初めてライブを観に来たのはここだった

──今日はこういう場所（下北沢GARAGE）での取材ですし、昔話なんかも聞かせてもらえたらと思うんですが。

内澤崇仁（Vo, G）　はい。東京に来て、初めてライブをした場所がここ。そのあと、企画のブッキングに入れてもらう中で、佐藤（拓也）くんがいたバンドと対バンして。当時はみんな出てたんだっけ？

伊藤彬彦（Dr）　対バンはしたことないけど、僕もよく出てましたね。

前田恭介（B）　僕もサポートで出たりしてましたね。

──内澤さんの東京での初ライブがGARAGEだった理由は？

内澤　東京に出てきてバンド活動してる先輩がいて、その人がここでやってたんです。だから、初めて観に来たライブもGARAGEで、ほかに知らなかったっていう。あの頃はインターネットもそんなに普及してなくて。

佐藤拓也（G, Key）　いやいやいや、もう普及してたよ？（笑）

内澤　そう？ なんかちょっと難しかったんだって！

──やっぱり、バンドマンが下北沢に自ずと集まる空気ってありました？

前田　あったかも。GARAGEは東京でも有名な老舗でしょ？

佐藤　そうだね。ACIDMAN、Base Ball Bear、LUNKHEADといったバンドがワーッとここから出ていったって話を聞いてたし、年末のイベントとかになると、そういう人たちがまた集まってGARAGEでやってたりして。いい空気を感じてましたね。

──ここに今日来たのは、かなりひさしぶりなんですか？

全員　ひさびさですねえ！

内澤　5～6年ぶりかな。

佐藤　俺はちょいちょい顔出しに来てるよ。

前田　俺もライブを観に来たことがあったなあ。

佐藤くんに会って「やっと弾ける人を見つけた」って

──2008年の2月にGARAGEに出たのが、andropとしての初めてのライブだそうですね。

佐藤　2008年か！

内澤　その頃、前身バンドのPostmanが解散したんですけど、だいたいライブハウスのブッキングって3カ月くらい先まで決めるから、もう次のライブを予約しちゃってて。無理やり出ざるをえなかった感じでした。しかも「過去のバンド名を表記しなきゃダメ」みたいなことを言われて、「androp（内澤崇仁 ex.Postman）」って名前で出た記憶があります。嫌だったんだけど、「それはお前のやってたバンドの責任だ。そうしないと、Postmanを知ってる人も観に来ることができないから」って店長に。確かになと。

佐藤　僕ら4人が集まって初めて音を出したのも、すぐ近くにある下北沢のスタジオなんですよ。そこから「このメンバーでやっていこう！」ってなって、初ライブに向けてひたすら練習だけをした期間はよく覚えてますね。

前田　週6とか？

伊藤　やってたねえ。

佐藤　2009年の終わりから2010年にかけてかな。

内澤　そういう話だと、僕はメンバー探しをしまくってたときのことが思い出深いですね。なかなかうまく見つからない中で、フッと頭に浮かんだんですよ。GARAGEのステージで、すごくいい笑顔でギター弾いてた佐藤くんが。

佐藤　初めて話したとき、お互いのバンドのステッカーとCDを交換したよね。

内澤　そうだそうだ（笑）。「Tonbi」っていう曲があるんですけど、イントロのアルペジオを弾ける人が全然いなかったんですよ。なのに、佐藤くんは普通に弾けた。それが衝撃的だったな。「やっと弾ける人を見つけた」って感じで。