映画ナタリー PowerPush - 「ラスト5イヤーズ」

今井洋介×島袋聖南 テラハ出身の恋愛マスター2人が語る、恋と結婚

恋愛する相手のことを自分の中で“先生”って呼んでる(今井)

「過去の恋愛を振り返ることも大事」と語る島袋聖南。

島袋 映画を観ていて思い返す恋愛もありました。たとえ別れてしまっても愛し合っていたって事実はあるじゃないですか。振り返ることも大事ですよね。

今井 うん、どの恋愛にも教訓ってあると思う。俺の場合、あるときから恋愛する相手のことを自分の中で“先生”って呼んでて。10代の後半に大失恋を経験して、そこから俺は自分がダメだった部分を変えようって思ったんですね。彼女を取り戻すためにってことじゃなくて。恋愛の神様が、彼女の存在を通して俺に教えようとしてくれたんだなって。

──恋愛の神様から、今井さんへのメッセージだと。

恋愛の神様について説く今井洋介。

今井 そう。自分の人間性を高めるのに必要なことを教えてくれてるんだって捉えるようになってから、恋愛に対して恐くなくなった。だから、「ラスト5イヤーズ」は別れの話ではあるけど、これを観ても俺は恋愛したくないとか結婚したくないとは思わないんですよ。そこに教訓があるから。で、最終的にちゃんと幸せになるラブストーリーを1つ、自分の人生で紡げればいいなって思っていて。

島袋 洋さんの名言が出たね!

ドライブのシーンで歌ったキャシーの歌が印象的でした(島袋)

──劇中には14曲のラブソングが登場しますが、印象に残ったものはありますか?

キャシーはドライブ中、自身の過去や恋愛の失敗談などを明かす。

島袋 キャシーの実家へ向かって、2人がドライブしてたときの曲かな。キャシーが自分の過去の話を彼に話して聞かせるシーン。

今井 ドライブのシーンは印象的だったよね。俺、ああいうレトロスタイルな車好きだし。

──ドライブって2人きりですし、腰を落ち着けて口説くには格好のシチュエーションですよね。

ワンチャンを狙う今井洋介。

今井 最近ある役者さんから聞いたんですけど、人と話すときは正面より横に並んだほうが、相手を威嚇せず、リラックスさせられるんですって。だから車って理想的ですよね。そう考えると、(隣りに座る島袋を見て)俺らもワンチャンあるんじゃないかな?

一同 (笑)

島袋 洋さんはどんなアングルでも攻めるでしょ。

今井 全方位型だよな。目力強いし。

23歳のとき、彼女の誕生日に映画を作った(今井)

夫婦で迎える初めてのクリスマスに張り切るジェイミー。

──クリスマスの夜、ジェイミーがキャシーに歌を贈るシーンがありましたが、ああいうサプライズはお好きですか?

島袋 すごく素敵だなって思いました。

今井 いや、ジェイミーには申し訳ないけど、あのサプライズは面倒くさくない? なんか読んだりガシャガシャやったり、落ち着けよって。俺だったらもっとシンプルにやると思う。

島袋 でも洋さんも、あんな風にがんばった時期はなかった?

一世一代のサプライズを再現する今井洋介。

今井 あったよ。23歳のとき、彼女の誕生日に映画作ったもん。鎌倉の鶴岡八幡宮から由比ガ浜までのまっすぐな道で、彼女の名前とおめでとうっていう文字を1文字ずつ画用紙に書いて掲げて、その写真を連続で1000枚ぐらい友達に撮ってもらって。写真を連続再生すると、つながってメッセージになってるっていう。最終的には海にたどりついて、もう頭が水の中に沈んじゃうぐらいの所まで行って、「おめでとう」の「う」をこうやって見せてましたから。

──超大作ですね。彼女は感激されたんじゃないですか?

今井 喜んでましたね。観たあとに、「洋介って、不思議だけどうれしい」とか言われて。でもそれも結局ね……まあ、これぐらいにしときます。

ギターで気持ちを伝えたりすることは、正直昔からありました(今井)

──サプライズつながりでお聞きしたいのですが、今井さんと言えば、「テラスハウス」で、思いを歌に乗せてぶつける姿が印象的でした。その手法はいつ編み出されたものなんでしょうか?

今井 それを言っちゃうと、「私、最初じゃなかったんだ」って誰かに怒られちゃいそう(笑)。さっきも言ったけど、俺、喉に牛乳瓶のフタが詰まっちゃってるような声をしてるから、歌はそんなに歌ってなくて。でも「君のこと考えて作ったよ」とか言って、ギターで弾いたりすることは、正直昔からありました。

──それで、実際に恋が実ったことは?

今井 元嫁ですね。だから、結局実らなかった(笑)。アンサーソング書かなきゃ。

──アンサーソング(笑)。自問自答ですね。

「ラスト5イヤーズ」 2015年4月25日 全国公開

「ラスト5イヤーズ」

オフブロードウェイで大ヒットを記録した同名ミュージカルを、「P.S. アイラヴユー」のリチャード・ラグラヴェネーズ監督が映画化。小説家のジェイミーと女優を目指すキャシーが出会い、結婚し、そして別れるまでの5年間を追う。男性は出会いから別れまで、女性は別れから出会いまで、それぞれ逆行する時間軸で描いた意欲作。14曲のラブソングがときに楽しく、ときに切なく、劇中を彩る。

スタッフ

監督・脚本・製作:リチャード・ラグラヴェネーズ
原作・音楽:ジェイソン・ロバート・ブラウン

キャスト

キャシー:アナ・ケンドリック
ジェイミー:ジェレミー・ジョーダン

今井洋介、島袋聖南

左 / 今井洋介(イマイヨウスケ)

1984年10月29日生まれ。神奈川県出身。写真家、音楽家。2013年からリアリティ番組「テラスハウス」に出演し、人気を集める。劇場版「テラスハウス クロージング・ドア」にも出演。5月7日~13日に赤坂RED / THEATERで上演される舞台、山田ジャパン「大渋滞」に出演。

右 / 島袋聖南(シマブクロセイナ)

1987年4月4日生まれ。沖縄県出身。モデルとして活躍する傍ら、フジテレビ系で2012年~2014年に放送された「テラスハウス」に出演。そのトレンディすぎる言動が話題を呼んだ。公開中の劇場版「テラスハウス クロージング・ドア」にも出演している。スタイルブック「I am SEINA」が発売中。