NSC特集 かまいたちインタビュー&特別授業レポート|NSCはおもろい人たちと出会える場所

“イケメンコンビ”として売れたかった

──先ほどの特別授業では「自分がおもろいと思う人と組むべき」とおっしゃっていましたが、そのハーフの方も面白いと思って組んだのでは?

山内 普通にしゃべってるときにボケたら「言うてる場合か!」って言ってきて、おもろいなって思っていたら「言うてる場合か」しか言えなかった。「言うてる場合か」は面白かったんですけど。

濱家 すごくいいテンポと間で「言うてる場合か」だけ言ってくる(笑)。

──一方、濱家さんは「アカンと思ったら即切り」という考え方で、5人の相方と解散を経てかまいたちを結成したそうですね。どうやって山内さんと出会ったんですが?

左から山内健司、濱家隆一。

濱家 最初は僕、モテそうな奴とばっかり組んでたんですよ。これ言うのめっちゃ恥ずかしいんですけど、小学校から高校までけっこう人気があったもんだからそんなに自分をブスと思っていなくて、“イケメンコンビ”として売れたかったんです。

──ダブルイケメンで。

濱家 はい(笑)。だから最初は男前を第一条件に探してました。Aクラスにいても解散すると1回Cクラスに落ちることになっていて、そのときに山内と知り合いました。入学当初にも山内のネタは見たことがあって、面白いなと思っていたんですが、またクラスが一緒になったときもやっぱり面白くて。それで僕からしゃべりかけに行ったら、山内が「番号教えといてくれへん?」って言ってきたんですよ。で、NSCを卒業してから僕は5人目の相方と解散してどうしようかなって思っていたときに、山内がオーディションライブにピンで出ていて、めっちゃウケてたんです。でもオーディションには落ちちゃって、その日のうちに電話して「コンビ組まへん?」って誘いました。

──山内さんはピンとしてやっていく気持ちはなかったんですか?

山内 いや、僕もずっとコンビ組みたかったんです。インドネシア人とのハーフと解散したあと、あんまり友達がいなくて相方が見つからなかったっていうだけで。「やっぱり純日本人がいい」と思っていたときに濱家が声かけてきて、「日本人や!」って思ってとりあえず番号交換しました。

濱家 すっごい粗いフィルターやったんや(笑)。

“天竺ハウス”に同期が必ず誰かいた

──同期とはどんな交流をしてきましたか?

濱家 NSC時代はザ ツネハッチャンの八十島と和牛の水田と3人でよう遊んでましたね。

山内 僕はNSCのときはずっとCクラスだったので、天竺とか藤崎とか、今一緒にやってる面々とはまったく面識がなくて。濱家は全員と知り合いやから、卒業後にコンビ組んでから26期メンバーでつるんで遊ぶようになりました。天竺の川原と瀬下が当時2人で一緒に住んでいたんですよ。“天竺ハウス”って呼んでいて、みんなでその家に行ってゲームしたり、ご飯食べたりしていました。

濱家隆一

濱家 藤崎もそうやし、河井も山名も、今仲いいメンバーみんな集まってましたね。天竺ハウスがたまり場になっていて、行けば必ず誰かいて。麻雀したり酒飲んだり。

山内 あ、賭け麻雀ですよ?

濱家 いやいや、違うわ! 「賭け麻雀じゃないですよ?」やろ。そのテンションで言うなよ!(笑)

山内 あと女性を……。

濱家 いや、してへんよ!

山内 酔っ払って記憶ない女性ですよ?

濱家 だからそれがあかんねん!(笑)

──あはははは(笑)。天竺ハウスでできた掛け合いとかもあるんじゃないですか?

濱家 卒業して1年目のときはほぼ毎日、天竺ハウスに誰かがいて。今でも変わらずやってるノリとかめっちゃありますよ。

山内 ユニットコントをするときに、天竺の家でやっていたことをそのままネタにしたこともあります。

同期の活躍、今でもめちゃめちゃ悔しい

──同期は仲間でありライバルでもあると思うんですが、以前、和牛のお二人が同期の中で劣等感があったとおっしゃっていたんです。かまいたちのお二人にもそういう気持ちがあった時期はありますか?

