「JACO Fes 2019夏」南翔太 松浦正太郎 橋谷拓玖 林田岬優 吉木遼 座談会 1回で2度おいしい夏フェス、やんちゃな男と女の青春譚

映像監督・秋山純にゆかりのあるクリエイター、俳優、アーティストが競演するパフォーマンスフェスティバル「JACO Fes 2019夏」が、9月28・29日に東京・ベルエポック美容専門学校 第二校舎で開催される(参照:「JACO Fes」南翔太が東京やんちゃボーイズ旗揚げ、林田岬優主演作も上演)。

「JACO Fes 2019夏」では、南翔太率いる東京やんちゃボーイズのお披露目公演「やんちゃでいこう!~旅立ち編~」と、mosaïque-Tokyoの特別公演「宵待草」を上演。どちらの作品も、不器用な男と女が運命に逆らうため必死でもがき、人生を全力で駆けようとする姿を描く。

本特集では、東京やんちゃボーイズの旗揚げメンバーである南、松浦正太郎、橋谷拓玖、「宵待草」に出演する林田岬優と吉木遼が、“1回で2度おいしい夏フェス”の楽しみ方をレクチャー。また特集の後半には、「意外な出会いを楽しむフェスにしたい」という総合プロデューサー・秋山の意気込みも掲載している。

取材・文 / 川口聡 撮影 / 川野結李歌
ヘアメイク協力 / ベルエポック美容専門学校 原宿校

南翔太×松浦正太郎×橋谷拓玖×林田岬優×吉木遼
座談会

“下手くそ”の奥にある“熱い部分”

──「JACO Fes 2019夏」で南さん、松浦さん、橋谷さんは、東京やんちゃボーイズを旗揚げされます。東京やんちゃボーイズとは、どんな集団なのでしょう?

東京やんちゃボーイズのメンバー。左から橋谷拓玖、南翔太、松浦正太郎。

南翔太 東京やんちゃボーイズは役者3人によるバンドで、今回上演するお披露目公演「やんちゃでいこう!~旅立ち編~」の劇中で芝居と生演奏に挑戦します。僕は今まで音楽というものにほとんど触れてこなかったのですが、バンド結成をきっかけに、いちからベースを始めました。

松浦正太郎 僕はもともとギターをやっていて、それこそ高校時代にバンドを組んでいたことがあって。今回の公演では、16歳のときにお小遣いを貯めて初めて買ったエレキギターを持って舞台に立てるのが感慨深いです。やんちゃボーイズではボーカルも担当します。

 メンバーの中で楽器経験者は正太郎だけなんですが、この数カ月間、公演に向けてスタジオに入ってオリジナル曲の練習を重ねてきました。

松浦 リーダー(南)がベース初挑戦なのに、そのベースラインが難しいんですよね。

 そう……ものすごくテクニックが必要で。

松浦正太郎

松浦 そうやって新たなチャレンジをしている先輩を近くで見ていて、僕も初期衝動がよみがえってきて、「どこまでもついていきますよ!」と気合が入っています。

──熱いバンドになりそうですね。リーダーの南さんがベース、松浦さんがギターボーカルときまして、橋谷さんの担当楽器は?

橋谷拓玖 僕は……マラカスです!

一同 ははは!(笑)

──ドラムやパーカッションではなく、マラカスなんですか?

橋谷 そうです。主に誰よりも真剣にマラカスを振る担当です。

松浦 ベース、ギター、マラカスの3ピースバンドですが、音楽性の違いは今のところまだ生じてないです(笑)。

 演奏は下手くそかもしれないですが、お客様にはその奥にある“熱い部分”を感じていただきたいですね。

──そんなやんちゃボーイズのお披露目公演「やんちゃでいこう!~旅立ち編~」では、人情派な男たちの不器用な青春譚が繰り広げられます。

 ずっと俳優人生を送ってきた男が、三十代も半ばを過ぎてバンドを始めるという、やんちゃボーイズ結成の物語が描かれます。僕が演じる主人公のショウタは、二十代で映画の主役に抜擢され、一気にスターダムを駆け上がるんですが、W主役だった俳優が麻薬所持で逮捕されたことで映画が打ち切りになって。バラ色に見えたショウタの俳優人生でしたが、その事件をきっかけに、12年間にわたって冴えない時を送ることになるんです。「俺の人生、こんなはずじゃなかった」「本当の自分はもっと違う」と、悶々と葛藤する日々を送って、気付けばもう三十代半ば。そんな中、昔の俳優仲間のショウタロウとの再会をきっかけに、バンドを結成するんですよ。

橋谷拓玖

松浦 「運命なんて、言葉の遊びじゃないか!」ってね。

 そう。ショウタが、自分の人生に課せられた運命に逆らうために、一度きりの人生を全力で生きたい!と走り出す、彼の祈りのような物語なんです。

──やんちゃボーイズのキャッチコピーは「酒が好き、音楽が好き、女が好きの昭和生まれ。合言葉は『やんちゃでいこう!』」ですが、お三方は実際に“やんちゃ”な部分があったりするのでしょうか?

