Devil ANTHEM.のNANOHA.が7月末をもってグループを卒業する。初期メンバーの1人である彼女は、今年の4月に高校に進学。学業に専念するため、およそ3年間のアイドル活動に終止符を打つ。音楽ナタリーではNANOHA.への単独インタビューに加えて、KURUMI.、SATSUKI.、AI.、KAEDE.、YUME.の5人に今の心境とこれからのデビアンについて話を聞いた。

取材・文 / 古川朋久　撮影 / 草場雄介

後悔はなく、やり切った思い

──7月いっぱいでグループを卒業することが発表されました。卒業を決めたのはいつ頃ですか？

考え始めたのは今年の3月くらいです。高校受験に合格したので高校での生活を優先させたいと思い始めました。両立するという選択肢もあったんでしょうが、アイドル活動をしているとなかなかほかの予定って立てづらいので。行きたい大学の学部もあって、ちゃんと勉強もしないといけなかったりするので、アイドルとしての活動はここまでにしようと決心しました。

──今やりたいことはアイドルではないだろう、と。

そうですね。中学3年間をかけてがんばってきましたけど、自分としてはもう後悔はなく、やり切った思いです。それに歳下のYUME.やKAEDE.も成長してきたし、ここがバトンを渡すタイミングかなと私は思ったんです。

──デビアンの中で自分がやるべきことはもうない、ということですか？

というよりは高校に入ってからデビアンの活動になかなか集中できない自分がいて、ライブをやっても心から楽しいと思えることが少なくなってきちゃったんです。充実感が足りないというか……でもそれは自分の気持ちの問題だし、そういう思いを抱えたままライブに出続けるのはメンバーにもスタッフさんにも、ファンの皆さんにも失礼だなと思って。そうやって高校生活とデビアンを天秤にかけてすごく悩みました。最近はファンの皆さんからも「デビアン、調子いいね！」と言われることが増えてきたので、このままがんばればもっと上に行けると思うんですが、自分が今やりたいことはアイドルではないなって。

残りの2カ月でアイドルとしての全力を見せる

──NANOHA.さんが抜けたあとのデビアンにはどうなってほしいですか？

私が抜けたあと、新メンバーが加入するという話をマネージャーさんから聞きました。まだ何人入るのか、年齢はいくつかなどわかりませんけど、今いるメンバーと共にもっと大きくなってほしい。国民的グループになったり、武道館で単独コンサートをやるくらいになったりしたら、辞めたことをちょっと後悔するかもしれないですけどね（笑）。

──成長を期待しているメンバーはいます？

これは正直、みんなに期待しています。この1年でみんなすごくレベルアップしてきていると思う。見えないところでダンスの練習をしているのがわかるんですよ。本当にがんばり屋さんたちだなって。だからきっと全員が伸びていくと思うし、それでデビアンとしての評価も上がっていくんじゃないかと。

──初期メンバーはKURUMI.さん、SATSUKI.さんの2人になってしまいますね。

2人共リーダーシップがあると思うんです。今までデビアンはあえてリーダーというものを決めずにここまでやってきたんですけど、私はSATSUKI.にまとめてほしいかな。年長者ということもあるけど、SATSUKI.本人がリーダーとしてまとめ役をやってみたいと言っていたんです。彼女はグループの中でメンバーのことをちゃんと見ているし、人のことを考えて行動ができる人。私はそういうことが苦手なのですごく尊敬します。

──7月に行うワンマンライブはどういうものにしたいですか？

ありきたりですけど、今までで一番のライブにしたいですね。アイドルとしての最後のライブになるので、後悔のないものにしたいなと。

──まだ最後のライブまで時間はありますが、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

デビアンのメンバーになってから2年ちょっと、本当にいろんなことがありました。その中では何度かメンバーの入れ替えがあって、そのたびに心がくじけそうになることも正直ありました。でも皆さんが私たちを支えてくださったから、今の私たちがあります。本当に感謝の気持ちしかないです。最後という実感がまだないんですが、7月9日のワンマンライブは6人でのラストのライブになります。この6人のデビアンを多くの人に観てもらいたい。感謝の気持ちを皆さんに伝えられるようなライブにします。残りの2カ月、アイドルとしての全力をお見せします。