ナタリー PowerPush - THEイナズマ戦隊

超自信作「愛とファイター」堂々完成

前作「未来の地図」から1年ぶりとなるニューアルバム「愛とファイター」をリリースするTHEイナズマ戦隊。このアルバムは、相変わらずの熱いサウンドと、彼らにしか伝えられない剥き出しかつ直球なメッセージが詰まった1枚だ。

「愛」をテーマにした今作について、ナタリーではメンバー4人にインタビューを敢行。楽曲の制作秘話、ライブへの思い、結成15周年について……を尋ねるうちに、彼らのファンへ対する「愛」が痛いほどに伝わってきた。

取材・文 / 川倉由起子 インタビュー撮影 / 平沼久奈

YouTubeで「熱闘甲子園」を観て泣いてる

──熱量たっぷりの歌詞とサウンドが心に刺さりまくりの、本当に素晴らしいアルバムでした。

THEイナズマ戦隊

全員 ありがとうございます。うれしいなあ。

──前作アルバム「未来の地図」を経ての今回は、どんなことを意識して作られたんですか?

上中丈弥(Vo) とにかく「未来の地図」よりさらにいいものをってことですね。やりたいことをやるんだっていう。

久保裕行(Dr) やりたいライブが、よりできるように。

上中 そう、ライブが軸です。そこで最終的に決着がつけられるようなものにしたかったですね。

──確かに1曲目「チケット!!」から、ものすごくライブがイメージできる作品だなと。

上中 「チケット!!」は前々からこういう曲を作りたかったんです。ライブの1曲目の定番になるとええなって。

久保 どこ行ってもこの曲が流れたら「イナ戦、出てきたぞ!」って思ってもらえるような。ずっとそういう曲がやりたくて、ようやく形にできたという感じです。

山田武郎(G) RCサクセションでいう「よォーこそ」とかね。

上中 あと「キューピー3分クッキング」もそうやな? あー来た来た!って。なんかセカセカせえへん?

全員 (爆笑)。

──「チケット!!」は歌詞も面白くて。「チケット代より歌って踊れ!」とか、ストレートすぎる(笑)。

上中 お客さんてね、チケット見てニヤニヤしてくれてたりするみたいなんですよ。最近はTwitterとかでそういう反応を知ることができて、みんな相当楽しみにしてるんやなって。するともう、「明日死んでもいいくらい今日は気分が良かった!」って思えるくらいの気持ちで俺らもやらなあかんって。みんな、僕らが思ってる以上に楽しみにしてくれてるんやから。

──そういう熱い思い、熱い曲っていうのは結成時から一貫してるものですか?

上中 これが素ですから。もちろんステージを降りればスイッチは切り変わるけど、曲を作ってるときとかオフの時間でもある程度は熱い。そういう人たちなんですよ。「熱闘甲子園」とか観ても、めっちゃ泣くもんなー。

中田俊哉(B) 泣く、大好き!

上中 甲子園じゃないんですよ? 「熱闘甲子園」なんです。YouTubeで「熱闘甲子園」観とるやつ、おらんやろなあ。

山田 なかなかおれへん(笑)。

「未来の地図」以降のイナ戦は決定的に違います

上中丈弥(Vo)

──話は戻りますが、今作を制作するにあたって前作「未来の地図」は改めてどういう1枚だったと思いますか?

上中 今聴いても素晴らしいアルバムですね。ただちょっと、型にハマってる感はあるかな(笑)。あえて言うならね。

山田 確かに。当時の最高ではあったけど。でも「未来の地図」は、メンバーで1回仕切り直して、「つまりはなんなんやろう?」って考えながら作ったアルバム。だからデビューアルバムくらいの新鮮さはありますね。

上中 前作では自分らもこれで責任取れるっていうものが出せたから。そういうものを作ろうってみんなで会議をして、今回はそこからの第2弾なので。うん、「未来の地図」以降のイナ戦は決定的に違いますね。

──で、今作のテーマは「愛」ということで。

中田 前作の「未来の地図」という曲に「それが愛なんだ」って歌詞があったんですが、多分、それくらいから「愛」についての流れが始まってたんちゃうかなって、今思うと感じたりします。

上中 愛って、デカイこと言っちゃったよねえ(笑)。でもこの「愛」は「お前のことが好きや」っていうのもあれば、「久保さん最高やねん!」(と、肩をポンと叩く)っていうのもあるし。すごく大きな意味での愛です。

──もちろんファンに向けても?

上中 そう。ライブが一番自分らを見せられる場所やし、ライブは本当に愛を感じますよ。33歳にもなってライブやってるロックバンドをわざわざ観にくるやつがおんねんもん。なあ?

久保山田中田 (笑)。

上中 ワンマンやったら2時間も目をキラキラさせて観てる人がいるって、すごいことですよ。僕が例えば20歳くらいで、ウルトライケメンで、ファッション誌の表紙とかバンバン飾ってて。それだとキャーキャー言われるのも当然やけど(笑)。じゃあなんでそれでも付いてきてくれるかっていったら、15年やってきて自然と出るTHEイナズマ戦隊のグルーヴだったり、歌の世界観とか。そういうところに惚れてくれてるんやと思うんです。そりゃもう、愛ですよ。

ニューアルバム「愛とファイター」

  • [CD] / 2011年9月28日発売 / SMALLER RECORDINGS / 2800円(税込) / SLRL-10003 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. チケット!!
  2. ラッタッタ
  3. 涙のファイター
  4. 愛じゃないか
  5. 人情ビート
  6. 俺一代
  7. サンダーマン
  8. 愛しい日々さ
  9. 武蔵野ラプソディー
  10. スイートソウル
  11. 終りなき道
  12. 時代
THEイナズマ戦隊ニューアルバム
「愛とファイター」先行試聴会

配信日時:
2011年9月27日(火)19:00~20:00

再配信日時:
2011年9月28日(水)12:00~13:00

配信URL:
http://www.ustream.tv/channel/tesaguri-sma

ハッシュタグ:
#tesaguri / #愛じゃないか

THEイナズマ戦隊(ざいなずませんたい)

歌心あふれるメロディと力強いバンドサウンドが魅力の4人組ロックバンド。1997年に札幌で結成され、2002年8月にインディーズからミニアルバム「THEイナズマ戦隊」を発表。2003年2月にシングル「月に吠えろ」でメジャーデビュー。リリースに連動して年間100本を超えるライブツアーを敢行し話題を集める。また福岡の「HIGHER GROUND」などの大型フェスにも出演し、毎回好評を博す。2010年にSony Music Artistsが新たに立ち上げたSMALLER RECORDINGSに移籍。2011年9月に、通算8枚目となるアルバム「愛とファイター」を発表する。