 ほかの2人はやんちゃですが、僕に関しては1つもやんちゃな部分はないです(笑)。

松浦橋谷 えー!(笑)

松浦 酒が好き、音楽が好き、女が好き……まあ全部当てはまっているかもしれないですね。でも自分がやんちゃだと思うと、何でもできちゃう気がする。多少ハメを外しても、「だって俺たち、やんちゃだから……そうです、東京やんちゃボーイズです!」で解決しちゃう(笑)。やんちゃって魔法の言葉かもしれないですよね。

林田岬優 自分に正直に生きている感じがして魅力的ですが、付き合うのは大変そう(笑)。(相手役の吉木に視線を送り)……でも吉木さんは真面目そうですね。

吉木遼 そうですね。僕は真面目な部分が強いので、やんちゃできるってうらやましいです。やんちゃボーイズの3人を見てると楽しそうだなあって。

 でも遼ちゃんは今回女性とがっつり共演できてうらやましいなあと思いますよ。こっちのチームはすごい男臭いから(笑)。

「JACO Fes」=「ダメな男Fes」?

──一方、mosaïque-Tokyoの特別公演「宵待草」では、男女のいびつな三角関係を描くドロドロな恋愛劇が展開しますね。

左から林田岬優、吉木遼。

林田 「宵待草」は大正時代の画家・竹久夢二とその元妻、そして夢二の恋人の三角関係をモデルにした物語です。離婚した妻と夫、夫の恋人の3人がひとつ屋根の下で同居しているという、ちょっと不思議な設定で。私は元妻のたまき役を演じるのですが、元夫とその恋人を目の前にして、掻き乱され、正気と狂気の狭間で苦しむ女性の姿を表現したいと思っています。

吉木 元妻がいるのに家に恋人を連れ込むって、夢二は究極のダメ男ですよね。この間、ワンシーンだけ稽古をしたとき、秋山さんからひと言「遼ちゃんは変態だね」って言われて(笑)。そんなふうに演じたつもりはないのに「変態」と言われたので、「俺、夢二できるかも!」と自信が持てて、演じるのが楽しみになりました。

一同 あははは!

林田岬優

林田 今、竹久夢二のことをたくさん勉強しているのですが、知れば知るほど魅力的な男性で、彼が大好きになりました。たまきもきっと、夢二のことが好きで好きで、自分が彼から離れていくという運命に、どうしても逆らいたかったんじゃないでしょうか。今回、私にとっては初舞台でもあり、劇中で歌うシーンまであるのですが、力みすぎず、魂を込めて歌いたいと思います。

──初舞台は一生に一度ですからね。役者としての先輩でもある南さんから林田さんに何かアドバイスはありますか?

 今回「やんちゃでいこう!」の劇中に登場する映像に、デビット伊東さんに出演していただくんですが、デビットさんが昔「『おはようございます』って劇場に入ってきて、そのまま舞台に上がりたい。常にそれくらいの状態に仕上げてから本番に臨みたい」とおっしゃっていて。僕もそうありたいなと思いましたね。

林田 なるほど。

──林田さんはモデルや映像のお仕事をされるとき、本番に臨む際のジンクスはあるんですか?

林田 なるべくいつも通りでいようとします。力み過ぎたり、前のめりになったりすると失敗するタイプなので(笑)。今回もできるだけフラットに自然体でいつつ、お芝居には1本筋を通して、集中して演じたいです。

──mosaïque-Tokyoは観客のことを“共犯者”と呼んでいますが、林田さんと吉木さんは、観客とどんな“共犯関係”を築きたいですか?

吉木遼

吉木 男性から「あんなダメ男のどこがいいんだよ!」って反感を買いながらも、女性からは「わかるわかる。ああいう男の人って魅力的だよね」と思われるような……そんな関係になれたらいいですね。

林田 方向性は違うけど「やんちゃでいこう!」も「宵待草」もダメな男の人ばかり出てきますよね。

吉木 確かに!

松浦 「JACO Fes」=「ダメな男Fes」になりそうですね(笑)。

林田 女性のお客様には、ダメな男たちを観て、男性に対しての日頃の鬱憤を解消していただきたいです。「わかるー! よし、終わったら飲みに行こう!」みたいな(笑)。

 それも楽しみ方の1つかもね。

松浦 フェスという雰囲気がそうさせてくれるかも。1演目ごとにブレイクタイムがあるから、感想をたくさん言い合っていただいて。

林田 観終わったあとすぐに誰かと語りたくなるような作品にしたいですね。