濱家 今でもめちゃめちゃありますよ。和牛が去年の「M-1グランプリ」で2位になって、今ぶわーっと売れてるじゃないですか。それがめちゃくちゃ悔しい。「ガリゲル」(ytv)やったかな、けんちゃん(和牛・川西)が「前はお笑い劣等生っていう意識があって、かまいたちが挨拶してきたときに緊張してたんです」って言うてるのを観て、余計にまた悔しくなって。誰が上とかないですけど、和牛が今独走している状況。それがめちゃくちゃ悔しいから、自分たちも負けへんってすごく刺激になっています。

──山内さんはどうですか?

同期たちをかまいたちが抜いたところだと説明する山内。

山内 藤崎が売れて、天竺が「キングオブコント」決勝出て、うちらが「ABCお笑いグランプリ」獲って……って、常に追いつけ追い越せでやってきて。で、去年和牛が「M-1」2位になって、今うちらが「キングオブコント」で追い抜いたところです。

濱家 追い抜いてはないねん! みんなでがんばってるっていう話や。

山内 やっと抜けたな……っていう。

濱家 和牛の人気、知ってるか?

──(笑)。刺激し合いながら、みんなで切磋琢磨しているということですね。

濱家 そうですね。やっぱりNSC入ってよかったのは、山内含めおもろい人たちと出会えたっていうこと。

山内 ほんまに同期のメンバーがいなかったら全体的にもレベルが上がってないと思います。

──では最後に、これからお笑いの道に進もうかどうしようか、迷っている人へ向けてメッセージをお願いします。

濱家 「後悔しないように」ということに尽きますね。

山内 「いけるんちゃうかな?」と思ってるんやったらチャレンジしてみてたらいいと思います。「俺よりおもろい奴いっぱいいるやん」って思ったらやめればいいし。どっかに引っかかったまま別の仕事に就くのってモヤモヤすると思うんです。だから「1回勝負してみてダメだったらすぐ撤退」を僕はオススメします。

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吉本総合芸能学院(NSC)

吉本総合芸能学院(NSC)は1982年に大阪校が開校して以降、さまざまなタレントを輩出。2015年にはトレンディエンジェルがNSC東京校出身者としては初の「M-1グランプリ」王者に。新人オーディションなど芸人としての実力を試すチャンスが豊富で、成績優秀者は在学中から舞台やテレビなどで仕事の現場に立つ。

第3次募集締切:2018年2月末日(必着)
第4次募集締切:2018年3月末日(必着)

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よしもとクリエイティブカレッジ

よしもとクリエイティブカレッジは2008年度にNSCの姉妹校として誕生。各種番組やイベント、ライブなどに携わるスタッフや、クリエイター、構成作家の養成を目的としている。

第3次募集締切:2018年2月末日(必着)
第4次募集締切:2018年3月末日(必着)

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よしもと沖縄エンターテイメントカレッジ

よしもと沖縄エンターテイメントカレッジは2011年4月に開校。独自の芸能文化が根付いている沖縄での新たな才能の発掘を目指す。「沖縄から世界に発信するコンテンツを」という志を掲げてタレントやスタッフ志望者によしもと流のノウハウを教えている。沖縄国際映画祭など県内各所で行われるイベントにて実践を積む機会も多数。

願書受付締切:2018年4月末日まで(消印有効)

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沖縄ラフ&ピース専門学校

2018年4月に開校する沖縄ラフ&ピース専門学校は、マンガコースとCG・アニメコースからなるクリエイティブ学科、パフォーマーコースとプロダクションコースからなるパフォーミングアーツ学科を用意。各コースでは元「週刊少年ジャンプ」編集長の堀江信彦氏やNetflixオリジナルドラマ「火花」を手がけたプロデューサー・古賀俊輔氏、トニー賞を3度受賞したヒントン・バトルといったクリエイターをレジェンド講師に迎える。入試はなく、入学資格を満たしていれば誰でも出願できる間口が広い学校だ。

2018年3月24日(土)まで願書受付中。

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かまいたち

かまいたち

左 / 山内健司(ヤマウチケンジ)
1981年1月17日生まれ、島根県出身。
右 / 濱家隆一(ハマイエリュウイチ)
1983年11月6日生まれ、大阪府出身。
NSC大阪校26期生同士で、同校卒業後の2004年5月にコンビ結成。2007年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞、2008年「第43回上方漫才大賞」新人賞、2013年「第33回ABCお笑いグランプリ」優勝、「歌ネタ王決定戦2016」優勝など、受賞歴多数。「キングオブコント」では昨年2016年に初の決勝進出を果たし、今年2017年にチャンピオンの座に輝いた。