この先もバンドをやるしかないという決意も生まれた?

上中 そうっすね。今年の経験はホンマに大きかったと思います。ヘンな話、だんだんこなれてくるじゃないですか。いろんなことをなんとなくかわしながら活動していたとしても、20周年までたどり着けたと思うんですよ。でも、この1年の中で自分たちのことを応援してくれて、笑顔と涙を見せてくれる人がいるっていうことが改めてわかって。当然ですけど、「真面目に向き合わないといけない」と思いますよね。

山田 あと、手前味噌ながら「ええバンドやな」って思いましたね。友達同士でバンドを始めて、そのノリのまま17年続けてるバンドって、そんなにいないじゃないですか。怒髪天、フラカンみたいなすごい先輩もいますけど、自分たちも日本のロックンロールの線路にちゃんと乗ってるんじゃないかなって。

上中 勝手に電車置いて、大丈夫?(笑)

王道が一番ラクかと思ったら、けっこうシンどかった

──17年間、バンドを続けることに対して心が揺らぐことは1度もなかった?

上中 俺はないですけどね。どう?

山田武郎(G)

山田 揺らいだことはないですね。伸び悩むことはありましたけど。

上中 あ、それはあるな。もっとスキルを上げないとって。

久保 メジャーデビューして2年目くらいのときはすごく感じてましたね。「東京に出てくる=売れる」というつもりでデビューして、全国各地でライブをやって、CDもリリースしたんですけど、そんなにはうまくいかなかったんですよね。そうすると、自分たちの力量不足に向き合わざるを得ないですから。

上中 それはもう、ごまかしようがないんですよ。長く続いてるバンドは圧倒的な演奏力を持ってるんですよね、絶対。メンバー1人ひとりがミュージシャンとして成り立っていて、バンド感もハンパない。そこに近付くためにはもっとがんばらないとあかんなって。

山田 それは今も同じですけどね。ただ、今は自分のことがわかってきてるから、「これをクリアするためには、これくらいの準備、これくらいの助走期間が必要」っていうのがわかるんですよ。そこに関しては、ちょっとは成長してるんだと思います。

──THE イナズマ戦隊は音楽のスタイルもずっと一貫してますよね。路線の変更もないし、流行に寄ることもないっていう。

上中 まあ、そうですね。「俺らも四つ打ちの速い曲やってみる?」みたいなフットワークの軽さはあるんだけど、途中で「ダサない?」ってなるから。後で「やっとけばよかった」って思うかもしれんけど。

左から久保裕行(Dr)、中田俊哉(B)。

中田俊哉(B) どうやろ?(笑)

上中 あと、自分らのモノにはできない気がするんですね。ちょっとくらいズレてたとしても、それを全力で一生懸命にやってるところがファンの人らには響いてる気もするんですよ。そこは裏切りたくないというか、ヘンに違うことをやって「シラけるわ」みたいにさせたくないんで。……こんな話、したことないなあ。

中田 自分たちでは王道を進んでるつもりやからな。

上中 王道が一番ラクかと思ったら、けっこうシンどかったな。

久保 王道はずっと存在してるけど、流行ることはないから。

ニューアルバム「17」2014年12月17日発売 / SMALLER RECORDINGS
初回限定盤[CD+DVD]3300円 / SLRL-90017~8
通常盤[CD]3000円 / SLRL-10017
CD収録曲
  1. ジャパニーズドリーム
  2. 立ち上がるにはいい日だぜ!!
  3. 喜びの歌
  4. 恋人よ
  5. 俺達に祝杯を
  6. 涙の青春
  7. シャララ ~涙を越えて行け!~
  8. 友情のメロディ
  9. NATURAL MONSTER
  10. 君の笑顔にはかなわないよ
  11. 幸せの唄
  12. この手の中に
  13. Everything is gonna be alright
初回限定盤DVD収録内容
  • 「ジャパニーズドリーム」Music video
  • Everything is gonna be alright」(2014/8/17長崎稲佐山公園野外ステージライブ映像)
THE イナズマ戦隊ワンマンライブ2015
~「17」リリースツアー~
  • 2015年4月4日(土)鹿児島県 SR HALL
  • 2015年4月5日(日)熊本県 熊本B.9 V1
  • 2015年4月11日(土)大分県 DRUM Be-0
  • 2015年4月12日(日)長崎県 DRUM Be-7
  • 2015年4月29日(水・祝)京都府 KYOTO MUSE
  • 2015年5月1日(金)兵庫県 チキンジョージ
  • 2015年5月6日(水・祝)石川県 vanvan V4
  • 2015年5月9日(土)広島県 ナミキジャンクション
  • 2015年5月10日(日)岡山県 MO:GLA
  • 2015年5月15日(金)北海道 BESSIE HALL
  • 2015年5月17日(日)青森県 青森Quarter
  • 2015年5月24日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
  • 2015年5月30日(土)鳥取県 米子 AZTiC laughs
  • 2015年5月31日(日)香川県 DIME
  • 2015年6月6日(土)宮城県 HooK SENDAI
  • 2015年6月7日(日)福島県 郡山CLUB #9
  • 2015年6月13日(土)高知県 CARAVAN SARY
  • 2015年6月14日(日)愛知県 ell.FITS ALL
  • 2015年6月19日(金)大阪府 umeda AKASO
  • 2015年6月21日(日)奈良県 奈良NEVER LAND
  • 2015年6月28日(日)福岡県 DRUM LOGOS

チケット代:4000円(税込・ドリンク代別)

※全公演:3歳以上チケット必要 / ※17歳以下身分証必要
※17(イナ)歳以下割引:17歳以下の方は、当日会場にて1,700円キャッシュバックします(要身分証明書)

THE イナズマ戦隊(イナズマセンタイ)

歌心あふれるメロディと力強いバンドサウンドが魅力の4人組ロックバンド。1997年に札幌で結成され、2002年8月にインディーズからミニアルバム「THEイナズマ戦隊」を発表。2003年2月にシングル「月に吠えろ」でメジャーデビュー。リリースに連動して年間100本を超えるライブツアーを敢行し話題を集める。2010年にSony Music Artistsが新たに立ち上げたSMALLER RECORDINGSに移籍。近年では上中丈弥(Vo)が作詞家として、関ジャニ∞「ズッコケ男道」「無責任ヒーロー」やKis-My-Ft2「Everybody Go」「We never give up!」などジャニーズ関連の楽曲制作に参加していることでも知られている。2013年には、ドラマ「Y・O・U やまびこ音楽同好会」の主人公である桐谷健太演じる河野勇作とコラボレートした、同番組の主題歌「喜びの歌」をリリース。結成から17(イナ)周年を迎えた2014年、オリジナルアルバム「17」を発表した。