浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS|“どこにもない景色”に向けた最先端ロック

浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSの全国ツアー「どこにもない景色TOUR 2017」が11月6日にスタートする。さらにツアー初日と同日に新曲「Beautiful Death」が配信リリースされる。3月に1stアルバム「METEO」を発表し、その後2度のツアーを行いバンドとしての強度とライブの精度を高めてきた3人。新曲は浅井の表現の本質が感じられる刺激的なナンバーに仕上げられており、今回のツアーにも大きな期待が集まっている。

音楽ナタリーでは浅井に単独インタビューを実施。「Beautiful Death」を軸にしながら、現在のバンドの状況や制作中のニューアルバムの展望などについて聞いた。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 岩佐篤樹

自分が納得できないものは出せない

──浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSとして3月にアルバム「METEO」を発表し、そのあと2度のツアーを行うなど、精力的な活動が続いていますね。

浅井健一

初ライブが去年の8月23日だから、ようやく1年ちょっと経って。始めた頃とバンドが全然違うものになってる感じがしてる。すごくよくなってるよ。

──具体的にはどんなところに手応えを感じているんですか?

まず(小林)瞳ちゃん(Dr)のドラミングだね。前はバスドラの踏み方が複雑だったんだけど、前回のツアーでそのことに気付いてもう少しシンプルにしてもらったんだよ。ビートがストレートになって、さらによくなったんじゃないかな。あとは3人がお互いになじんできて、それが演奏にも出てる。みんな楽しんでやってると思うよ。

──楽曲の制作にもよい影響が出ていそうですね。

次のアルバムに向けた制作を去年の12月に始めたんだけど、そのあとの小さいツアーが楽しくて、自分の中に火が点いたね。8月に入ってから一気に作って、諦めなくてよかった。

──ライブの手応えがきっかけになったと?

浅井健一

ライブもきっかけになってるね。ずっとモノを作り続けてるけど、毎回レコーディングに入るときは不安なんだわ。自分が納得できないものは出せないし、そのレベルまで行けるかどうかっていう。毎日曲と歌詞を書くけど、それが本当によいものかどうかは2日後くらいにならないとわからないんだよね。書いたときは「よし、これでいいはずだ」と思っても、次の次の日くらいに歌ってみると「全然ダメだな」ということもあるから。あとはメンバーの反応によっても変わってくるし。そういうことの繰り返しだね。

ヒットさせることがミュージシャンにとって最も大事

──浅井さんは約30年にわたって楽曲を発表し続けていて。活動が止まっていた時期もほとんどないし、多作ですよね。

浅井健一

うん、多作だね。でもヒットさせないとね。ミュージシャンにとってはそれが最も大事だから。

──11月6日には今年3回目の全国ツアー「どこにもない景色TOUR 2017」がスタートして、そのタイミングで新曲「Beautifulful Death」が配信リリースされます。

アルバムの制作の中で5、6曲くらい「これはいいな」という曲ができて。「Beautiful Death」もそのうちの1つで、どう受け取られるのか楽しみだね。この曲、熊本のイベントに出たときのリハーサル中にできたんだよ。本番前のリハは5分か10分くらいだったんだけど、幕が降りた状態で音を出しているときに、最初のフレーズを思い付いて。そこに端を発して、あとは3人で作り上げた感じ。

浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS「Beautiful Death」
2017年11月6日配信リリース / アリオラジャパン
浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS「Beautiful Death」

250円

iTunes Store

収録曲
  1. Beautiful Death
浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS「どこにもない景色TOUR 2017」
  • 2017年11月6日(月)愛知県 伏見JAMMIN'
  • 2017年11月7日(火)大阪府 Shangri-La
  • 2017年11月9日(木)島根県 松江 AZTiC canova
  • 2017年11月11日(土)福岡県 DRUM Be-1
  • 2017年11月12日(日)鹿児島県 SR HALL
  • 2017年11月21日(火)北海道 Sound Lab mole
  • 2017年11月23日(木・祝)群馬県 前橋DYVER
  • 2017年11月24日(金)福島県 Out Line
  • 2017年11月28日(火)東京都 LIQUIDROOM
浅井健一(アサイケンイチ)
浅井健一
1964年生まれ。愛知県出身。1991年にBLANKEY JET CITYのボーカル&ギターとして、シングル「不良少年のうた」とアルバム「Red Guitar and the Truth」でメジャーデビューを飾る。数々の名作を残し、2000年7月に惜しまれつつ解散。その後、SHERBETSやJUDEなどさまざまな形でバンド活動を続け、2006年7月にソロ名義では初となるシングル「危険すぎる」、同年9月に初ソロアルバム「Johnny Hell」を発表した。繊細なタッチで描かれるイラストも高く評価されており、絵本や画集などを発表している。2016年5月に新たなソロプロジェクト・浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSを始動。メンバーは浅井、中尾憲太郎(B)、小林瞳(Dr)で、同年10月にシングル「Messenger Boy」、2017年1月にアルバム「METEO」を発表した。11月に全国ツアー「どこにもない景色TOUR 2017」を開催し、新曲「Beautiful Death」を配信リリースする。